バイト生活
下水道の掃除バイトにつく。
堂島組の敵組織が、下水道を自転車で突っ走り、堂島組長を狙っていた。
俺と久瀬は、作業服を脱ぎ捨て、泥だらけの中で敵と素手の殴り合いになった。
電灯もほぼ無い。
携帯のライトだけが頼り。
久瀬は言った。
「服、汚しちゃ悪いだろ。脱ぐぞ」
そして全裸に近いパンイチ。
背中のセーラームーンがライトに映る。
阿波野は頭抱えた。
⸻
向こうの奥から“ギィィッ”って自転車のブレーキ音が響いた。
敵組織の一団。
一番前の奴が叫んだ。
「堂島の頭の出入口は、この先や!」
⸻
ファーストアタック
敵の先頭は、チャリの速度を殺さず突っ込んできた。
久瀬は真正面から歩く。
チャリの前輪が目の前にくる瞬間
足で前輪を踏んで止めた
チャリは前輪でジャムって、
敵は前にオーバー回転して吹っ飛んだ。
久瀬:「チャリで来るなやァ!!!」
⸻
阿波野の“下水道ならでは”の戦い方
阿波野は壁にへばりついた藻みたいなヌルヌルを手に取って、
敵の後続のヘルメットに塗りつける。
視界が死んだ敵はチャリごと壁に激突。
阿波野:「地の利ってやつだよ、久瀬ぇ」
⸻
最後の一人
最後のリーダーぽい奴は、
チャリから降りて短い金属バールを出した。
だが久瀬は一歩踏み込んで
ヘルメットの顎部分を“下から”拳で突いた。
ヘルメットの顎がカンッと上に跳ねて、
相手はバールを落とした。
久瀬は拾って投げずに、
敵のチャリのチェーンに巻き込ませた
チェーンがロックして、
敵の足が取られて下水に倒れた。
⸻
全員戦闘不能。
⸻
そのまま上の出口の梯子を登ると
堂島組長が立っていた。
「…お前ら、助けられたみてぇだな。
クビ、無しだ」
久瀬は肩で息しながら
「…セーラームーン、役に立ったろ」
阿波野は「それは関係ない」と真顔で言った。
その功績が認められ、 2人ともクビが撤回される。
こうして俺たちは、堂島組の正式な片棒として名を刻んだ。




