第1話
初投稿なので至らないところだらけかもしれないですが、気楽に投稿できたらと考えているので温かい目で見守ってくださるとうれしいです。不定期投稿。
今日、俺は桜ヶ丘第一高等学校に入学した。
俺はクラスの組みを確認し、教室へ向かった。
前住んでいたところから少し遠い学校だったので知っている人はおらず、少しドキドキしながらも一番後ろ端の窓側にある自分の席に着いた。周りの人たちはこれからの高校生活が楽しみなのか「俺は今度こそ絶対彼女作ってやる!」「今日の放課後入学祝いにみんなでカラオケ行こうぜ!」などという愉快な話し声が聞こえきた。俺も友達作れるといいなと思っていた時前に座っていた子から話しかけられた。
「なぁ、お前も中学校の知り合いいない感じ?」
「うん。中学校の頃の友達はみな離れちゃったな」
「俺もなんだよ!良かったら仲良くしてくれ!おっ、自己紹介遅れたな。俺は佐藤和馬だよ!よろしく」
「俺は右京隼人っていうんだ。こちらこそ仲良くしてくれ」
高校生活1人で過ごすことにならないか心配だったが、早速しゃべれるやつができてよかった。しゃべった感じ嫌いなタイプではないし、いい奴っぽいから話しかけてもらえて幸運だったな。
「てかさー、なんか初めて会った気がしないんだけどどっかで会ったことある?」
「え?ないと思うけど?」
「そっか!なら多分俺の気のせいだな」
俺は少しこの質問にドキッとした。なぜならおれは半年以前の記憶がないからだ。両親や、一緒にいることが多かった人はなんとか覚えているのだが、その頃していたこととか、知り合いレベルの人はすっかり忘れてしまっているのだ。和馬が半年以前に出会っている人であったと思うと少し申し訳なく思った。
「それよりさー、知ってるか?この学校に有名人入学してんの」
「え、マジ?芸能人の息子とかか?」
「そんなレベルじゃねーぜ。国民的アイドルだとか、急上昇中の大人気俳優とか、大人気小説家とか」
「え、すごいな。しかも3人もいるのか?」
「あー、しかも3人ともめちゃくちゃ可愛いんだよ。だから入学してまだ1日目なのにもう桜ヶ丘3大美女って呼ばれてるぜ」
「そりゃー、すごいな」
本当にすごい。テレビに出るような有名な人たちが3人も同じ高校に入学してきてるのだ。俺はあまりテレビを見たり小説を読んだりしないから知らない人であるのだろうが、有名な人と聞くだけで少し胸が躍る。もしかしたら知ってる人かもという気持ちも持ち合わせていたので名前を聞いみた。
「おー、確か名前は、七瀬 綾香 夜桜 咲 天野沙由里だった気がするぞ」
ん?なんか全員見覚えある名前だ。まぁ、おそらくあまりテレビを見ない、小説を読まない人でも分かるくらいに有名なのだろうと思った。
「おっ、噂をすればだぞ」
俺も、教室の後ろ端からだが、廊下側をみた。そこには仲良くお喋りしながら歩く3人の美女が見えた。七瀬 綾香は愛嬌のある顔で少し小柄だが、スタイルは良く鮮やかな茶髪で髪は伸ばしており目は二重でとても可愛らしいイメージが伝わった。夜桜 咲は女子の中で身長は少し高めでスタイルが良く髪は結んでおり、凛とした目で可愛いというイメージももて、美人というイメージも持てる感じであった。天野 沙由里は髪は短すぎずのショートカット。琥珀色の目が印象的で顔の輪郭も整っていて、3人とも魅力的すぎるのか周りの生徒たちは挙動不審になりながらもしゃべりかける人や、あからさまには直視する男子生徒が多く、これが3大美女と恐れ入った。やはり俺と比べたら天と地との差だと。
「やっぱすげーよな有名人は」
「だな。見たことない俺でもこれがスターのオーラかって思えたしな。」
「え?お前一度もあの3人見たことないの?」
「あ、うん。あまりテレビとか見ないから」
「へぇー、珍しいな。てか誰か探してたのか?あの3人」
「なんで?」
「いや、なんつーか俺らのクラス通るときチラチラ中見てたような気がしたし歩くの遅くなった気もしたし」
「気のせいじゃないのか」
「まぁ、こんなこと気にしても意味ないか。もしかしたらお前のこと探してたのかもな(笑)」
「それは絶対ないな」
そんなことはあるはずがない。もしもあったなら俺はおそらく、嬉しすぎてまた記憶喪失しちゃうね。
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「ねぇ、隼人くんいた?」
「いや、分からなかったわ」
「教室騒がしかったり、話しかけられたりとかしちゃって見つけられなかったね」
「隼人くん、早く会いたいよ〜」
「何言っての綾香!抜け駆けはダメだからね!」
「あなたもよ。沙由里」
「わ、分かってるよ…って違うよ!私はそう言うのじゃなくて…ただ久しぶりに会ってお話ししたいなって思っただけだよ!」
「沙由里も素直になっちゃったら楽なのにー」
「だから本当にそういうのじゃないって!そんなことより今日の放課後はちゃんと見つけ出して会って話そうね」
「そうね。まず見つけ出さないと」
「一緒のクラスだったらそんな手間かけなくて良かったのに…」