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バフ子の苦悩

作者: 名無シノ権化

1バフ目


花が咲き、小鳥さえずる健やかな朝

光が差し込める部屋で1人、少女が寝ていた。


部屋のドアをノックする音が聞こえる。

「こら、バフ子起きなさい!遅刻するわよー!」

母の大声に少女は、起きない。


ドアが開き、母が入る。

母は、少女の体を揺するが、少女は、起きなかった。


「まったく、しょうがない子だねぇ」

母は、少女を引きずりながら居間へ連れて行き、椅子に座らせる。

少女は、それでも寝ていた。


母は、台所へ向かいら、コーヒーを淹れたカップを持ってくる。

少女の鼻元へコーヒーを近づける。


匂いを嗅ぐ少女。

その直後

「うおおおおおおおおお」

雄叫びをあげる少女


「はい、おはよう」

呆れた顔で母は言う。

「おはよう!!!お母さん!!!!」

髪の毛がまるで逆立ちしているかの如く逆立つ。


「まったく、世話が焼けるんだから、ほら、1分待ってご飯を食べなさい」

少女の前にはパンとウインナー、スクランブルエッグが並んでいた。


1分後、少女のテンションは落ち着いていた。逆立った髪も降りた。

「はぁ、いただきます」

気だるそうにご飯を食べる。


ご飯を食べ終え、着替え、玄関へ向かう。

「ほら、お弁当、気をつけて行くんよー」

風呂敷に入ったお弁当を渡す母。

「はーい、行ってきます」

少女は、玄関を開け外に出た。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

少女の名前は、ブースト バフ子

今年、高校生になった少女である。

普段は、明るく愛嬌のある少女なのだが他の人少し違う。

それは、バフ体質である。

バフというのは、何かしらの変化に対してその効果を増長する状態を指す。

バフ体質の彼女は、運動又は精神状態の大きな変化に対して常に増長効果が起きてしまう体質なのだ。


意識がある場合、そのバフ効果の制限時間があり、1分程度である。

意識がない場合のバフ発動は、意識が戻るまでバフ解除されない。


故に青春真っ盛り少女は、苦悩の日々を過ごす事になる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「やばい、時間が無いー、ここから学校だと30分かかる、最悪ー。」

始業時刻前10分前で、焦りながら歩くバフ子。


「急ぎたく無いけど、走ろ」

走り出すと、体が光り始める。


一方、校門前

学生らが校門に入る中、

1人、身長は3mを超える筋骨隆々の男が立っていた。


「ムキ田先生おはようございます」

学生が見上げながら挨拶をする

「はい、おはよう!もう学校が始まるから早く教室に向かいなさい」

笑顔で学生を見下ろすムキ田

「はーい!」

学生は早足で玄関へ向かって行った。


「うーん、まだ、ブーストは来ていないか」

周りを見渡して確認したが、見当たらなかった。


「では、準備するか」

ムキ田は、校門横にある分厚いマットレスを持ち、校門前に向かって構える。


「そろそろだな、来たっ!」


遠くに見える通学路に一筋の光が見えた。

その瞬間、ムキ田が構えるマットレスに衝撃が走り、土煙が立つ。

打ち上げ花火が間近で爆発するような音が学校中ひびき渡った。


土煙が晴れた時、ムキ田は、10m程下がっていた。

グランドには、引きずった足跡が見える。

構えたマットレスから少女が顔を出す。


「いててて、先生、おはようございます!」

埃を払いながら、笑顔で言った。


「今日も遅刻寸前だぞ!」

マットレスを置き、頭をかきながら、ムキ田少し呆れた感じで言う。


「ごめんなさい!」

バフ子は再度、頭を下げて謝った。


「うむ、今後は気をつけるように、ほら教室へ向かいなさい。それと走ってはいけないからな。」

玄関を指差し、誘導するムキ田



「はーい!」

笑顔で学校へ入って行くバフ子であった。


2バフ目に続く。

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