11話「生贄転生してからの~」
朝からトラブルがありあれだけ大声で叫んだのにも関わらずラサは今現在も寝息を立てて眠っている。角とか翼とかは出ていが、どうやら尻尾は触覚みたく動いて警戒?していると思われる。その尻尾も先がハートの形をしており、いわゆる悪魔尻尾的な形だ。触って起こすと問題になりそうなので、その衝動は抑えてテントを出ることにした。
食堂の設置してあるテントに向けて朝食をとるべく向かう途中で、リリア姫とソフィを見かけたので一緒に朝食をすることになった。
「昨晩はよく眠れましたか。」
「はぁっ、はいとても変わった寝具でしたが、よく眠れましたわ…。」
「……。」
なぜか2人共目にクマができておりソフィに至っては返事もしなかった。寝具が合わなかっと思い後でソフィアに確認してみようと思った。
「では、朝食を頂きながら今後について打ち合わせをしましょう。」
「はい。できれば眠気の取れる飲み物をお願いします。」
うん、うん
「しょっ承知しました。」
これは早めにソフィアに対策をしてもらわないと、2人が倒れてしまうと心配になってきた。朝食の後にスッキリするハーブティーを2人に出してから。昨日の続きの詳細を話しするべく、会談スペースに移動するのであった。昨日とは違い今回は4人共席についての話し合いになった。
「今後の日程ですが、あなたたちを王城に連れていき王に謁見していただきます。」
「まずはご挨拶ですね。」
「そうですね。王城では確実に実力云々の話が出てくると思いますので、どなたかが対応すれば問題ないと思いますが、できればトーシオーさんが対応なさるのがよろしくてよ。」
おっとここに来て自分ですか?私この中で一番弱いと思いますが、だから丁度良いのかもしれないが、ここで失敗して全員に恥をかかせたら問題だぞっとソフィアの顔を見てみたら、すごい笑顔で返された。期待されているのか?やばいぞ、ナノメディカルで学習しておこう。
「多分問題ないと思いますわ。貴方からはすごい実力者のオーラを感じます。」
「えっ?」
「実力者かそうでないかを、私には見えるのです。」
どうやら自分の体に実力者のオーラをまとっているとの話らしい。チートも追加能力であるのかもしれない。まぁステータスはA以上だからそうなるのかもしれない。ただし好感だけは上げないぞ!!
「それと、あっちのほうも……。」
「それと?」
「姫様!!」
んっ?何か不穏な反応をしている。リリア姫は赤面してうつ向いてしまい、ソフィはこちらを睨めつけている。ソフィアに関しては終始ニコニコ笑顔で機嫌が良さそうだ。ソフィも最初睨めつけていたが、段々と顔が赤くなってきている。なんだなんだ、私何かしたのか?別に変なこととしては、いちゃつくメンバーにフローラが追加されただけだよ。ちょっとお胸様を触っただけだよ~舐めてないよ~ゲフン。規制さん死んでなかったけど、多分寝てるときあるのね。
「えっと、とりあえず王城に行くメンバーはこちらで決めます。」
「えぇ宜しくてよ。」
「ではいつ頃出発いたしますか?」
「こちらにテレポートリングがありますので、いつでも王城に行くことができます。ですので準備ができましたら、声を掛けてください。」
キター!ファンタジーの定番アイテム。それって私たちも使えるのかな?できたら欲しいね。物質転送の原理をファンタジーは超えてくるから是非とも入手したいが、ソフィアに目を向けると早速解析しているみたい。
「解りました。準備でき次第声を掛けますので、それまでは特に何もありませんが施設をたのしんで…」
「温泉に行ってきますので、できれば昼頃でも宜しくてよ!」
「ひっ姫様!!」
話途中でリリア姫は大変温泉を気に入ったみたいで、それは良かったと安堵するが寝具に関しては改善する旨をソフィアに伝えてある。が当のソフィアは首を掲げて問題ないと思いますがベットに切り替えておきます。との反応のみでした。あざカワイイ仕草なので良しとしておこう。
「では、昼までに準備を整えて声を掛けるようにします。」
「お願いします。」
と言って会談は解散となった。さてこれからどうしようかと考えていると、仁王立ちのラサが目の前に立っていた。
「ずっと!宿屋に閉じ込められて!!私は怒っています。」
偽物貴族様がご立腹状態で文句を言いに来たのでけど、そもそも街まで送るまでと、衣料提供及び食事提供も終わっているので、この先同行する理由が…。そういえば「旦那様」はここからスタートしたんだよね。
