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 突然の誘いだった。

 ――ウチに来ない?

 彼女はそう告げて、家の地図を渡すとすぐに帰ってしまった。

 まぁ、確かに暇は持て余していた。確かにこんな外でブラブラしているよりも屋内にいたほうが楽である。だが、だからと言って自分よりも年上の女性に、しかも初対面で家に誘われるなんて何か裏があるに違いない。絶対そうだ。

 それをつきとめる為に、彼女の家の前まで来ていた。いや、なにか期待しているわけではないよ。うん。

 彼女の家は二階建ての一軒家だった。結構普通な大きさである。っつか、こんな家なら一人暮らしをしているわけが無いだろう。

 そう思いながら、僕は彼女の家のインターホンを押した。

 ドアの向こうから返事が聞こえる。ドタドタと家の中を移動する音。そして――

 ガチャリ

 とドアが開いた。

「はいは〜い、……って、あぁ、君か」

 彼女が出てきた。

「どうぞどうぞ、上がっていいよ」

 彼女はそう言って僕を促した。

「あ、すぐそこの部屋がリビングだから、椅子座ってていいよ」

 僕はそう言われるがままに中に入り、椅子に座った。

 その内、彼女が紅茶と茶菓子を持ってきた。なぜか茶菓子は結構な量がある。僕、そんなに食べれませんが。

「えー、で。なんで僕を呼んだのでしょうか……?」

 彼女が僕の前に紅茶を置いたタイミングで、僕は恐る恐る聞いてみた。

「え?あぁ、君が暇そうにしてたから?」

 まさかそんな質問をされるとは思っていなかったようで、意表を付かれた彼女は答えた。

「えーっと……、家族の方は……?」

 僕は思わず聞いてしまった。

 だが、彼女はすぐには返答せず、少し間があってから答えた。

「………家族は……いないの」

「――え?」

 今度は僕が意表を付かれてしまった。


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