25話「ダンジョン攻略してからの~」
ボストカゲやばいね。一向に倒れる気配がないです。ソフィアは目を徹甲弾で狙っているけど、上手いこと躱されています。フローラはビームブレードで斬り付けていますが若干傷が付いているのみで致命傷に届いていません。シャノン、ケイトのバイブレーションソードは傷すらつかないので、アサルトライフルでピンポイントショットで若干のダメージを負わせていた。突進とブレス攻撃さえ注意しておけば何とか凌げそうだけど、やはり攻撃力が足りないことが解った。魔法攻撃もどれだけのダメージなのかわからないがもう一度試していきたいと思う。
『全員、再度魔法攻撃をするのでタイミングを合わせてくれ!』
『『『『了解!』』』』
通信で攻撃の旨を伝えて準備に取り掛かった。モニターにソフィアの指示が「サンダーストーム」と表示され。カウントが始まった。そのタイミングに合わせて放つだけにして合図を待つのであった。
「サンダーストーム!」
バチッ バチッ バリバリバリーーー
全員が指示された位置に離れたので魔法を放った。ボストカゲは尻尾を振るおうとしたところで中断され攻撃を全身に受けるのであった。今回前回と違いダメージをより多く与えるためのイメージをしたところ、前よりも大きな電撃の嵐になっており、他のメンバーの退避場所も更に大きく移動することとなった。パワードスーツを蒸着していなければ、いくらアンドロイドでも幾ばくかのダメージを負ったのかもしれない勢いになっていた。
『スマン、イメージを大きくし過ぎた。』
『『『『問題無いです。』』』』
ボストカゲの巨体であっても、電撃の嵐の中で少し浮かび上がっておりモニター越しにかなりのダメージが入っていると思われる。ただしまだモニターではないLVアップを告げるウインドウは表示されていないので、倒し切れていないことが解る。
『まだ、倒し切れていないので警戒しつつ攻撃再開!』
『『『『了解!』』』』
数秒後、魔法攻撃が終わった瞬間に各自からの射撃攻撃が再開された。これって一般の冒険者では倒せない魔物なのかもしれないな。まてよ鉄っぽい素材は熱膨張で攻撃するのがセオリーかもしれないので、まずは冷やしてみますか!
『熱膨張を利用しての攻撃を仕掛ける、タイミングを合わせてくれ』
『『『『了解!』』』』
まずは「ファイヤーストーム」で温めて、液体窒素をイメージした「アイスストーム」で冷やしてみたところ明らかに動きがおかしくなってきて、全員で徹甲弾を打ち込んだところ、ボストカゲはバラバラに砕けてしまった。
「何とか倒せたといったところかな。」
「そうですね。やはり最深部だけあってかなりの強敵と推測されます。」
独自の攻略法があるかもしれないが、とりあえず大きな被害もなくダンジョンに残された最後の部屋に向かうのであった。
「何だろうね。この部屋は?」
「多分、ダンジョンコアと言われるものだと思われます。」
中央に銀色の球が置かれた台座があり。気が付いたら宝箱が横に置かれてる部屋があった。ソフィアがこの大陸の書物で確認したことのあるダンジョンコアがあり、これを持ち帰ることで、ダンジョンが活動を停止する仕組みとなっているそうです。
「じゃ、ダンジョンコアを持ち帰って分析に回しますか。」
「そうですね。物質はミスリルと言われる材質とのことです。」
ファンタジー材料Getだぜ!!、これでミスリルソードとかミスリルアーマーって夢だよね!でも装備ってあんまり必要ないのかな?いやいや、他のメンバーに持たせても問題無いよね。ミスリルワンドは必要ありませんから…。
「ところで、LVアップしたみたいなのでステータス見てみます。」
「艦長、おめでとうございます。」
「ステータスオープン…。」
何だろうね。この適当なステータス。既に壊れていないのかな?LV60の時でもおかしかったけど、現在LV90になりました。ステータスを見てみたら…。
LV 90
体力 182
知力 244
時の運 372
騎士LV50の一般的なステータスで60~70らしいけど2.5倍から5倍のステータスになっています。時の運って宝箱の出現率や中身に影響あるのかな?でもまぁもう気にしないようにした方が良いのかな?最後のボストカゲ倒したときに何回かのLVアップを告げるウインドウが流れていましたが、もう気にしないでおこう。
「何だか運だけで生きているみたいです。」
「それは、大切なことですよ。」
