24話「魔法の検証してからの~」
奪還作戦も成功に終わり、現在王国軍は城壁の修繕やら防壁を作って防衛に尽力していた。奪還した街の名前は「スタンナード」と呼ばれており、今後の復興にかなりの月日が必要と思われる。現在は傭兵団と今回参加した冒険者ギルドから派遣された人員は街周辺の魔族の狩りを行っている。防壁は魔王軍が占拠した時から修繕されておらず、防衛不可能な場所は通行できないように埋めてしまっていた。東西の出入口のみとなっておりこちらは冒険者とは違う場所で狩りをすることになった。
「艦長、LVに変化はありましたでしょうか?」
「いや、全く変化なしだね。この辺の魔物ではもうダメなのかもしれないね。」
街周辺の魔物は大きな戦闘があったこともあり、一般の動物といわれる物から魔物といわれる者でも、弱いものは近寄っても来ておらず若干強そうな魔物が時々見られるがそれでも野良のオーク程度しかいない。
「艦長、検証するならダンジョンが妥当と思われます。」
「そうだね。多分この辺は他の子に任せて主要メンバーで行ってみますか。」
ステータスには経験値表示が無いので、オークを数匹倒したとしても変化が解らないのでダンジョンでの検証に切り替えていこうと決定した。この辺のオークは倒したら食料となるとのことで…。食べられるがその辺の倫理観は捨ててしまおう。
「ダンジョンはここからだとどれくらいの距離になるかな?」
「20キロほどありますが、機動戦車で移動しますので10分位です。」
「ファンタジー台無しだね。」
「艦長は歩かれますか?」
「いえ…。乗っていきます。」
ボッチで歩いていくなんてパワードスーツでも2時間は必要になってしますので、勿論乗っていきますよ。ソフィアさんはたまに毒がありますよね~でもしっかり林の中の機動戦車まで腕組んで歩きましたよ。お胸様がぽよぽよと接触するから楽しいから歩いても良いけど時間は有意義に使いましょう。
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ダンジョンに行くメンバーは、自分にソフィア、フローラ、シャノン、ケイトと5人で挑戦となった。ソフィア以外は巨乳メンバー…。すっごく睨んでいる視線を感じました。急遽思考を装備に切り替えてっと、中間距離戦闘用にサブマシンガンと近距離用の武器にハンドガンとブレードを所持していきますが、重火器は今回持っていきません。多分それ程強い魔物と遭遇しないと想定しました。
「艦長、ダンジョン入り口に到着しました。」
「では、出発しましょう。」
「「「「了解!」」」」
ダンジョンは自然にできた洞窟に見えるが、中からこの世界の住民で感じることのできるオーラがあるらしい。特に感じないけどソナー探索したところ魔物もが徘徊していることは判明している。中型の魔物もいるそうなので検証にはもってこいである。
キィー キィー キィー
バシュ シュン シュン
「瞬殺だね…。」
「この辺はまだ脆弱な魔物しかおりませんので、もう少し奥に向かいましょう。」
街の周辺で魔物狩りしていたのはオークだったので、それ以下の魔物ではLVに変化は無いとのことは解っているので、どんどん奥に進んで行きましょう。トラップらしきものも無いとソフィアが教えてくれた。
「艦長、奥に中型の魔物が確認できました。」
「うむ、では早速魔法で倒してみますか。」
1時間ほど洞窟を探索してやっと中型の魔物に遭遇しました。暗視カメラで確認したところ中型のトカゲみたいな魔物で鱗が岩みたいにゴツゴツしている。電撃系の攻撃が有効と思い以前ソフィアが魔法をトレースしたやり方で頭にイメージしつつ右手をかざしてみた。
「行け!」
バッシューン バリバリ
トレースした通りに腕先から無事魔法が放たれた。結果は魔物の体からブスブスと煙が上がっており、パワードアーマー内部では臭いが感知できないが焦げ臭い臭いが漂っていることが連想される。
「どうやら倒したみたいだね。」
「その様ですね。生体反応はありません。」
「LV上がりましたよ。61になりました。」
どうやらLVアップするだけの経験が入ったみたいで、モニター映像とはまた違う画面が表示されLVアップしたことを告げられた。どんな仕組みかわからないけど特に体に変化は無いので、ステータスも微々たる上昇であった。ケイトが素材らしいものと打倒部位を解体している。どうやら魔石といわれる物が摘出できるとのこともあり、バイブレーションナイフで取り出していた。うわぁグロイ…。
