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32:飲み会

ダンジョンで潮干狩りを

Renta!等いろいろなサイトで発売中です。是非とも続刊のためにもご購入のほうよろしくお願いします。


ダンジョンで潮干狩りを

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こちらもよろしくお願いします。


 カルミナの取り調べかつ怒られは一時間に及んだ。カルミナの身体の変化に伴う瘴気の漏れ出しや瘴気の出し入れ、瘴気の実体化やカルミナ自身がどこまで出来るのか等を徹底的に調査された。


 暫定的な結論として、カルミナの魔力と将門塚の瘴気が共鳴反応を起こし、過剰な魔力摂取による一時的なカルミナの活動停止は将門塚からの放出された瘴気によって、カルミナを取り込んで新しい分霊として利用しようとしたのではないか? と結論付けられた。


 本来ならカルミナも特級とはいかずとも今の段階では一級呪物として本来は封印処置を行っていくべきではないかという話も出たが、今のところ大きな災害には至っていなかったことと、これを機にして一層の各員の努力と監視を続けることにより緊張感が増し物事に対処できるようになるのではないか、という内村課長の考えにより封印処置は行われないことになった。


 ただし条件として、新人である俺とフィリスに監視名目で同居を続けることを提案され、同時に秘匿性の高い住居への転居が求められた。俺としては流石に三人で1LDK暮らしは難しいと考えていた所なので有り難い話でもある。


 家賃補助も降りることもあってかなり余裕のある範囲で新しい住居探しが行われ、レベルアップして2LDKの部屋に住むことができるようになった。転居はスピーディーに、ということで今日明日で荷物を片付けてすぐにでも転居できるようにせよ、との辞令も降りた。


 怒られ過ぎて放心状態になっているカルミナを背負って帰ることになったが、新しい部屋が楽しみだ。俺とフィリスで一部屋、カルミナに一部屋……もったいないけどそう言うことになった。荷物自体はアイテムボックスにしまい込んでそのまま出せばいいので転居は比較的スピーディーに行われ、内村課長からはわずかながら引っ越し祝いも頂いたので、キッチン用品を少し充実させることができた。


 出来る上司とはこういう人のことを指すのだろう。角田部長だったら「引っ越しぐらい休みの日にやれ! そんなことより折れ線グラフがゆがんでいるぞ! 」と怒号が飛んできて引っ越しする暇もないところだっただろう。


 その日のうちに転居の準備が終わり、転居先も既にいつでも入居可能であることを伝えられたので、早速転居先に向かって出発。新しい転居先に着いた荷解きをササっと終わらせて、前の住所から転出届を出し終えて、夕方となった。前の大家さんには急な転居になりました、と一筆と部屋の鍵を渡し、部屋の転居時修繕については自分の魔法で直しておいたので充分敷金で原状回復可能な程度にはなっているはずだ。


 そんなわけで当日の間に転居を済ませた俺達は再び出勤し、あまりの早さに驚かれたが、まあ勇者と聖女だからアイテムボックス的な魔法も使えるんだと伝えると何故か納得された。みんなそういう話は結構好きらしい。ただ、中に何が入っているかは秘密ということにさせてもらった。


 そして、今日は新人歓迎会。主役は俺達三人だが、うち一人はまだダメージが残っているのかまだ放心状態だ。仕方がないのでフライドポテトを口に一本入れてやると、徐々に元気があふれ始めて来たらしいが、酒が飲みたいという意見には、どう見ても未成年だからダメ、という全員の意向によりウーロン茶ということになった。


 しかし、向こうでは見ない料理の数々に目を輝かせ、あれも頂戴これも頂戴とテーブルを行き来してはいろんな料理に手を付ける有様はどう見ても子供のそれだ。フィリスと軽めの酒を呑みながらのんびりとその様子を観察させてもらい、流石にやり過ぎだと感じると止めに走るような役割になった。


「ここで、新人から何か一言あれば貰おうかな」


 内村課長から一言を求められたので何か言おうとしてみる。何を言おうかな。フィリスを見るとうっとりとした目でこちらを見ている。多分、ちょっと酒が入りすぎているんだろうな。