ソフィアに慰められながらダンジョンを後にするのであった。後から聞いたところこのダンジョンは上級者向けダンジョンであったと確認できた。ストーンリザードを筆頭にアイアンリザード、ボスに至ってはミスリルリザードとのことで倒すのに魔法使い30人は必要とのことでした。しかも内部からダメージを負わせるためにずっと火系の魔法でじっくりコトコト熱するのが一般的な攻略で5人パーティーで打倒できる魔物では無いことで驚かれてしまった。がリリア姫は
「まぁ、貴方達ならそれが普通なのでしょうね。」
の一言で終わってしまった。鉄は街の復興に寄付をしてミスリルは拠点にもて帰ることになった。ダンジョンコアは一度王都でお披露目したいとの打診があったので、リリア姫に預けることとなった。今のところ研究材料は山のようにあるので、後日引き渡しでも問題はありません。
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「かなり周辺の魔物も減ってきておりますので、明日王都に行きますが宜しくて?」
「こちらは、問題ありません。」
どうやら街の防衛も落ち着き出したことにより、リリア姫のテレポートリングを使用し王都に戻ることの報告が入ってきた。王都ではスタンナード奪還成功の一報がありお祭り騒ぎになっているとの事、リリア姫筆頭に、勇者の九条さんと空の城団の凱旋が予定されているとのことで、行きたくないけどしょうがないよね。馬車の上から手を振るだけだからとリリア姫に促された。後は宰相の訃報もありそこはそれなりの式をすることが決定されているとのことです。
「ところで、貴方達はこれからどうする予定かしら。」
「そうですね。一般的な商いで生計をしていこうと…。」
領主館の一室にてリリア姫と会談していた。今後の事を聞かれたので、一般的な返事を心掛けたのですが、全然ダメみたいでした。半目でじっと見つめるリリア姫は何とも言えない可愛らしさがにじみ出ています。って思っていたらソフィアにお尻を抓られました。
「いえ、訂正してテレニシス共和国への売込に向かおうかと考えております。」
「貴方達の拠点はどうするのかしら?」
「売込後はまた戻る予定としております。」
「それは良かったわ。」
と言いますと、何やら不穏な雰囲気がリリア姫から漂ってきそうな雰囲気があり、断り切れないことを押し付けられそうな気がしてなりませんです。はい
「近々貴方に叙爵の話があると思うの」
「それは、ご丁寧にご遠慮…できないですね。」
断り切れないオーラがあるので、ここは素直に黙っておきましょう。
「さすがに無理ですわね。これだけのご活躍の傭兵団を王国は手放さないと考えますわ、更に上級ダンジョン攻略者ですからね。」
「まぁそうなりますね。」
フフフ。
ハハハ。
傭兵団がこれだけの火力をもって他国に移住するとあっては、王国側も黙って見過ごせないので、それはあって当然の話ですよね。予想できなかった訳ではないが、国同士のいざこざになるべく加担しないようにしなくては、軍事バランスが崩れて平和だったところが戦火に巻き込まれたでは、こちらの心象に良くないですからね。
「まぁ男爵辺りが妥当との話も出ておりますので、その心づもりでいて下さい。」
「承知しました。」
ため息つきたいところですが、まぁしょうがないともいえるところでしょう。パレードの後、王様に謁見して叙爵の後、パーティーとのことで忙しい日々になりそうで憂鬱な気持ちを押さえて、明日に向けての準備に取り掛かるのであった。
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翌日、リリア姫とソフィさん、九条さんとダンジョン攻略パーティーで王都にテレポートしたのであった。王都門の手前で凱旋用の馬車や従者が準備しており、ここで予め準備をしてから凱旋に向かうのであった。…。パレード中の笑顔と手を振るのにかなりの精神力を使った後、王様への謁見も淡々と進められて、男爵を地位を頂きました。
「なんだが精神的に疲れて、何を喋ったのか覚えていないです。」
「艦長、この後パーティーとのことです。挨拶がまだ続きますので気を確かにお持ち下さい。」
そうですね。まだまだスタンナード奪還及び上級ダンジョン攻略の祝勝会があるので、貴族の挨拶をしなくてはならないのだけど、可視化したウインドウのカンペを読んで、早くパーティーから離れる準備をするのであった。