「艦長、魔石が取れました。」
「以外に綺麗な物なのだね。」
取り出された魔石をケイトが持ってきた。拳位の大きさでクリスタルの様にキラキラしていた。大きさ的にかなりの金額になるとのことらしいが、既にお金の面では問題ない状況なので、売らずに分析班に渡すことになっている。
「では、引き続き奥に向かいましょう。」
「「「「了解」」」」
奥に進むにつれて洞窟内部も広くなってきている。道中分かれ道もあったが、そこはそれ装備のおかげで生体反応があった方に進んでいっている。ファンタジー定番の宝箱を期待していたが、今のところ遭遇していません。ダンジョンといっても宝箱が設置されているのでなく、ごく稀に倒した魔物の側に突然そこにあったように現れるらしい。何匹かの中型トカゲを倒しつつ検証を進めてわかったことは、とどめをささなくても経験が入る事と、魔物にダメージを与えた量で経験が変わることがわかった。後魔法で倒さなくてもブレードやサブマシンガンで倒しても経験が入ってきた。それとどうやらソフィア達が倒しても経験が入るっことも判明した。ただしソフィア達にはLVの概念は発生していないとの事。やはりアンドロイドは生命としての判定では無いのかもしれない。
「LVの仕組みは大体検証できたけど、アバウトな設定だな。」
「私達は現在、艦長のパーティーメンバーとして加算されていると判断できます。」
「どこまでがパーティーメンバーで判定されるか検証が必要だね。」
「そうですね。私達に恩恵が無い分、全て艦長に蓄積していくと思われます。」
それはそれで恐ろしいことになりそうです。このままLVが上がっていったら、日常生活でもコップを持った時に破壊してしまったりしたら普通に生活できなくなるからね。まぁその辺りは高LVの人たちもいるので補正が入っていると思われるけど…。
「結局、魔法で打倒するよりも火器使用が一番早いということだね。」
「そうですね。魔法は補助的な位置付けで問題無いと思われます。」
結果、主武装としては銃火器メインとなりました。杖を持ってファイヤーとか中二病になることなくて良かったと思うのは私だけなのかもね。だって魔法使うときソフィア達がキラキラした目で見てくるから、そんな恥ずかしいセリフ言えるわけないよ。若干残念そうにしていますが、それはオジサン的に無理です。
「艦長、宝箱が発現しました。」
「おっと!やっとファンタジーが来ましたね。」
もう既にかなりの数のトカゲを倒していたらやっと宝箱が出てきましたよ。大きさ的に横長の宝箱でした。トラップ的な仕組みはX線カメラで確認しており無いとのこで、開けてもらったところ、杖ですか…。何故かソフィア達が期待の眼差しを向けている。いや、やらないよ!中二病に今更ってなったことあるけど…。
「艦長、杖が確認できました。」
「いや、見ればわかるよ。」
ソフィアが手渡しで持ってきましたが。やっぱりやった方が良いのかな?一応魔法発動は教えてもらいました。確か雷系は「サンダーアロー!」とか言ってましたが、これは一度やらないと収集しない方向ですね。わかりましたやりますとも!丁度トカゲの魔物も1匹近づいてきているので準備して魔法の発動をやってみました。
「サンダーアロー!」
バッシューン バリバリ
期待以上の威力のサンダーボルトでした。杖無しでは内部が焦げた感じでしたが、今回は外部の皮膚も黒焦げに感電していました。確かに魔法媒体がある方が威力は上がるようですが、基本が魔法使いでは無いのと銃火器があるので…やっぱり必要ないです。
「「「「艦長、素晴らしいです!」」」」
「そう?」
全員から感動した眼差しを受けましたが、実際のところ精神力が持ってかれているので、どっちかというと発動によるものでなくて、中二病的に恥ずかしいです。なのでこれは対面的に必要な時までは封印しましょう。ってなことで背負い袋に収納しました。とても残念そうな態度を示していましたが、私の精神力が持ちません。
「とりあえずの検証も済みましたので、そろそろ拠点に帰還しますか?」
「いえ、現在最深部となり最後の部屋らしき場所が確認できましたのでそこまで向かいませんか?」
ソフィアからダンジョンの最深部に到着しそうなので、最後まで行ってみようとの話になってきました。入ってから数時間しかたっていないけどもう最深部なのかと思うとこのダンジョンは小さいものなのだろうと推測される。
