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episode.『12月27日(火)/12月28日(水)』



自分の気持ちを言葉にする


口にすることは難しいけれど


文字に起こすと


多少素直になれるから


とても今更だとは思いますが


あの頃言えなかった気持ち


今だから言える言葉


いつかの君へ贈る最後の言葉


どうか届きますように



      ※



もしもあの頃に戻れたなら


今のコミュ力で


好きな人とたくさん話がしたいです



      ※



彼と彼女は似ているんです


好きな人の幸せを優先してしまうところが


違うのは


彼女は自分の幸せも諦めていない


だから彼への思いが時折姿を見せる


けれど最初から彼の幸せを願っている時点で


叶う見込みのない恋なんです


それを彼女もわかっていて


それでも諦めきれないでいる


彼女はとても一途だから



もしも彼女が


彼と出会った瞬間から


自分を優先する選択をして


6対4の比重が逆転していたとしたら


彼の人生は大きく変わったことでしょう


好きな人を飲み込むくらいの愛情を注がれ


彼女以外が見えなくなる


そんな別の幸せの形を掴んでいたことでしょう


その世界があることを


この世界の二人は知らない



      ※



わかっているんです


自分がもう


どうしようもないところまで


来てしまっていることは


その歪みを正すためには


過去をやり直せるくらいの力がない限り


治せないということも


全てが手に入っていたとしたら


何も失わない世界で生きていたとしたら


きっとこんな空虚な心にはならなかった


私は欲張りだから



      ※



あなたはとても優しい嘘をつきますね


そしてとても寂しい人だ



      ※



私はたぶん


今も昔も旅をしているんだと思います


世界を渡り歩いているか


心の迷宮を彷徨っているか


静と動の違いはあるにせよ


ずっと生を全うしていたんです



      ※



あなたは放っておいてと言ったのに


あなたは放っておいてくれないなんて


なんて卑怯なお人でしょう



      ※



粋なサプライズってのは


相手の知っているもの知らないものを


臨機応変に使い分けることなんだよ



      ※



人間って


もしかしたら図々しいくらいが調度いいのかもしれない



      ※



特徴を捉えることは簡単なのに


自分に対することだけは捉えきれていない


自分が思っていることの逆が起きる


裏を読んで行動しても


またその裏を取られてる


だからどんな事態も想定し


3つの世界線を描くのです


相手が笑顔になる道と


相手が好まない道


何もない虚無


このトロッコはどこへ向かうのかな



      ※



あなたに近づきたいけれど


あなたに知られなくていいとも


そう思っています



 ――しんとした空気に溶けていく。

  私だけの、心のたられば――

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