パール視点
(うう、痛い、痛いよぉ、個々はどこ?母様どこ?母様…)
小さな生き物は痛みと疲労で目を覚ました。
自分の我が儘をやっと母親が許し一緒に姉の所に遊びにいくはずだった。
何度も何度も道中危険な場所があるのだから気をつけろと注意をされつつ、その為に今までイロイロ練習をしたのだから大丈夫!と自信満々に答えて母から手を放し隣に並んだまでは良かった。
ソロソロ危険な場所に近いからと又母にしがみつけと言われてしがみついたのだが全然大丈夫そうだと思って手の力を弱めた途端に大きな力で母から引き剥がされ母に声をかける間もなく体がぐるぐるまわり母を思う間も後悔する間もなく意識を落とした。
痛みで目が覚めだし後悔しても自分がどこにいるのか母がどこにいるのか全然わからない。
痛みと不安でどうしようもなく声にだして母を呼んでも返事はない。
そんな自分を包み込む暖かな体温、声が聞こえてきたかと思うと体の痛みが引いてくる。
痛みが引いてくると力も戻ってくるようか感覚があるのだが力が入らない、そこに又声が聞こえた。
『お腹がすいてるの?』
その優しい声に顔を上げると自分は声の主である人の手に抱かれていたのだ。
本来は自分から姿を表す意志を持たないと人には自分の姿は見えないと母から教わった、ならば今、この人の手の中に居るという事は力がかなり失われているのだろう。
初めて人に姿を見られた不安と力が失われている不安で泣きそうになるがどうした事かこの人の手の中は居心地が良くだんだん不安も安心に変わっていく、力になるものが欲しいと人の方に『力が欲しい』と小さな声で呟くと人は何か食べ物を出してくれた。
人がくれた食べ物を食べたら不思議と力が戻り早速人には見えなくしようとしたのだが人にはまだ見えるみたい、でも他の人は違うみたいでこの心地よい手を離れると他の人には見えなくなり手に戻ると見えるそう。
心地よい手の人は真由美と呼ばれていてとても優しい声に温もり、母の胸で寝る時の様に安心する。
でも他の人の手は温もりもなく真由美の手の中でないとそもそも自分に触れられないし見る事もできない、
真由美は母の様に優しいし安心するしご飯も美味しかった!力を失った自分は本来ならあのまま消滅する筈だった。
母から教わったから間違いないだろしもし母が助けに来てくれていても間にあってなかったと思う、なんとなくだけど自分はあのまま消滅する所を真由美に助けられたと確信して助けてくれた真由美とずっと一緒に居たいと思った。
『お名前ちょうだい!真由美と一緒に居たい!』
真由美と一緒に居るだけでなく今度は自分が彼女を守りたい!それなら契約すれば真由美を守れると真由美にお名前をねだった。
母から教えてもらった契約なら自分でも彼女を守れるはず、自分の姿が見える真由美なら声も聴こえるはず!
『ねぇ、暫く君と一緒に居る事になったんだけど、お名前つけてもいい?…………君のお名前…パールって…どう?』
やっぱり自分の声が聞こえたんだ!真由美がお名前をくれた。
これでずっと一緒に居て真由美を守る事ができるんだ!
『わーい!やったー!パールは今日からパールなの!ずっと真由美と一緒に居るの!』




