episode.『11月08日(火)』
得たものの数だけ
失ったものも多く
マイナスな点が大きい
月日を経る度
心が瘦せ細っていく
二つの心の内
一つは10代で止まっているのに
本体は2倍の速度で老いている
ギクシャクしながら時折嚙み合って
それでも前へ前へと進んでいる
いつか来る終わりを夢見て
※
いなくなる準備だけはできているから
だから忘れ去られてしまっても一向に構わないのです
※
ずっと弾きたい曲がありました
いつか誰かとバンドを組みたいとも思いました
でも楽器も弾けない歌も下手な僕は
ただいつまでも観衆Bのままでした
※
人との距離が離れていく度
忘れ去られていくような感覚で
貴方に私はもう必要ないのだと空笑い
そっと背を向け遠ざかる
そんな関係ばかり築かれていく
これはもう様式美なのだと受け入れる他ない
人と関わるなら
そいつをまた味わう覚悟をしなければならない
だから私はそれ以上を求めることができない
※
ずっと悲しみに暮れ笑う僕を誰も知らないのです
※
いつか誰かに知らされる時が来たら、
それはきっとこの物語が終わりを告げている時です
――失う悲しみを誰よりも負いやすいから、
いなくならないでって、いつも願ってる――




