長い1日ー4(突然の訪問者)
『この国を造った鬼』
が私に逢いに来た? どういう事だ?この国は初代の王様が造ったんじゃないのか?そもそも鬼ってこの世界にいるの?まぁ異世界なんだから種族が違くても当然なんだろうけど出逢った人達が魔法みたいな能力があったり妖精族とかだったりしていても人の姿をしているので人の世界だとそう勝手に思っていた。
そう考えているとアオイ君が説明をしてくれる
『刹様は鬼だが人の姿をしている。この世界にはイロイロな種族があり普通に魔獣もいる。魔獣族もいるし人型も居れば魔獣型もいる。刹様は初代王とこの国を一緒に造った方だ王にこの国を造り王になれと言った初代王の親友であやかし族の初代王で現在も一応王様だ。』
一応?という言葉に疑問があったが
そのままタカフミ君が説明私に逢いに来た理由を説明してくれたので後で聞こう、忘れなければ。
『刹様は召喚者の藍様という奥様がいらっしゃいました。その奥様は人間で二人の間にイロイロあり奥様の為に刹様が邪気に犯された同族のものによって傷を負わされました。その傷は完治しておらず傷から霊力がもれでてしまい放置すると刹様の寿命がどんどん減っていくのです。それを奥様は霊力の多く含んだ料理を作り食べてもらう事で寿命の減少を阻止しておられました、奥様は召喚能力で霊力と魔力を大量に含んだ料理を作る事が出来たのです。ですが20年前に奥様が亡くなりその料理を食べれなくなった刹様達は同じ召喚者なら料理に能力があるのではと考え召喚者に料理を作らせて回ったのです。 私も作らされましたが能力はありませんでした。今は霊力、魔力を回復魔法で保っているのですが、まゆみ様が召喚されたので一応確認する為に訪問されたのでしょう。心配する事はないと思います。はい。』
『とはいえ、召喚されて直ぐとは早過ぎるけどな。まぁ20年近く召喚者がいなかったから仕方たないかもしれんが、どうせ挨拶しに行かなければいけなかったからちょうどいい。余り待たせると周りがうるさいので さっさと行ってさっさと終わらせよう。』
とアオイ君が私を見て複雑そうな諦めた様な顔をして言った。
『せつ様が来てるの?メイも逢いに行く』
『りゅ~も、くく~』
とメイちゃんとルイ君が逢いたそうにしているので恐い人ではなさそうだ。早速二人も連れて刹様が待つ本城のメアリー様の部屋へと行く事にした。因みに私は小さな天使達とお昼寝もして仲良くなり二人から様付けで呼ぶなと言われたのでちゃん付け君付けで呼んでいる。
いくら家族の様に友好的な付き合いな相手でもあやかし族の王さまでこの国の建国者を待たせるのは悪いとあって馬車が用意されていた。確かに本城からこのお屋敷まで歩いて3、40分掛かった 普段は馬を使ったり 転移魔法を使ったりしていのだそうだ。今は魔法に慣れていない私がいるので馬車になったとの事だった。馬車でも慣れてないけどね。
そうして着いてそうそうに
『遅い!いつまで 刹様を待たせるつもりだ!このノロマども!』
と怒鳴られてしまった。
『まぁまぁ、紅、仕方ないじゃないですか、急に来たのは此方なんだから』
と赤い長い髪に赤い毛のふさふさした長いしっぽ?頭には赤い毛の耳?の様なものが付いている険しい顔だの若い男性と銀色の髪に銀色の耳?何本もの銀色のしっぽ?を持つ優しそうな男性がいる。その奥にテーブルを囲ってメアリー様とお茶を楽しんでいる短い髪の黒髪の颯爽とした和服姿のイケメン男性が居た。この方が 刹 様だろう、黒髪の頭には角の様な物があり 目は赤い色をしている。紅と呼ばれた男性は多分犬、その隣の銀色の男性は狐、しっぽが何本もあるという事は九尾かな?犬が赤で紅なら九尾は銀色で銀かな?
とか3人のイケメン男性を見て一人で考えていると
『ほほぅ、なかなか冷静な娘だな。しかも正解だ。流石その歳で召喚された事だけあるという事かな。』
とイケメン黒髪の鬼が笑いながら此方に来た。
『アオイ達にある程度は聞いているだろう?早速だか何か作ってくれないか?まゆみ。』
と声をかけられたので慌てて
『失礼しました。不躾な考えをしてしまいました。初めまして、小山まゆみと申します。私で良ければ何か作らさせて頂きます』
と頭を下げた。そんな私に黒髪の男性も
『いやいや此方も試す様な事をして済まない。顔を上げて?初めまして。私はあやかし族の王、刹という。後の二人は私の護衛で (紅)と(銀)だ、宜しく頼むよ』
となんとも気さくな感じでニコニコと微笑まれた。偉大な方だというのにそんな事を感じさせない笑顔と話し方に私はただただ驚くのとこの方はかなり凄い方だとなんとなく思った。ただ今は先にしないといけない事があるのでさっそくとりかかろうと 刹様に質問をする。
『早速ですが、どういった物がよろしいですか?私が作れる物といえば簡単な家庭料理とかとうどん料理位ですけど。』
と言うとメアリー様が
『うどん料理ならここでも作れるからうどんでいいんじゃない?ねぇ刹様?私達は明日の昼食に作ってもらう約束なのだけど刹様も食べてみたいでしょ?(うどん職人)のうどん料理。』
とニコニコして刹様を見る。そんなメアリー様に刹様もニコニコと微笑んで
『ほほぅ、うどん職人かぁ それは興味があるな、メアリー達はそんな約束をしてるのか?ならば僕もうどんを食べたいな。まゆみ 僕はうどんが食べたい、あと酒のつまみになるような物もほしいな、頼めるかい?』
とメアリー様と二人でニコニコと微笑み此方を見る。
(えっ、此処で?)とメアリー様を見ると彼女はイタズラっぽい可愛いらしい笑顔で頷いたので私は刹様を見て
『解りました。メアリー様の許可が下りましたので此方の部屋で作らせて頂きます。うどんとつまみは私の作れる物で何でも良いですか?何か嫌いな物や駄目な食材は有りませんか?』
と聞くと何もないので私に任せると言われた。なのでさっそくうどんを作る事になったのだ。




