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僕は彼女が好きだけど? 極度の潔癖症で彼女に触れる事もできない!

作者: 七瀬






僕は、“極度の潔癖症”

だから、今まで“彼女”を一度も作った事がない。




・・・数年前までは?

年頃の僕の友達は、女の子に興味を持ちはじめていた頃だった。

何となく? お互い意識してふと気が付けば、自然と二人が付き

合っているような感じだった。

気が付けば? クラスの半分以上が急にカップルになっている。

僕も、周りの友達に出遅れないように必死に恋人になれそうな

女の子を探していたのだけど?

付き合うまでには至らなかった。




それに僕は、【極度の潔癖症】で人が触ったモノや飲みかけの

ジュースも飲めない。

トイレに行っても、何度も何度も嫌と言うほど手を何度も洗う。

洗っている間だけは、清潔でいれると思っていたからだ。

僕のカバンには、必ず除菌シートと除菌スプレーが入っている。

これがないと、不安で仕方がない!

目に見えない菌が、空気中を舞っていると思うと、ゾッとした。

それが、気にならない訳がない!




当時、僕のクラスにいた女の子が凄く汚くて...。

女子のくせに、机の上が汚い。

何かしらのカスが、机の上に乗っかっているんだ。

彼女は、“コレ”が気にならないのかな?

僕は、気になって気になって仕方がないというのに、、、。

その上で、食堂で買ってきたパンを頬張りながらバクバクと

食べ、パンくずがボロボロと落ちている。

僕は、彼女とはどんな事があっても付き合う事はないと心の

中でそう思った。





・・・そして、高校を卒業して数年後。

僕は、クラスの同窓会に参加した。

そこに居たのは? 懐かしい顔ぶればかり。

僕は嬉しくなった。

でも、相変わらず僕の極度の潔癖症は治って

おらず、みんなと一緒のモノが食べられない。

そんな時に、僕に話しかけてくれた彼女がいた。

そう、あの机の上が汚かった女の子だ。



『ねえ、北野君? 何で食べないの?』

『・・・い、いや? 来る前に少しお腹が空いてコンビニで

パンを食べちゃってさ!』

『そうなの? でも、ここのお鍋美味しんだよ! よそってあげるね。』

『えぇ!? 別にいいよ。気にしないで!』

『いいから~いいから~はい! どうぞ!』

『・・・ううん。』





また、余計なことをしやがってと思いながら僕は食べるフリだけして

後は、誰かに食べてもらえばいいと思っていた。

彼女は、片付けもできない女の子だけど? 性格もお節介というか?

しなくていい事までする女の子だったんだ。

僕は、ウザイと思いながら彼女を見ていると、、、?

彼女は、お酒があまり強くない女の子の看病をしていた。

僕は、彼女の優しいところに触れる。

案外、いいところもあるんだなと思いながら僕は彼女を見つめていた。

そんな僕に彼女は気づいて、ぼくの隣に座った。



『ちゃんと、食べてる北野君?』

『・・・ううん。』

『空腹でお酒飲むと? 体に悪いよ。』

『えぇ!?』

『後で、北野君の分、料理長に頼んでこっそり作ってもらおうか?』

『ホント!?』

『うん! ここのお店、私の親戚のおじさんがやってるお店だから。』

『じゃあ、お言葉に甘えていいかな。』

『うん。』






・・・数十分後。

彼女が、僕の為に頼んでくれた小さな鍋が運ばれてきた。

これで、やっとお酒以外のモノが僕の胃に入れられる。

彼女は、僕が極度の潔癖症だと知ってるのかな?

それとも、偶然! 僕が何も食べてないから温かいモノ

をいいと思い、頼んでくれたのかな?

どっちにしても、僕は彼女を見直した。

僕が思っている彼女ではなかった。

その日の、同窓会は皆でLINE交換してお開きになった。




 *




・・・更に数週間後。

彼女から、僕にLINEがきた。

今度、同窓会に来た人達を集めて皆で会わないかというモノだった。

僕は、素直に【いいよ】と答える。




・・・それから、約束の日。

約束の場所に来たのは? “彼女だけだった。”



『えぇ!? 細川さんだけ?』

『ごめんね、皆これなくなっちゃった! それとも、もう帰る?』

『・・・い、いや? せっかく来てくれたんだからご飯でも食べ

に行かない?』

『うん!』





何となく、僕は分かっていた。

彼女が、本当は他の友達を呼んでいなかったんじゃないかって事。

僕と二人きりになる、口実がおしかったのだろう。

それに、この時の僕は彼女の事を気になり始はじめていたしね。

逆に、二人きりになれて嬉しかった。

でも? 僕は極度の潔癖症だ!

彼女は、僕とは逆だし。

本当に、彼女と付き合って上手くいくのかな?

僕は彼女が好きだけど? 極度の潔癖症で彼女に触れる事ができない

かもしれない。

それでも、彼女は僕と一緒に居てくれるか不安だった。

それなら、僕は彼女と付き合う事を考えない方がいいんじゃない

かって、そこまで考えていると?

彼女が、僕に言ってくれた。



『何でも、初めての事は怖いよね? それでも、はじめないと前には

進めないよ! 一人より二人なら出来る事も増えると思うの、だからね

私と一緒に初めての事をはじめてみない?』

『ううん。』





そんなこんなで、僕は彼女と付き合う事に決めたんだ。

僕の、極度の潔癖症は彼女と一緒に居る事で中和されていくと

僕は思うんだ。

彼女となら、僕はどんな事でも乗り越えて行けると...。

僕は、そう思う!





最後までお読みいただきありがとうございます。

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