表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
534/959

episode.『12月24日(土)/12月25日(日)』



人気者にはなりたいけれど、有名人にはなりたくない。



      ※



小さい頃、大人と言われていた僕は


今でも大人と言われていた頃のまま


何も変わっていません


人目を気にして顔色を窺っているだけの


いつも何かに怯えている


ただ大人しい子なだけなんです



      ※



不満は誰かにぶつけたらいけない


そういう環境で育ちました


ぶつけても何も解決しないと


寧ろ関係は悪化すると


そう学びましたから


だから誰かに不満をぶつけろと言われても


何事もそういうものだと受け入れている僕には


何も思い浮かばないのです


どんなに抱いても仕方がない


解はもう出ているから



それを吐き出すかは別の話


誰かにぶつけるよりかは


いつか消えていなくなる


独り言として呟くくらいが調度いい


誰にも言えない裏の顔


その憤りを原動力に今を変える糧にする


人前では笑顔が一番


他の顔は全部


知る必要のないものだ


痛みも辛さも悲しみも


口にすると実感が増すから


全部忘れてしまえ



      ※



記憶には残しておきたくないけれど


そういう時期もあったのだと


いつか幸せを掴んだその日に


思い出として読み返して


その絶望には意味があったのだと


現実に見返してやるために


未来の自分が証明する


それって最高の復讐劇だと思うから



      ※



辛い、会いたい


でもやることがあるから


いつか会えた時に


ギュッと抱きしめてくれたら


それで十分だから


そう思って頑張ってきたけれど


そんないつかなんて来るのかな



      ※



何が辛かったって聞かれても


わからないんです


だからきっと生い立ちを話すことになる


そしてそれは大したことなくて


たぶん自分が傷つきやすいだけなんだと思います


そしてそれを隠すのが異様に上手くて


自然とできてしまって


誰もそれに気づけない


誰もいない中


自分は大丈夫と言うようなやつだから



 ――今、目印を作っていました。

  君の知らない私がいたと――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