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汚濁  作者: 夜砂昏
March
1010/1010

episode.『03月20日(金)/03月21日(土)』



張り付いた笑顔の裏にある悲しみを


秘められた思いを


誰も知らないのです



      ※



いつの間にか僕は


自分のことでは泣けない人間になっていたんです


昔はあんなに泣き虫だったのに


僕が涙を流すのは


いつしか誰かの辛いを知った時でした



      ※



過去を否定するつもりはないけれど、


それは言いすぎだと悔いて自省していることは腐るほどある



      ※



愛されるというのを


知らずに育ったものですから


僕が提示するものは全部


僕がしてほしかった理想そのもので


少なくとも好感は持たれやすいという平凡そのもので


どうやらそれが正解だったようなのです


でもそこには何の感情もないものですから


僕はそれがなぜ正しいのか


その実感が欠落しているんです



      ※



挨拶も感謝も謝罪も


面倒で嫌いなんです


発声が疲れるから


でもそれが大事なことだと知っているから


恥ずかしくても


疲れていても


それが自然と出るように


反射で応えられる身体にしたんです


そこには何の感情も籠っていないという


機械的な人間ができあがってしまったけれど


自分作りは得意だったので



      ※



準備運動は怪我のリスク軽減で重要だけれど


それはいきなり全力を出したら危ないだけで


徐々にギアを上げていくような


いつも通りの動きから本気を出すような


いつでも発揮できるという普通の日常を送っていれば


関係ないのではといつも思う


僕は準備運動をすると疲れるから


いつも全力始まりなんです



      ※



当たり前のことを当たり前にこなす


それが普通のことで


今までの常識で


色褪せない良いことのはずなのに


実践と継続ができていない


そんな無意識におざなりになってる人が増えていく中


ちゃんとやらなきゃなとやって


得意げにならない自分に


褒めてくれる先人がいて


自分も褒める側に回らなきゃなって



      ※



大人びてる人が歳を取ると


長生きできそうにないというか


加速的に死を近づけているように見えて


ただ歳を取るだけなら


たぶん最も不変的な人で


逆張りの天邪鬼みたいな性質を併せ持つ人なら


歳を取っていくほどに若々しくなっていくというか


子供染みていくという逆転が起きそうだなって



      ※



10代後半からの10年間


僕はずっと谷にいた


人生という銘柄の大暴落のような暗黒期


僕が最も闇にいた瞬間


微かな光さえ望めない


どうして僕が生きているのか


誰かが助けてくれたわけじゃない


ただいつも通り


僕が僕に負けるのが嫌なだけだった


図らずも僕を留めていたのは


孤独だった僕一人だけでした



      ※



自分が愛車を手に入れたのは


どうやらかっこいいだけじゃなかったみたいなんです


忘れていたけれど


どうやら僕は死んでも仕方がない理由を作っていたみたいなんです



 ――不思議なことに、遡ってみると意味が繋がっていたんです。

  まるで倒置法のパズルのように――

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