「えー、初日から大変な事件に巻き込まれましたが何とか乗り切ることが出来ました」


 わはははっと笑い声が漏れる。笑えないのはカルミナと近藤さんだけだろう。ここはそれ以外の人に向けてのアピールなので、後で近藤さんにはコーヒーの差し入れでもしておこう。勿論ブラックをだ。


「今後はもうちょっと着実に足場を固めていける仕事で頑張っていこうと思いますので、フィリスともどもよろしくお願いします」


 頭を下げてお礼を言う。着任の挨拶としてはこれでつかみは取れたし満足な返答だろう。パチパチパチ……とまばらな拍手をもらいつつ、内村課長に話しの元を返す。


「今日は……大変だったが最終的に皆無事で何よりだ。明日は今日ほど大変な事件は起こらないだろうから安心してほしい。では、時間まで飲み食いするぞ」


 言葉少なに内村課長が〆ると、早速ビールのお代わりを注文していた。よく飲める人ほど出世する、とは時々言うが、こういう秘密組織的な所でも似たような物はあるのか、それとも内村課長が貴重なスキルを持っているとか、そういう可能性も考えておくべきだな。


「トモアキ様、飲んでいますか」


 フィリスが俺のコップにビールを注いでくれる。フィリスは俺より酒が強いし、自分の魔法で酒精を飛ばすことができるため、彼女に呑み勝負を挑むのはそれは胃袋の大きさで勝負するのと同じ話だ。かといって大食漢というわけでもないので、純粋にそもそも酒が強いんだろう。


 異世界では酒に弱い人というのはほぼいなかったので、おそらくは生存競争の間に淘汰されていったのだと推察される。水がきれいではない地域で酒が飲めないのは水が飲めないのと同じ、といった環境で暮らしてきた歴史があるのかもしれないが、そんな歴史を頭に詰め込む暇があったら魔法書を読め、と言われて訓練されてきたのであっちの歴史はそれほど詳しくはない。


 しかし実際にフィリスは普通にビールを飲んでは周りにそこそこの頻度で注がれてそれを飲んで楽しんでいるので、やはり酒に強いのは間違いないのだろう。俺はというとあまり強くないほうなので、ほどほどにさせてもらっている。


 周りを観察していると近藤さんからビールの応酬が来た。


「今日は済まなかった。減給半年だそうだ。クビにならないだけましだと思えとまで言われたよ。本当にすまない、フィリスさんもお手間をかけさせた」


 完全に反省モードに入っている近藤さんに、二人してビールを注ぎ返して、俺が代表して言葉を伝える。


「これでお互い言いっこなしってことで。明日からはまたお願いしますよ、近藤さん」


 近藤さんはグイッと酒を飲み干して……そのまま座り込んだ。どうやらそこで限界が来たらしい。フィリスと顔を見合わせると、にっこりと笑いお互いに注ぎ始めた。


「二人は一緒に暮らしているんだよね? 」


 まだ名前を憶えていない相手からの質問に、どう答えようかと考えている間にフィリスが先に答えてしまう。

「はい、そうです。トモアキ様は寝顔がとってもかわいいんですよ。年上だと思えないぐらいに素直な顔で寝てるので、先に起きると寝顔をついつい見る癖がついてしまいました」


 おお~? っと周りから歓声が上がりだした。事情を知ってる鈴木さんと近藤さん、そして内村課長は無反応。そこまで露骨に話題から外れなくても……とは思うところだが、まあ暮らしてるのは事実だし、一緒に寝てるかどうかまで言われてないからセーフだな。


 そして、どうやら俺達はちゃんと歓迎されているらしい。フライドポテトの追加オーダーを頼もうとしてるカルミナが静かなので、ポテチは禁止だが今日のフライドポテトはセーフにしてやるか、としみじみと思うのであった。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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― 新着の感想 ―
調べてみたけど懲戒処分での減給は、民間なら1ヶ月が限度なのに、公務員は最大6ヶ月まであるんだなぁ
減給半年かあ まあ、こういう人材は少ないでしょうからクビを切るのも難しいんかなあ
部屋数足りんやん
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