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何だか長い一日がやっと終わることができた。色んな貴族の令嬢やらが挨拶に着て取り入ろうとするする動きが見え隠れしていましたが、そこほ優秀なソフィアのサポートで乗り切ることができました。正直誰が何を言っていたのかわからないので、後でまとめたレポートをソフィアからもらって目を通すことにしましょう。少し夜風に当たってくると離席しバルコニーに向かったところ、リリア姫と一緒になってしまった。
「お疲れ様です。時の英雄様」
「やめて下さい。英雄ではありません。」
フフ
リリア姫は茶化すつもりなのだけど、もう殆ど気力は残っていません。ソフィア達もドレス姿でのパーティー参加のため、貴族の嫡男からのアプローチが引っ切り無しですがそこは、傭兵団とのこともありちょっと殺気があるオーラが出たところで、離れてみているにどまっており、食事を楽しんでいるのかな?ソフィアは気を使って休憩時間を頂きました。
「彼女たちはこの雰囲気を熟知しているみたいね。」
「えぇ、優秀な部下ですからね。」
「部下でしたか。少しお疲れのようですわね。」
確かにリリア姫には護衛を雇ったと言っていたが、もう設定どころではない位疲れてしまっていたので、内情を知られてしまいましたが今更な感じもしないでもと思う。
「まぁ今更隠し事も無いですからね。何といっても男爵になってしまったのですから」
「そうですわね。臣下となったらそれなりの行動が必要ですからね。」
なるべくしてなってしまった感はあるけど、今更ですね。国内の問題解決はしますが、侵略行為や軍事参加はできるだけ拒否させていただきますからね。こちらの戦力で侵略してしまったら全世界支配も可能となってしますのでね。
「まぁ貴方には軍事参加は強制できない話があるので、どちらかと言えば敵にならないようにするための叙爵となったのですけどね。」
「ここまでかかわってしまうと敵対するにも相応の覚悟が必要となります。」
「そうあってくれるとこちらもありがたいわ。」
リリア姫と当たり障りない会話を終えて、王様からの閉会の言葉で今夜のパーティは幕を閉じたのであった。宰相キグリの訃報もスパイではなく戦場で散ってしまったとの話になり。この先も事実を伏せたままにし、今後の対応をするものと考えられた。本日は王城で一泊し、明日リリア姫に拠点に送ってもらうことになったのであった。
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拠点に戻ってから、リリア姫とソフィは温泉宿に泊っていくこととなり、こちらは例のミスリルの分析を進めてもらったが、やはりファンタジー素材のため分析できないということが解った。更にミスリルリザードの素材からも当然大量のミスリルが取れたので加工して使用することが決まったのでけど、どうやらドワーフでしかその加工技術を知らないとのことでした。
「拠点にドワーフを呼び込むことは可能なのか?」
「現在、テレニシス共和国からドワーフ鍛冶職人が向かってきているとのことです。」
「取り込むチャンスはありそうだな。」
「調査した結果、美味しいお酒が目的と確認しております。」
ファンタジーだね~やっぱりドワーフと言ったらお酒がらみは抜けないものなのらしい。じゃ艦秘蔵のお酒で懐柔してしまいましょう。それでミスリルの剣や鎧でがっぽり儲けてしまいましょう。ミスリルソードはファンタジーに来たらお決まりですからね!
なんて考えてた時期もあったと、その時は思ってもいませんでした。
「勇者の九条さんはどうしているのかな?」
「現在、上級ダンジョン奈落に挑戦中とのことです。」
彼女も今回の戦いで思うことが多くあって、弱い自分が許せなくなり修行の旅に出たそうで、時々手伝いに行くのも良いのかもしれないね。元の世界に戻る方法をお互いに見つけなければと思うところもあるので、協力は惜しまないでおこう。
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ミスリル一杯手に入れてしまいました。どうやって処理しようかと思っていましたがやっぱり、この物語ならあれですよね。わかっちゃった人もいると思いますが、ご期待下さい。宜しくお願いします。
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