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『ジェラール・エルンスト』二つの逸話  作者: 霜月れい&蝉次郎
夜の伝書鳩
4/8

3章 記された手掛かり

 翌日。僕はまた、エルンストの屋敷がある町に来ていた。理由は、寝ぼけたロッタさんが薬の調合に失敗し、貴重な薬品をだめにしてしまったから、その薬の調達に来たのだ。その途中、昨日のお店の店員さんが話しかけてきた。

「やあ、君。昨日ぶりだね」

その言葉から始まったおしゃべりは、風船のように膨れ上がった。

「おっと、自己紹介が遅れたね。俺はシルト・コンパ―ニョ。君は?」

驚いた。昨日の本の署名にコンパ―ニョの文字があったからだ。

「僕は、ジェラール・エルンスト」

「え!?君、あのエルンストの生き残りなの?!!」

「そう、みたいです」

「ん、みたい?」

昨日初めて聞いたということを話し、隠された本の署名の事も伝えた。

「…そうだったのか。あ~。俺も、一回見てみたいけどなぁ~」

そう言うと、しばらく悩んだ。

「どうしたの?」

「いや…」

言葉を濁すようにして彼はジェラールから目を逸らす。隠したい事があるのだろうかと思い、ジェラールの森より深い瞳と鮮やかな青い瞳が彼を探るように見つめる。

すると、彼が気まずそうに口を開いた。

「実はあの晩、変な男を目撃したんだ。エルンスト家をジロジロと横目で見たりして、変なヤツと思って…彼が店を後にしてからすぐ、俺たちに招集がかかった。それで…その…」

「聞こえない、もう少しはっきり言って」


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