表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

5日目(2) 憶測

2話目です。

さて。落ち着いた?


(・・・&%#@!!・・・)


何語かしら?


(ご、ごめんっ!!あのでもどうしてっ!!)


・・・黙んなさい。


(はい・・・)


あれだけ話の中にとっかかりがあれば、気づかないわけないでしょ?


(え・・・そうなの?)


まず第一に。私と話した時、『やっと出てきた』と言っていた。

次に昔の・・・建国当時の状況を詳しく知っていた。

3つ目、ドラゴンとエルフの関係も詳しく知っていて、なおかつドラゴンを責めていた。


こうして考えていくと、その時その場にいて、ドラゴンの無策を後悔しているにもかかわらず、自分自身は何もできずに今に至っている、そんな存在じゃないかと思ったの。


おまけにエルフの長のことを知っている発言もあったしね、その条件だとドラゴンさんの核しかいないでしょ?


(・・・なんていうか・・・もう・・・降参だな・・・)


と、いう事で。エルフさんは何やったの?


(ここでそれ聞くの?あんな悲惨な話を聞いた後で?)


だって、聞かなきゃ始まらないでしょ。ねえ、あなたならわかるわよね。今、こうして祈りを捧げてる聖女、何人いる?


(・・・・・・)


ひょっとして、私ひとりじゃないのかな?当たってる?


(当たってる・・・けど!どうしてわかるんだよっ、そんなことがっ!!)


私の扱いが変わってきた。というか、少し良くなってきたから。

ここしばらく私は祈りを捧げてない。ううん、捧げてるふりをしてたんだけど、それによって結晶の生成が遅くなるかできないかしてて、教会は焦ったんじゃないのかしら。


私以外に聖女がいるのなら、そうはなっていないはず。でも、結晶ができないことと私の処遇改善が結びついてるなら、私以外に聖女がいない、そういう結論になるわね。


(はぁぁ~~っ・・・ホントに・・・言葉にならないよ。そう、キミの言うとおりの事態が起こっている)


生命力を載せた祈りがしばらく行われていないから、ね?


(聖女の力で汲み出された生命力は僕の中へまっすぐに入ってくるんだ。それが結界の維持にもなるし、結晶の生成にもなるんだけれど、こうしておしゃべりしてたせいか結晶ができなくなっているんだ。すぐにどうにかなるわけじゃないんだけど、不安なんだろうね)


何が?


(聖女がキミひとりだから。キミがいなくなれば祈りの儀式ができず、結界の維持どころか結晶の生成も無理になる。王家にしろ教会にしろ、今までの贅沢が止められないんだ)


そっか。でも、そんなに聖女候補がいないの?


(もうほとんど出てこない。先祖返りみたいなものだし、そうなるべくしてなった素質でもないんじゃないかと思うから)


それが何かいやな方法じゃなかったか、と疑ってるわけね。


(正解だよ。教会は次の聖女を必死に探してるんだけど、見つからないのなら、今残っている聖女、つまりキミをできる限り長く使おうとあれこれやりだしたんだ。もっと早くそうしていたら、ここまで聖女を減らさずにいられたってのに・・・あいつら、いつまでたっても考え無しなんだから)


・・・あのさ。エルフさんが何をやったか、わかった気がする。


(・・・!!?!?!・・・)


多分、こうじゃないかという道筋だけ、ね。


まず、エルフさんが使えるものだから、魔術もしくは魔法の関係だよね。

次に、種族がいなくなっても使えるようにしなきゃいけないから、それは何かの魔道具の類でもなさそう。

それと身体的特徴を使ったのは間違いないと思う。ほぼ確信ね。


(身体的特徴?・・・)


うん、私は見たこともあったこともないけど、エルフさんとくれば美人美男子じゃない?

そんな逸材、ただ殺すだけなんてするわけないじゃない。私としてはすっごく恥ずかしいけど、攻め込んだ『人』たち、エルフさんを奴隷にして自分たちの所有にしたんじゃないのかな。それもエッチな方向で。


(!!た、確かに、そうだった・・・)


エルフさんはそうなることも予想してた。だからそれさえ利用して、術を使ったんだと思う。お世話していたからこそドラゴンさんの力も理解できていたしね。だから『人』の中に、ドラゴンさんと通じる何かを植え付けた。それが聖女判定の元となる力になった。どう?


(キミって人は・・・)


当たってそうね、この考え方は。


(・・・どうして僕は分からなかったんだろう?エルフが性奴隷になって悔しかったのに、彼らはそれも予想して備えていたなんて。僕は・・・彼らが僕を呪って、苦しめるためにやったんだと思っていた)


エルフさんって自然と同化して生きる種族だって言ったよね。そんな穏やかな種族が呪いなんて真逆な事すると思うの?エルフさんに失礼じゃない!謝りなさい!!


(はいっ!すみませんでしたっ!!)


ん、よろしい。てところで、時間かな。今日も祈ってないから、また何か出るかな?それとも切られるかな~?


(!!た、頼むからっ!物騒なこといわないでぇ~~っ!!)


はいはい、またあしたね。



聖女爆誕(?)の真実が出てきました。本当の答えは時間の彼方ですが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