Escape01 LINE
人はなぜ(受験)勉強するのか・・・。あなたは言えますか?
私はタイトルのとおり50歳。若いころは50歳ともなると相当なおばちゃん(笑)と思ってた頃は遥か過去のこととなってしまったことに気づくと気が遠くなりそうになっている。高校受験日当日、担任の先生と母がタクシーで私を受験会場まで送り届けてくれたことを思い出す。その時「ありがとうござました・・・・・すみませんでした」と思えなかった自分のことを・・・。
受験にぶつかっている人、中退を考えている人、この本を手に取ったのは何かの縁なのでしょう。どうぞ、ぜひこのまま読み進めてください、またはこの本のどこからでも構わないので読んで下さい。そして、その中であなたのほんのわずかな気付きになれたらと願っています。
それは、繁忙期が終わろうとする4月半ば、溜まりかけた仕事を片付けているときに、LINEのメッセージ着信音が鳴った。カバンの中から取り出したスマホの画面に、長女の彩からのコメントが画面に表示された。
"マミー、仕事が終わったら電話してね、恵と3人でLINE電話したい”
時計を見ると既に夕方の5時半を過ぎていた。もし、定時で帰るとなると残り時間は30分もない。私は今日中に終わらせたい書類に目を向けため息がでた。私は、まだ週の始めというのに仕事が溜まりかけている状況にストレスを感じそうになりながらも、彩からのLINEの"恵と3人でLINE電話したい"が気になるので、切りのいいところで終わらせようと思い、長女の彩にLINEの返事を返した。
"了解 (#^^#)"
気持ちを切り替え、溜まった書類を手に取り目の前に置きなおし、定時までの30分間足らずに集中した。
ふっと時計を目に入った。時間は30分以上が経ち、既に定時を5分ちょっとすぎていた。手元を見るとあと残り数枚・・・・・。10分もあれば終わらせられるはず。娘たちのLINEの内容が気になるけど、時間の約束していたわけではない・・・・。私は、一度定時で終わると決めたことを撤回して残り数枚となった書類に手を付けた。
娘たちのLINEの内容が気になるけど
LINEが鳴った。
慌ててスマホを握ると画面に表示された時間を見てビックリした。あれから20分近くも時間が経過してしまっていた。仕事だから仕方ない・・・。そう思い直しLINE画面を開いた。
"マミー、何時に終わる(・・?"
"もうすぐ、終わる あと片付けるだけだから・・・(^^ゞ"
10分で終わらせるつもりだったはずなのに、思うように進まないのが仕事の常と理解しているはずなのに、やってしまった感を感じながら、終わっていない手元の書類に付箋を貼りファイルに閉じ片付けた。「明日やろう」と心に決め、そっと閉じた。机の上から飲みかけのマグカップを手に取り、急ぎ足で給湯室に向かうと、まだ仕事を続けてるあずさちゃんに声をかけた。
私「まだ、帰らないの?」
「はい、私ももう帰ります。でも、10分ほど前に届いた問合せがあったので、返事だけ返して帰ろうと思ってました」
この会社に入社して約半年のあずさちゃんは礼儀正しい子といっても、私より一つ下なのに全然若い。
「そうなの?どんな内容???」
彼女のパソコン画面の前に座り、問い合わせの内容を読んだ。
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名前:きむら けいこ
電話番号:090-0000-00000
メールアドレス:abc@gmail.xx.xx
入居希望日:できればすぐ
見学希望日:4月16日 11時
気になる物件:パールカナディアンⅡ 206号室
その他の要望:1LDK以上の部屋を探しています
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「・・・・そう、明日ね。有香ちゃんは帰っちゃったよね・・・。念のために、明日案内が入ったので案内をお願いしますって、有香ちゃんにLINEお願いしてもいい?午前11時だから友香ちゃんが朝からきてバタバタしないでいいようにしておきたくて・・・」
「はい、そうしようと思っていました。」
「良かった。ありがとう。私は先に帰ろうと思うけど・・・・いいかなぁ?」
すると彼女が心配そうな顔をして言った。
「パールカナディアンⅡ 206号室が空き状況を確認したら、まだ入居中で案内が難しいようで・・・。」
「入居中なのね・・・。残念。案内できる類似物件の目途を今日中に探して置く必要があるよね。」
「はい、私もそう思って、地域と賃料など含めた類似物件を見てもらいたくて一覧の準備をしていたところです・・・。」
「一覧ね。助かる。どこまでできてるのかなぁ。途中かもしれないけどちょっと見せてもらえる?」
実は私は現在、不動産会社で賃貸の契約書類作成等とスタッフの管理をしている。この会社に勤めて一番勤務年数の長いのが私だ。
そして、問合せメールや電話等の窓口担当はあずさちゃん、物件の案内や賃貸物件管理等を担当するのが有香ちゃん藍子ちゃんと南ちゃんの3人がいてこの部署には私を入れて5人。つまり私は一応彼女らの上司になる。