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長い1日ー4ー3

どうして(餡掛けうどんにしたのか?)と言う質問に私は正直に思った事を答えた

『刹様の傷を治す為には自然治癒力を高めるべきだろうと思いました。うどんの出汁に使用している鰹などは気と血を補う作用があると言われているので(気)は霊力や魔力に繋がるかと思い それなら出汁を少しでも多く摂取して貰いたいなぁと でも出汁を全部飲めと言われても困るかと思って麺と絡めてみようと、あと天婦羅の舞茸は自然治癒力を高める効果があるので此方も出汁と供に食べて貰えればと思いました。あとお付きのお二人も疲れてそうだったので疲労回復の為にも出汁が良いかなぁと、そんな感じです』

と説明すると

『何故二人が疲れていると思った?』

と聞かれたので

『あっ、違いました?なんとなくですが紅さんが怒っていた時疲労からくるイライラみたいなため息混じりの様な感じがしたので少し意識して見たらお二人とも耳が垂れていたし毛並み?の艶も良くない様でしたのでそうかなあと勝手に思ってしまいました。すみません。』

『嫌、間違ってはいないよ。確かに我々は疲れていたんだ。でもそれは普通周りには気が付かれない。ましてや人間にはまず気ずかれない。メアリー、君は気が付いたかい?』

『いいえ。3人とも何時とかわらないと思っていましたわ、改めてスキル鑑定でもしないと霊力魔力の減少などわからないもの。』

『そういう事なんだ。確かに僕の事は傷がある為魔力も霊力も減少しているとは伝えていたけどまさか二人も疲労しているという事をなんとなくでも気付くとは 君は凄い能力を持っているね?それに魔力もだが霊力も桁外れにあるようだ。元の世界でも霊力があったのではないのかい?』

と言われて困ってしまった。なんとなく思っていた事を言ったのだがそれが普通じゃないと しかも霊力が桁外れと言われても

(本当になんとなく思っただけだから鑑定とか霊力といわれても……)

『えっと、鑑定?とか此方の能力の事はまだ良く分からないんですけど、元の世界では普通だったと思います。特別 霊やあやかしが見えるとかもなかったし、あっ、只何回かだけ親戚?にあたる人が亡くなった日だか前日だかにその人の夢を見た事はあります。あまり親しくない方だったので夢枕にしてはおかしいなぁと思いましたけど、それって霊力と関係ありますか?』

『うん。そうだね、関係はあると思うよ。君が意識をしていなかっただけで 元元霊力はあったのだろう。それでその方達が亡くなった時にたまたまアンテナがたっていて夢としてキャッチしたんだ、でなければ 親しくない者の死期をさとるのはかなりの能力者じゃないと出来ないからね。それにしても君は面白いなぁ、メアリー、まゆみを私達の国に国賓としてゆずってくれないかい?勿論彼女が幸せに暮らせる様万全を尽くすよ?』

『あらっ、駄目ですよ?まゆみさんはアオイの(生涯供にする婚姻相手)として召喚されたのですから。………まゆみさんの事が気に入ったんですね?…… あらっ、まぁ、と言う事は料理に魔力も霊力も備わっていたのかしら?』

『うん。それもある。確かにまゆみの料理には魔力も霊力も備わっているのだが、それだけではないんだ。視てくれっ』

と左腕の着物の袖を捲ると何とも生々しい傷が露になる。肘から手のひらにかけて長さ15センチほどの傷があり 幅2、3センチの傷口からは青白い炎の様なものが出ている。そしてその傷口の両端1、2センチ位は傷がふさがりかけている。その傷を見ながら刹様は

『いままで 霊力魔力を補っても回服薬や回復魔法を使っても治らなかったのに うどんを食べただけで傷も魔力の放出も小さくなっている。このまま まゆみの料理を食べ続ければ傷が治るかもしれない、まゆみの言う 自然治癒力の力が加わっているのだろう。本当に凄いよ ねぇまゆみ?』

とメアリー様に腕を見せると私に微笑みかけた、ニコニコと微笑むその笑顔は何か思い付いたという様な反論を許さないという様な微笑みで私が口を開く前に刹様が言葉を続ける。

『君がアオイの婚約者だから我が国には連れて帰れない。ならば暫くの間 私はこの国に滞在するよ。うん、アオイの邸宅はまだ沢山部屋があったね?そこにまゆみも住むのだろう?ならば私もそこに泊まるよ だから まゆみ 悪いが1日一回私に料理を振る舞ってくれないかい?…メアリー、それならイイだろう?』

と何とも楽しそうに爆弾発言をする。そしてその爆弾発言に対してメアリー様も、何とも楽しそうな笑顔で

『あらっ、楽しそう!私どもは構いませんわ。刹様とまゆみさんがイイのなら どうぞお好きなだけ滞在してください。』

と了承する。そのやり取りを聞いていた周りの皆は私を含めて全員が

『え~~~~~っ!』

と声をあげた。



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