小さな企み?の始動
うどんの日のお昼に豚汁うどんを食べたあやかし族の三人は豚汁の美味しさに感激し国でも広めたいとお土産に豚汁のみで仕込んでいた物を鍋ごと譲り受け国に帰るやいなやさっそく刹の子供や城の重鎮達に豚汁のみと豚汁うどんを振る舞った。
食べた皆も大層気に入り少しずつしか食べれなかったのでまだ食べたいと紅と銀に追加で作る様に迫った。
勿論紅も銀も自分達でも作って新しいお店のメニューに取り入れるつもりだったので快諾し材料を仕入れる為とレシピを渡す為に厨房に向かった。
「いやはや、真由美の料理は実に親しみやすさがありその上美味しい。僕の治療が無くても食べたい物ばかりだよ。お店の共同運営は無理でも監守としてでもたまには此方に来てもらう様に動いていこうかな。」
(今回のパールと真由美の能力の騒動がなければ今頃はあやかし城でのお店で週一回勤務を実現出来ていたのに残念でならない。子供達も真由美が来るのを楽しみにしていた分落胆が激しく今日の豚汁は非常に喜んだ。子供達の為にも紅や銀の為にも月一ででも遊びに来てもらう様に出来る事はしていこう。まずは明日にでもメアリーに相談しに行こうかな?)
子供達や重鎮達の反応を見て、外交としてでは招くのに問題だらけでも遊びならばと気持ちを切り替え真由美を招く準備を本格的に進めようと一人呟く刹に嬉しそうに笑顔で頷き微笑み合う子供達。
料理を食べさせて傷の治療が進み寿命の危険までも取り除いてくれた真由美の能力にはこの国の重鎮達ならず子供達も深く感謝していて、紅と銀の師匠として城の中でだけではあるが開業するし外交としてうどんを振る舞う準備をしていた。
今回は真由美の能力やパールの存在が知られると何が起こるか分からなくて断念したが開業だけは紅と銀が責任者として既に始動している。
まずまずの滑り出しではあるが爆発的な人気にはなっていないのは今後真由美を読んだ場合を考えればゆとりがあって良いのだと思う。
真由美が来て色々と指導してくれ客足も増える気がするし、真由美の存在があるだけで温かい気が流れ良い気が更に流れる気がする。
兎に角明日メアリーに相談し、いかなる場合でも真由美を守れる様に準備を進めるだけだ。
…まぁ、精霊と契約した状態では物理的には傷つける事は不可能だが、優しい真由美の性格が知られればまわりを利用し自分の懐に取り入れようとする者が出ないとも限らない。この国や麥の国の者は良くても他国の者と全く顔を会わせずすむとはおもわないからな。
ただ真由美に何かあれば僕達の怒りがどれだけ抑えられるか分からないし、僕達が抑えられる以前に回の者が許さないだろうが……
さぁ、明日からの楽しみが増えたしこの後は皆でこれからの計画を立てようか。




