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終章 片割れの星子
今日は一段と冷えるな…。
僕はその後、池の近くに引っ越した。何故って?
星子の未来予知は池に映る星に向かって行うからだ。
「さあ、星に祈ろう…明日の。未来のために」
ー。
何か聞こえたような気がして、振り向いたがもうそこには誰も居なかった。だが、僕はこの気配を知っている。
ソーンだ。あの後、一度だけ夢に出てきた。
でも、ただ笑うだけだった…。だが、今聞こえた。
ありがとう、貴方ならきっと大丈夫…と。
瞼を柔らかく開けると、水鏡には街を映した以上の星が灯っていた。