「では、攻略してしまいましょう。」
「「「「了解!」」」」
最深部手前の通路で内部を確認したところ、今までの岩みたいな皮膚ではなく銀色の皮膚をしたトカゲが6匹確認できた。こちらにまだ気が付いていないのか、舌をチロチロ出しながらうろついている。大きさも1匹6m近い大きさのボス的存在も確認できた。
「多分ここが最終のボス部屋ってやつだね。」
「そうですね。この先に小部屋らしき場所が確認できるだけです。」
「では、張り切って殲滅しましょう。」
「「「「了解!」」」」
各々武器の確認を行い。今回グレネードも使用しますが、洞窟自体を破壊しない程度の物に設定している。また徹甲弾でヘッドショットすることで殲滅も容易なことも判明しているので、魔物としてはたまったもんじゃないと思われる。では行きますか!ソフィアの合図で全員ターゲットに向かって攻撃を開始した。
「GO!」
バシュッ ドッ ドッ ドッ ドッ
ドガーン ボフッ ボフッ ボフッ ボフッ
一番大きいトカゲに私が放ったグレネードが向かって行き、その他のトカゲは徹甲弾が全弾頭部に命中し内部から破壊されていった。ボストカゲは喉にグレネードが命中し後ろに吹き飛ばされて仰向けになっているが、どうやら皮膚が焦げただけで直ぐに体制を整えだしている。
『徹甲弾での攻撃』
モニターにグレネードから徹甲弾による攻撃指示に切り替わり、銃をアサルトライフルに持ち替えて合図と同時にポイントに合わせての射撃を行った。
ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ
全弾頭部に命中したが、全て強固な皮膚で防がれてしまっている。ソフィアの指示で「サンダーボルト(杖持ち)」と指示がきた。えっやるの!?でも指示は上官であっても従うのが鉄則なので背負い袋から急ぎ杖の準備に取り掛かった。
バシュ シュン シュン シュン シュン
どうやら他のメンバーは徹甲弾も無効と判断しアサルトライフルでの攻撃に変更しているが、流石ボスだけあって尻尾で岩を砕いてはこちらに反撃してきた。飛んできた岩を撃ち落としている合間に、ボストカゲが突進のモーションをとりだしている。魔法の準備ができたのでソフィアの合図で放った。
「サンダーアロー!」
バッシューン バリバリ
魔物に命中したがどうやらあまり効果が無いみたいだ。突進のモーションから勢いよくこちらに向かってきた。パワードアーマーのシールドを展開しつつモニターに映る回避先に移動を開始したが、ボストカゲの軌道が予想よりもずれておりビットバリアが破壊されてしまった。
『なんだ!この硬さは!ダメージ入っていないのか!』
『艦長、引き続き魔法の準備をお願いします。』
『了解!』
今まで倒してきた中型トカゲと違いかなりタフなのが解ったが、これどうやって倒すものか検討しながら魔法の準備に取り掛かった。「サンダーアロー」では威力が足りないのなら、次の中級魔法をイメージしつつ放ってみるのであった。
「サンダーストーム!」
バチッ バチッ バリバリバリーーー
ボストカゲの周りに電気の渦ができており無数の電撃が襲い掛かっていた。これってこちらも魔法攻撃で受けたら、パワードアーマーでも無傷ではいられない威力なのが解った。数秒間攻撃されたボストカゲだが、まだ倒れる様子がない。向こうも口を大きく開けてブレスを放ってきた。ビットバリア2枚重ねての防御でしたが、2枚とも破壊されてしまった。修理と新たに塗装されたカイトシールドで防いだがシールドの表面が解けてしまった。どうやら酸系のブレスらしい。
『艦長!無事ですか!』
『問題ない』
心配性のソフィアから通信が入ったが、パワードアーマーには被害は無く問題無いことがモニターで表示されている。その他のメンバーがブレスを放ったボストカゲに接近戦でバイブレーションソードで切りかかっていた。
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魔物のパワーバランスが難しいですね。銃火器でも無理な魔物も発生させていきたいので、どう表現するのか難しいところです。バランス考えて書いていきたいと思います。宜しくお願いします。
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