「えっと、どうやら私たちはとある方に雇われまして、また当分出かけることになりますので、いかがいたしましょうか?」
「勿論、ついていくよ。」
何となくそんな返事が来ると思っていたが、対処は考えていたのでその返事を返してみた。
「実は今回、ラサにとって敵対する組織に雇われてので、ラサがいると私たちも動きづらくなり、できればラサに迷惑を掛けたくないので我慢して欲しい。
「いやー!いやー!いやー!絶対ついていく!」
ダメでした。押しが弱い理由だったので、天然娘なので以外にいけると思っていたんだけど、次の手としては…。
「じゃあ、美味しいご飯を食べさせてあげるから、その間ここで待っててくれる?」
「う~ん。…。毎日?」
「うん!毎日…。」
「じゃあ待ってる。」
え~以外にエサで釣れるんだ~無理あると思っていたけど、とりあえずラサはこれで押さえたけど、コックには申し訳ないことをしたが、これも補給確保のため我慢して職務に当たってほしいと、心の中で謝っておくことにした。
「じゃあ出かける準備するから、食堂で美味しいご飯を食べてきて。」
「うん、解った!」
子供扱いになってしまったが、年齢的には20歳位の女性なので、見た目的にどうなのかと思いながら見送ろうとして…。
「ぎゅ~う。」
突然ラサが抱き着いてきて、労いの言葉を掛けてきた。
「気を付けて行ってらっしゃい。旦那様~。」
「あぁ行ってきます。」
と女性に抱き着かれることに、少しづつ慣れてきた自分に感心しつつ手を振って別れるのであった。
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出発の準備が整ったとソフィアから連絡が入り、リリア姫たちも集合している場所に向かった。それまで何してたかといえば、やること無いので屋敷のレイアウトの確認とメイド服の確認を自室のテントで見ていたが屋敷のお風呂デカくない?しかも寝室のベットメガダブルベットになってるし、ガラス張りお風呂も付いてるよ?しかも隠ぺい式大スクリーンモニターに、怪しげなドリンクが入った冷蔵庫完備?大人のおもちゃ???誰の趣味???もう放置しよう。メイド服もワンタッチ脱着機能付き?ミニスカヒラリ機能?ご主人様専用ボタン??意味わからないからこちらも放置で、ボタン押さないよ……。多分
「お待たせしました。」
「いえ、こちらも今来たところですわ。」
王城に向かうのにテレポートリングを使用するので、一瞬で中庭に着くそうです。がこのリングはソフィアの解析でも解析不能とのこともあり断念した。現地調達可能なのか、それとなく聞いてみたのだがダンジョン産との事で手に入れるには最下層のボスクラスで運が良ければ手に入れることができるとの情報だけ聞くことができた。このグランシス王国でもリリアしか持っていないとの事でかなりの貴重品らしい。そりゃーファンタジーの中も手軽に手に入ったらバンバン使うだろうしね。商業ギルドが黙っていないだろうね。
「では、今からテレポートしますのでメンバーは円の中に入ってください。」
「トーシオーさんは私の手を握ってください。」
「んっ?」
「ひっ姫様!」
「冗談ですわ。」
何か気持ちに余裕ができたのか、リリア姫のおちゃめな冗談を聞くことができたのだが、護衛のソフィに止められてしまった。止められなかったら手をつなぐところだったが、どう見ても15~16歳ににしか見えないのでどちらかといえば、まだ保護者的に手を繋ぐことが可能な年齢だとも思った。
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リリア姫から光があふれ出し、魔力をリングに貯めていることが解ったのでそろそろテレポートすると思い、心の準備をしていたら景色が薄れていき、大きく光ったのち徐々に見たことのない景色に変わっていた。特に体などに問題はなく無事に王城の中庭に着いたことをソフィから聞いて、リリア姫は少し疲れた様子で軽く挨拶をして、城の中に入っていくのであった。中庭には姫の帰還を知らせに走った衛兵とソフィから案内を頼まれた騎士のみとなり、謁見に向けての準備が進められたのであった。
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応接間で待たされること小1時間、謁見の準備ができた知らせが、部屋に付いているメイドから報告を受けたけど…。やっぱりメイドはこれくらいのものだとソフィアに目配せしたが、顔を背けられた。ぼそっと一言「皆の意見です。」と聞こえるか聞こえないかの音量でぼやいていた。
