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Divine Coppelia  作者:
9/9

009

 ふしぎふしぎ。

 ちからがみなぎってくる。

 からだのおくのあたたかいものがぜんしんにいきわたる。

 これがすきということ。あいしてるということ。

 しらなかった。でもいまはしっている。

 あたたかくてせつなくてなんだかわからないふしぎなきもち。

 それをはかせがおしえてくれた。

 だいすきでたいせつなはかせ。

 はかせとのおもいでをまもらなくちゃ。

 みんなのいのちをまもらなくちゃ──。


 遠く離れた閃光をモニターが捉えた。白く輝く強烈な光の爆破。

「コッペリアーーーーー!」

 冷静な技術者、間島がみせた激しい感情の発露。頭を抱えその場にしゃがみこみ嗚咽を漏らす。愕然とした凱の視線はモニターを虚ろに見つめたままだ。

 爆発は二度三度断続的に繰り返し、司令塔を失った敵機は統制がとれずそのまま宇宙空間に散らばってゆく。

 ガイノイド達はその身と引き換えに見事母艦を粉砕したのだ。戦う為だけに存在する機械仕掛けの人形。外敵を殲滅するという内蔵プログラムを忠実に実行し無事地球を救った。それまでのことだ。

「まさに俺達の、人類の救世主、女神だよ……コッペリア」

 凱の頬にひとすじの涙が伝う。

 たかが戦闘用ガイノイドに対し、こんな感傷にふけるとは一体どうしたことか。

「玲……」

 声を殺し全身を震わせうずくまり泣き崩れる間島。

 感情をもった機械人形と人間とのつかの間の心の交歓、もしくは愛と呼ばれるその感情の分かち合いは奇跡に近い。

「敵機殲滅。総員すみやかに救護及び施設修復にかかれ」

 防衛本部内に響き渡るアナウンスを遠く聞きながら、凱は片手で乱暴に涙をぬぐう。

「さあ起きろ、玲。湿っぽくなっているヒマはないぜ。コッペリアが死守してくれた人類の未来。それを維持する義務が俺達には、ある」

「凱……そうだな……」

 間島は泣きぬれた顔そのままに立ち上がる。

「……コッペリアの犠牲を無にしないために……」

「そうとも玲、俺達は未来を生きるんだ」

 顔を見合わせ、深く頷きあう。そして間島は水を得た魚のようにその場にいる多くの技術者とパイロットに事後作業の指示を出す。

 巨大モニターには先刻までの戦闘が嘘のように平和で穏やかな宇宙空間が映し出されている。宙に浮かぶ無限の白く煌めく細かな星々。凱にとってそのひとつひとつが宇宙に砕け散ったコッペリアのボディと感情の欠片のように思われた。

「見守っていてくれよ、俺達の女神さま」

 モニターに向かって、まるで騎士のように恭しく頭を下げると、凱は本部内に響き渡る歓声と喜色溢れる仲間達の笑顔の中に消えていった。 


おそまつさまでした。

SFっぽいものが無性に書きたくなって発作的に思いついた話です。

ありがち・ステロタイプなのは重々承知で><。

今後はさらに発展させてストーリー・文章技術共に練り込んでいきたいと思います。

お読みくださりありがとうございました。

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