うどん屋開業とその願い
豚汁うどんを振る舞ってから数日後の昼食後、真由美はレイ宰相からの呼び出しを受けた。
レイ宰相からなので執務室にと思いきやメアリー様のお部屋にと言われタブレット関係での事かと考えながら部屋まで着けば其処にはあやかし族の三人も真由美を待っていた。
「メアリー様失礼します。レイ宰相からの呼び出しで伺いましたけど此方で宜しかったのですよね?こんにちは刹様、銀さん、紅さん。レイ宰相、三人が来ているという事はうどん関係ですけか?この間の様に次のうどんも作ってみたいとかですか?」
以前に紅と銀には自分の現状を見てもらいたいと刹のお気に入りのうどんを皆に披露した事があった、前回の豚汁うどんもえらく気に入っていたみたいなのでもしかしてと聞いてみたが答えは違うようだった。
「こんにちは真由美。うどんの事で間違いはないけど今回はチョット違うんだ。今回はあやかし城で開業しているうどん屋を見て意見を聞きたいので遊びがてらにお願いできないかとお誘いに来たんだよ。外交としてでは無くご意見番の様な気楽な事ならば真由美も目立たないし、メアリーやアオイ達と来れるだろう?だからメアリーのお誘いと宰相のお許しをもらって真由美に声をかけてもらったという事なんだ。」
ニコニコと説明してくれる刹の言葉に続き銀行が補足していく。
「真由美さんの能力は今はあやかし族の者だけでは無くこの国の者にも知られてはいけません。もし知られてしまえば大きな混乱を生み多くの者が貴女の能力を欲して貴女だけでは無く貴女の回りの者を利用してでも奪おうとするかもしれない。外交としてうどん屋の仕事をするのでは多くの者を引き連れる事はできないし、メアリー様や、アオイ君達を毎回引き連れるのは不自然になります。なので共同経営者としてたまに遊びがてらに皆でうどんを食べに顔を出すという事ならば我が国とこの国の友好具合からもおかしくはないと判断して今回お願いに来ました。私達二人も師匠に腕前を披露する場は多々欲しいので此方の昼食会でそう頻繁にお願いすると他の弟子も師匠も披露出来なくなるでしょう?」
そう言いながら片目を綴じて笑みを浮かべれば紅も挑発的な笑みを浮かべる。
「まだまだ真由美には教えてもらわないといけないうどんや料理がありそうなのにその都度昼食に同じうどんを出したら皆飽きるだろうが?今回の豚汁うどんだって俺達とゼフ達が続いたら三回は続いちまうぞ?俺達は勉強になるからいーがメアリー様達には色んなもんを食わせたいだろ?」
あやかし族の三人からすれば今回の真由美の事態は予想外だったがなんとなく納得もした。
だがうどん屋開業を送らせる事は出来なく真由美抜きでも開業をして早目に城外に広めたい為 予定通り開業したのだが、やはり真由美の意見を聞きたいと共同経営というか此方の城での顧問の様な役職に着いて欲しいとレイ宰相含めメアリーに打診していたのだ。
「勿論報酬は出る様だけど暫くは私が必ず同行する事と私の能力を使って皆で共用する事を条件でOKしたわ。真由美ちゃんは必要以上にテレパスを切っているし、相手の環境などに同情して回りに開示しない場合がありそうだから。関係ない方達には悪いと思うけど貴女だけでは無く回りの者の為にもこれは譲れないのよ、勿論真由美ちゃんがそれが嫌なら今回限り能力開示条件の元遊びに行く事は許可するから遊びに行くだけにすれば良いし、それも嫌なら今回は見送って又の機会に向かったら良いわ。」
どうする?と首を傾げて真由美の顔を覗き込む様に真由美を心配しているが条件は譲らないという強い意思と優しさを感じ真由美は嬉しくもあり自分のしそうな事を見抜かれている事に苦笑いするしかなかった。
そんな回りの気づかいや優しさに答える前に一つ疑問に思った事を刹に聞いてみる。
「どうして開業も済んで順調に進んでいるのに私が必要なのか分からないのですが何か急ぐ必要があるのですか?一気に集客しようとすると負担する事が増えるのは分かっていて早急に集客する必要があるのですか?」
自分が遊びに行く事も顧問までしなくてもアイディアや意見を出す事は問題ないのにメアリーを同行させ能力開示までして自分を呼ぶ必要があるのかが疑問だった。
真由美自身が仕込んだ出汁ではなく召喚した出汁や材料で仕込んで作った物は多少なりとも回復力のある物が出来る、当初は回復力を弱めた物を主流にして真由美の能力入りの料理は限定した人向けにと考えられていたはずだ。
それなのに今この話が出るという事はその限定した人達が増えたか良い状態じゃない事になるのでないか?そう思った真由美の疑問は正解の様で刹達三人は回復力の強い料理を真由美以外でも作れる様に協力して欲しいとの事だった。




