浮遊要塞
手野武装警備は、少なくとも国よりも強大な軍事力を有しているとも称される。
そこは陸海空すべての領域において、米軍と同等あるいは以上を目指している。
この方針は米軍に負けたとされる第二次大戦の終戦時より堅持されている目標であり、それを維持するために多額の資金が投入されている。
21世紀において制空権の確保はなおも重要視され、それによって一切制空権を敵に渡さない状況を作ることが肝要とされた。
それは手野武装警備の社内においても共有されており、抜本的な対策が急がれた。
そこで考え出されたのが浮遊要塞案である。
要は、空中に空母に類する要塞を浮かべてしまい、それによって攻撃してくる敵兵を壊滅させようということだ。
現在でも研究が続けられているこの浮遊要塞は、手野武装警備ではいつの日にか必ず実現するだろうという目論見で動いている。
それがいつになるのかは、誰も知らない。