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共依存  作者: ラリックマ
九十九由貴
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狂い始めた歯車

 「生きる」ってなんだろう? 


 ふと、そんな疑問が私の頭の中に思い浮かんだ。

 父親の不倫が原因で、私は幼少期の頃から、母親の手ひとつで育てられてきた。


 もちろん感謝したい気持ちは山々なんだけど、お母さんはお父さんに浮気されて以来、情緒が不安定な節がある。

 ものすごく優しい日もあれば、次の日は別人なんじゃないかと思うように人が変わる時がある。


 それでも私を高校二年生まで育ててもらったことに変わりはないから、感謝しようとして来た。

 でも、それにも限界がきた。

 幼い頃からお父さんと顔が似ているという理由だけで、罵詈雑言の数々を浴びせられて、時には暴力に近いこともされ、私の精神は参ってしまった。


 私は何も悪くない。

 悪いのは全部お父さんだ。

 なのに、八つ当たりのようにお母さんは、私に対してひどいことをいっぱいしてきた。


 辛い……。


 このままじゃ、私の精神は壊れてしまう。

 お母さんの、言葉という暴力に苛まれて、おかしくなりそうだった。


 でもある時に、私が笑っているとお母さんの機嫌が良くなることに気がついた。

 壊れそうな精神をなんとか維持するため、悲しみの上に笑顔のお面を被せてみると、お母さんだけじゃなく、他の人間も私に優しくしてくれた。

だからそれ以来、私には人前で明るく振る舞う癖というものが身についてしまった。


 別にいいことじゃんと思うかもしれないけど、心の中の感情と、表の感情がバラバラになるのは結構しんどいことだ。

 泣きそうになっても、辛くて逃げ出したくても、ずっと笑顔で明るく振る舞い続ける。それが私の、人生の処世術だ。

 いつだって笑顔を絶やさないをモットーに生きてきたおかげか、小学生まではそこそこクラスでも人気者だった。

 自慢じゃないけど、私の顔はかなり整っている。


 面食いなお母さんの結婚相手であるお父さんと瓜二つな私の容姿は、周りと比べても優れていた。

 小さい頃から「可愛い」という賛辞を飽きるほどもらったし、そんな可愛い私が愛想をよくしていたら、当然のことながらモテた。

 けど、私の人生は、この容姿のせいでさらにおかしくなった。


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