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episode.『10月13日(土)』



自分の道は自分で決める。


けれど巻き込まれた出来事には、他人の意見を気にしてしまう。


自分の意志を尊重できない。弱者の肩を持とうとする。


一方的に責め立てられる人ほど、可哀想な人間はいない。


だから自然と庇ってしまう。


矛先が自分へと向けば何も言えずに口籠ってしまう。


私は、弱い――。



      ※



助けてと、どれだけ叫んだことだろう。


苦しいと、どれだけ痛みに耐えたことだろう。


寂しいと、どれだけ孤独を噛み締めただろう。


どれだけ何かを求めても、誰にも気づいてもらえない。


いつだって一人で、誰にも頼れなくて、理解してもらえなくて。


支えのない私は、もう人じゃないのかもしれない。



      ※



ずるずる、ずるずる。ずっと、引きずって生きている。


抱えきれない重み。


簡単に割り切れれば、どれだけ楽になれるだろう。


平気で何かを見捨てられる皆が羨ましい。


大切にしてるわけじゃない。捨てる強さを持ち合わせていないのだ。


負い目を感じて、申し訳なく目を瞑る。


私は、どうしたらいい?



      ※



ずっと、仮面被って生きてきた。


誰一人として本当の私を見る者はいない。


もう10年以上も、欺き続けている。自分自身さえも。


これを誰が理解できる?


自分を晒け出せる世界があるのなら、私は迷わずそこへ飛び込むだろう。


この苦しみは、私にしかわからないよ。


自分で自分を支える私は、滑稽だな。



      ※



いつからだろう。世界を見限ったのは。


歪な心。見るもの全てが、歪んで見える。


灰色通り越して、真っ黒に染まってしまった。


どこにいても一人なのなら、歩いていたって無意味じゃないか。


それでも足は動き続ける。誰かに出逢えることを願って。


もう悲しむための涙など、とうに枯れたというのに。



      ※



家族を好きになれたら、どれだけ幸せなのだろう。


友達を友達と言えたなら、どれだけ笑みを溢せただろう。


一人じゃないと実感できたのなら、どれだけ涙を流せただろう。


自分を理解してもらえたなら、どれだけ報われただろう。


否定され続ける人生はいつ解放される?


生き地獄とは、この事なのかな?



      ※



私の心は死んでいる。


闇に沈んで、光さえ見失って、輝きを失ってしまった。


どうしたらこの苦痛から解放される?


きっと、一生抱えて生きていくのだろう。


この重荷から逃れることはできないよ。


押し潰されて、現実を嫌いなままで終わるんだろうな。


ほんと、誰もいないんだな。


もう、嫌だな――。



      ※



好きなことをして生きれたなら、どれだけ幸せなのだろう。


何にも縛られずに生きれたら、どれだけ自由でいられただろう。


何をすることも許されず、ただ何かが自分の前に蔓延って、私はいつも呆然としている。


どうすることもできなくて、マシな方へと進んでいる。


私は、私の邪魔をするものが嫌いだ。



 ――弱者の迷宮。

  抜けられる日は来るのかな?――

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