凡人には異世界ハーレムは縁遠かったようです!
あらすじにも書きましたが、前作がジャンル別日刊ランキングに載ったので、調子に乗って書いた作品です。
今回のジャンルは違うんですけどね。
今回も短編完結、続編なしです。
まあ、出オチネタですので…。
女っ気なしのヒキニートの自分が異世界転移!する事になりました!
神様?から
『転移先の希望はあるか?』
と訊かれ、
「剣と魔法、そしてハーレムのある世界をお願いします!」
意気揚々と答える。
今の流行りはコレでしょう。
チョット古いか?
でも、気にしない!
何故か憐れむような目をされ、
『本当にそれで良いのか?』
と訊かれるが、
男のロマンです!
異世界で今の自分を変えるんだ!
「ファイルアンサー!」
そして異世界へ!
贅沢しなければ、一月程暮らせるぐらいの金銭と周りから浮かない程度の衣服を貰い、それなりの規模の街に送ってもらえた。
そして知った異世界の現実その一、
言葉は通じる様にしてもらえたが、他に特別な何かがある訳ではないので冒険者しか出来ない!
まあ、冒険者も異世界ものの定番だから良いよね!
ちなみに、読み書き計算が出来ると言っても、そういう仕事はコネが必要。
信用ともいう。
読み書き計算が必要な大事な仕事にコネも推薦もない、オマケに素性も知れない人間が付けるわけがない。
資格試験等ある訳もないし…魔法も使えない。
それに魔法や魔道具のお陰で、科学知識が必要とされてない?
物理法則も若干違う?
料理なんかも出来ないしね!
気を取り直して、せっかくなのでハーレムの夢を!
吃りながらも、勇気を出してナンパ。
気持ちは、諸星あ〇る。
「受付の〇〇ちゃん、お茶しない?」
「今は仕事中です。
それに、私は…様狙いなのでお断りします。」
と、素っ気ないお答え。
「…さん、この間結婚してたよね。」
「第一夫人は取られましたが、未だ第二第三夫人が空いています。
彼ほどの人なら、それでも充分過ぎます。」
と、力を込めて答えられました。
ハイ、撃沈!
「冒険者仲間の△ちゃん、一緒に…」
「玉の輿目指してるんでダメだ。
第一夫人とか無理だけど、第四夫人とかで、子供の遊び相手兼護衛が身内で可能って事で、結構需要があるんだぜ。」
言動が男勝りだけど、可愛い女性冒険者相手にも撃沈!
元々コミュ障気味だったので、ここで早くも挫折。
心が速攻折れてしまった。
なんでこんなにも理想と違うんだと少し調べることに。
この国にハーレム、一夫多妻が出来た理由は、
過去に大戦があり、男の数が減って、元々は戦争未亡人救済が目的で一夫多妻制度に。
複数の妻を娶る事は、財産豊かな男性の義務。
富豪で夫人一人だと白い目で見られたらしい。
付随した結果として、富の再分配が起こり、貧富の格差の解消にも。
女性側の意見としても、
旦那の仕事の手伝いや家庭内の采配、育児と旦那のお世話等を分担して行う事で、女性達も楽に。
ワンオペのしんどさ解消。家庭内の問題も皆で相談解決。
育児を一人で思い悩む事もない。
勿論、女性同士が仲良くなければいけないが、家庭内の事は序列の高い夫人の意見優先、下克上無し、但し独裁はダメとかなり制度が考えられていた。
通報監査が可能な専門部署なんてものも役所にあるらしい。
制度設立当時の為政者が女性で、女性目線で創られたものとの事である。
そういう訳で、女性としても大いに受け入れられた制度であった。
ただ、今は、男の数が回復して男余り状態に。
だから、女性が相手を選べる立場。
勿論条件の良い男性は争奪戦だが。
その為、冒険者という不安定な職業なんて…というのが女性の本音。
たまたま知り合ったハーレム男性にアドバイスを乞う。
ハーレムを作るににあたって必要な事とは、
奥さんごとに、ある一定以上の財産を分けれるようにしないとダメ。
それは、絶対のルール。
寵愛も平等、でも序列は大事。
一人を寵愛→他夫人から両方袋叩き。最悪殺されても文句は言えない。
等々。
正直、何か大変そう。
自分には無理と確信した。
稼ぎの悪い旦那、妻を大事にしない夫。
女性を囲むヒモ。
そんな男より、マシな男が世間には溢れているし、直ぐ離婚再婚が可能。
世間体などと言うモノは、この世界では無いらしい。
かえってそういう夫婦は、結婚願望のある男から狙い目?
もっと良い暮らしを約束して引き抜く。
NTRが推奨されてる?
それだけ、男が切羽詰まってる?
そんな訳で、結婚出来無い男性、女性に愛想を尽かされる男性多数…。
そして自分も…。
現実世界で出来なかった事が異世界に行って出来る様になる訳がない。
異世界に行けばそれだけで何か変わると思っていた。
真面目働いて稼いで貯金をして、小さな畑と家を買った。
そうして、こんな俺でも良いという女性と結婚出来た。
子供も産まれた。
勿論、奥さん子供ファーストだ。
ていうか尻に敷かれてる。
でも、幸せだと思う。
ただ時々思うのは、今の生活は元の世界でも可能だったのだろうか?という事。
いや、案外元の世界では変われなかった気もするか…。
諸星あた〇を目指す時点でダメじゃん!とツッコミを自分でしてしまいました。
リメイク楽しみです。