33:今晩はお楽しみですか? お楽しみですよね? 違うんですか?
ダンジョンで潮干狩りを
Renta!等いろいろなサイトで発売中です。是非とも続刊のためにもご購入のほうよろしくお願いします。
ダンジョンで潮干狩りを
https://ncode.syosetu.com/n9657hs/
こちらもよろしくお願いします。
飲み会は終わり、三人そろって新しい家に帰る。いつもの癖で前の家に戻りそうになった時にフィリスに「さっき引っ越したばかりではないですか? 」と言われて我に返った。フィリスのファインプレーが光る。あっちにはまだ酒を呑む余裕があるらしい。そして俺はちょっときつめかもしれない。
酒を抜くために水を多めに飲む。明日二日酔い……なんてことにならないようにだが、念のため自分にもリフレッシュの魔法をかけて新陳代謝を良くしてアルコールを出来るだけ抜くよう努める。
そういえば、カルミナも一人部屋になるんだしベッドを入れてやらないといけないな。次の休みにでも届くように手配をしておこう。
「あたしはいいわよ? 別にソファーで寝るのにも慣れたし、何なら空中で浮きながら寝てもいいわよ」
「さすがにそれは悪いとは思うからな。次の休みにでも手配して入れておこうと思う。で、フィリス。俺達なんだが……」
「一緒じゃダメですか? というか一緒が良いです」
ハッキリ言い切られてしまった。ここまで自己主張の激しいフィリスは珍しい。まだ酔ってるせいか?
「いや、しかしまあここのところ一緒に寝てはきたけど、それは狭いからで部屋がもう一つ増えるならカルミナは今まで通りソファーでもいいって言ってるし、もう一つ部屋を用意するかどうかはともかくとして、男女ベッドを共にするってのは」
「わかっております。聖女とはいえ、その手の話に疎いわけではございません。私は覚悟を決めてこちらに参ったのですよ? こちらでは……据え膳喰わぬはなんとやらという言い方もあるようではありませんか。いい加減、トモアキ様も覚悟を決めてください」
フィリスの目が据わっている。フィリスのほうは……いつでも来い、と言わんばかりだ。まさに据え膳。これを喰わぬは男の恥。今までは魔王討伐の事もあり、そう言ったこととはご無沙汰であったし、その前からもご無沙汰ではあった。そして、フィリスやカルミナの戸籍や国籍問題も一段落つこうとしている。
食うなら今ぞ、ということか。そう思うと突然ムラムラし始めてきた。これはいかん、いかんぞ。でも今なら酒の勢いでやってしまったと言い訳も通じるし、さっきの飲み会のフィリスの言い様では既に俺達はいい関係である、と伝わってしまっているのと同じだ。
「良いんだな? 」
「お待ち申し上げておりました、というべきですね。今まで手を出してこなかった分も含めて、一杯味わってください」
フィリスをぎゅっと抱きしめると、抱きしめ返される。フィリスの力いっぱいはもっと強いはずなので、多少酒で力が抜けているか、もしくは緊張で力が入らないかどちらかのような気がするが、そんなことはもうどうでもいい。
フィリスの酒臭い匂いに混じって、フィリスのいつものいい香りが漂う。この落ち着く香りが俺は好きだ。フィリスも好きだ。大事にしたい。大事に飾っておくのではなく、時には猛獣のように粗ぶって汚したいとすら思う程度には好きだ。
フィリス……抱きしめる腕の力を抜くと、そっと少し離れるフィリス。彼女は目をつぶって俺のほうを向いていた。そのままふたり、唇を重ねる。
長いか短いかわからない時間の間、甘く長い口づけを交わし続ける。途中でフィリスが息苦しくしていそうだったので、俺のほうから呼吸を送ってフィリスが鼻からそっと呼吸を出す。俺が吸って、フィリスが吐く。そのままずっと長い間続けていようかと思ったが、途中でフィリスのほうから唇を離した。
そしてフィリスは、俺の首筋に唇を当てはじめる。
「朝から動きっぱなしだし、酒臭いし、汗臭いぞ」
「それが良いのです。このトモアキ様の匂い、大好きですから」
どうやらフィリスは俺の体臭が好きらしい。
「あー、勇者がお風呂に入ってた間にシャツの匂いとか下着の匂いとか嗅ぎまわってたから、好きなのは間違いないと思うわよ」
横からずっと見ていたらしいカルミナから爆弾発言が飛び出る。フィリスがカチンコチンに固まり、そして頭から足の先までゆでだこになったように真っ赤になる。
「カルミナ、それは秘密と言ったではないですか! なんで! しかも! 今このタイミングで! 」
「大丈夫よ、それで勇者も余計に興奮したみたいだから」
たしかに、俺の脱ぎたての下着の匂いを嗅いでいるフィリスを想像して、興奮したのは確か。そこまで好きでいてくれたのかという気持ちが、人の脱ぎたての下着の匂いを嗅いでいたという後ろめたい気持ちを本人に暴露されて困っているフィリスを見て、また更に興奮しているのも確かだ。
「フィリス」
「ひゃいっ!? 」
再び強く抱きしめる。今度は強引に抱きしめると、そのままベッドまで抱え込んで連れていく。
「ごゆっくり~」
カルミナが手を振っていたので、親指を上に立てた後、下げて後でどうなっても知らないからな、というサインを送っておく。
そのままベッドにフィリスをポスンと投げ込むと、フィリスに覆いかぶさるように抑え込んで、フィリスが立ち上がりにくくする。フィリスはまだ顔を抑えて、自分の赤い顔を隠すようなそぶりを見せる。
「もう、止まらないからな」
「えっと……その……匂いの件はですね」
「好きなだけ嗅ぐといい。お前の大好きな匂いだぞ」
ネクタイをほどいてワイシャツを脱ぎ、シャツ一枚になったままフィリスを胸元に抱き込むように抱きしめる。フィリスは最初は抵抗していたが、だんだん俺の匂いに包まれ始めて恍惚とした表情に変わり始める。
「トモアキ様……」
「フィリス……」
再び口づけを交わす。今回は短く、そしてその後うなじの匂いや首筋の汗の香りをお互いに楽しみ合う。
フィリスは俺の香りを堪能した後、着ている物を脱ぐ。下着は……以前買いに行った時の奴だろうな。上下揃った色のちょうどいい具合に胸元を意識させるような意匠のデザインをしている。決して大きくはないが、しっかりと女性としての特徴を備えた、そのスレンダーな美しい肉体が俺の目をくぎ付けにする。
「あまり女性らしくなくて申し訳ありません。育ちのほうはそれほど良くはなくて」
「実はそのぐらいのほうが好みだ。だから安心して後を任せてくれ」
知識はあっても不慣れではあるはずのフィリスにそのままこっちに任させてもらう。
「フィリス、やるぞ」
「はい、私はトモアキ様のためだけのフィリスです。どこでもどこからでも、好きな所を愛してください」
「……そこまで言われるともう辛抱できないからな」
そのまま下着を脱がし、こちらもすべてを脱いでお互い裸のままお互いの部分に視線が集中する。
「その……お元気ですね、トモアキ様」
「フィリスのおかげでな。さあいくぞ」
その後一晩中、フィリスとお互いを確かめ合った。フィリスは初めてだったが、優しくリードできたとは思う。
作者からのお願い
皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。
続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。
後毎度の誤字修正、感謝しております。




