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episode.『11月20日(火)』
背後からの温もりは、後ろめたさと安堵がある。
前からの抱擁は、嬉しさと悲しみが入り混じる。
だから必然と、涙を溢してしまう。
あなたのその優しさが、何よりも痛くて、この胸を締め付ける。
嫌なんじゃない。
その逆だから、切なくて悶える。
ずっと求めていたもの故に、感情がぐちゃぐちゃだ――。
※
孤独を抱えて生きる今、止めどない涙が溢れ出している。
止まない雨はないと言うけれど、心の中はそうも言っていられない。
表には出さないけど、凄く寂しいし、辛いよ?
そう見えないのは、偽りの仮面を被っているからで、自分を殺すことに慣れてしまっているから。
私は本当は、泣き虫なんだ――。
――泣き虫で弱虫の私には、
その抱擁に抗えない――




