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episode.『12月12日(土)』
いつだってそう
皆は口を揃えて言う
優しくていい人だねと
そして後に気づくんだ
優しい人だけのつまらない人だって
面白おかしく振る舞うのは
友達の前だけだから
友達は友達として見てて
誰も彼もと疎遠になる
だから嫌でも確信する
この先も一人ぼっちだと
今までがそうだったように
私は孤独だった
※
この私を知っているのは
ここに記した私だけ
私を知っている者は
この私を知りもしない
気づけるはずがないんだ
怒りや悲しみに暮れるより
笑っていたいと
面白おかしく冗談を言って
少しでも居心地のいいよう
明るく楽しくを心掛けて
空笑いと無愛想の繰り返し
本当は泣き虫で弱虫だって
知らないんだ
※
冬はいつも実感する
貴方の知らない私がいることを
寒さに怯え切なさに悶える
自分が孤独であることを
より鮮明に刻みつけてくる
だから布団に包まって
毛布に包まれて紛らわす
その温もりで緩和する
このまま死んで行けたなら
どれだけ楽なのだろうにねと
そう何度も思いながら
私は瞼を閉じるのです
――幾度となく訪れる冬は、
いつも孤独を助長する――