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謁見の間に向かう途中で綺麗なドレス姿のリリア姫と貴族服に着替えたソフィが待っていた。
「一緒に入場しないと、膝ま着くことになるので付いていきますね。」
と、リリア姫は言って付いてくることを促していた。
「リリア姫様、入場ーーー!!」
衛兵が声を掛けて謁見の間が開きだし、中に入ることを許されたメンバーはリリア姫たちの後を付いて入場するのであった。程なくして王に声が届きそうな位置まで来たところで、前から声が掛けられた。
「リリア~お帰り。無事に帰ってきてくれて良かったわ~」
とリリア姫がもう少し年を重ねたら声を掛けた美人になるのではと思いつつ目を見開いてお胸様を拝んでしまった。王妃様判定"F"と判断できるくらいの大きさであり、側に控えた騎士が剣の鞘に手を掛けたところ王様に止められていた。やはり不敬な目で見ていたことに気が付かれてしまったらしい。危ない、危ない
「ほうほう、リリアも普段からその格好でいるのならどこに出しても恥ずかしくないのでけどのぉ~」
「王様、お戯れを。現状では私しかリングが使えないので、私がいなくては王国内の情勢を知ることが難しくなりますわ。」
「汝が行かなくとも、騎士を走らせれば同じことよ。」
「それでは、手遅れになる場合もありますので、わたくしが行った方が早いですわ、そんなことよりも傭兵を雇ったので紹介いたしますわ。」
国王様と王妃様の話を打ち切り紹介されることとなった。
「こちらは、フリーの傭兵団の隊長のトーシオーですわ。」
「うむ、聞いておる。傭兵を雇ったとな。」
リリア王女から紹介するタイミングをはかられ、国王様に自己紹介をする。事前に商人ではなく傭兵として欲しいとリリア姫からの要望もあり、そのように紹介をする。
「宇宙の城団を率いている団長のトーシオーと申します。」
リリア姫から膝ま着かなくて良いと聞いていたので、そのままの姿勢から会釈のみの挨拶をする。臣下の場合は膝ま着くのらしいが、フリーなのでそのままの姿勢でよいとの事らしい。
「うむ、良い面構えをしておるが、時にお主は強いのか?」
「剣技においては団を率いる立場ですので、それなりの腕と自負しております。」
「うむ」
それっぽく答えるが、自分が一番弱いのだよね~でも何となくだけど横にいる騎士よりは強く感じる?王様はソフィと同じくらいの強者に感じ取ることができた。
「しかし、リリアよ時すでに遅く、勇者召喚は本日行われてしまったよ。」
「なんですって、調査が終わってからと聞いていましたわ!!」
「宰相から無事に召喚できたとの報告もあり、この後紹介する予定じゃ。」
「なんて、愚かなことを……。」
姫は青ざめた表情になり、隣に控えていたソフィに支えられないと立つことができないくらいになっていた。
「噂をすれば、宰相が勇者様を連れて参ったぞ。」
王様は宰相を謁見の間に通すことを許可し、その後から高校生の制服を着た黒髪ロングカットの少女が入室してきた。そして気になるのがその脇差にある怪しい剣がとても気になり目を向けたが、少女はこちらに目もくれず王様の前で膝ま着くのであった。
「名は何と申すのじゃ」
「九条遥と言います。」
お~い日本人召喚者来ちゃったよ~しかも美女ですよ。お胸様は発展途上中ですねーと不敬なことを考えていたら。勇者様から剣を突き付けられ。
「あなた、日本人ね」
いきなり暴露されてるよ~しかも謁見の間で抜刀してるけどお咎めなしなのは勇者特権かな?召喚された直ぐは弱いから粋がらない方がいいと、おじさん忠告したいけど、すごい睨んでる。どうこたえようか悩んでいると、リリア姫が仲裁に入ってきた。
「いくら勇者でも行き過ぎた行動は控えなさい!」
と言われ九条さんは剣を鞘に納めるのだが、睨んでくることはやめなかった。ふーこれからどう行動しようかな~
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勇者いきなりの敵対行動でどんな展開にしようか2パターン思いついているので決めたら更新します。どうかお楽しみ下さい。宜しくお願いします。
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