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姉さんと僕は近くのデパートに着いた。このデパートに隣接して映画館があるのだ。とりあえず、結構時間に余裕があるので姉さんと僕は昼食を食べる事にした。
「ねぇ、優也は何が食べたい?」
「姉さんが食べたいものでいいよ」
正直、主に食べるのは姉さんである。僕はそんなに食べないので、姉さんに決めてもらったほうが手っ取り早い。
「えー、曖昧」
「どっちみち、姉さんの方が食べるんだから……」
「えー、なにそれー。それじゃ私が大食いみたいじゃない」
「結構食べるほうだと思うけど?」
「いいや、たぶん優也の方が食べないだけだね」
「まぁ、そういうことにしといておくよ。で?姉さんは何が食べたいの?」
「あ、結局私が決めるの?」
「まぁいいじゃん。めずらしく外食なんだから。姉さんが決めていいよ」
「むー。優也がそういうなら仕方が無い……」
姉さんはデパート内にある全国チェーンのファミレスを選んだ。この店は和・洋・中の全ての食べ物が揃っている結構いろんな人に親しまれているファミレスだ。
「おっ、結構いいトコ選んだね」
「ふふん。私が本気を出したらこんなものよ」
店を選ぶのに本気もくそもあるかどうかが疑わしいが、とりあえず姉さんはテンションが上がると微妙なノリになるのは確かだ。
「じゃ、さっさか食べて、映画を観に行こうか」
「うん、そうだね」
そう言って僕たちはファミレスで昼食を食べた。
――店員が驚くほど姉さんが食べた事は当然の事だった。