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真由美視点

ある日の午後私はレイ宰相と能力の勉強をしていた。

前回刹様達とあやかし族の国に外交として赴くという話をしていた時、何故か私の教育の話に変わり勉強内容が増える事になったのだ。

理由は多分皆が私の想像した妄想が危ない方向に向かっていたから心配してくれたのだろう。

自分を心配してくれるのは嬉しいが流石に思考力を奪うとかそんな大それた事は出来る訳がないじゃん!

そう思うのだが自分が危険な妄想をして皆に不安を与えたのだから素直に反省して授業を受ける事にした。

確かに自分が過激な事を考えたのは事実だしもし自分に力があれば現実に考えれば自分の感情を押さえれるか分からない、怒りで突発的に力を使い周りに害を与える可能性があるかもしれない。

こんな何処にでもいる様なおばさんであった私に優しく大切に思ってくれる皆を傷つける事はしたくはないしあってはならない。

もっと自分の感情を押さえれる様にも勉強は大切だ。

そう思い勉強する事にしたのだが

これが思ったより楽しくて仕方ない。

元の世界で読んでいた物語の世界、その知識がある私としては

(もしかしたら自分はチート能力があるのでは?)

ふと自分の能力の事を考えていた時に思い出したのは 異世界に召喚された者のほとんどがある意味チートであり、チート能力がない者でもその世界で自分を生かした生活をしていた事だった。

メアリー様は元の世界からの能力を使っているので最初からテレパスに特化していたし、たかふみ君も魔道師として召喚されたのでその他は使えないといっていたのだが私が思うのは彼女達もチート能力が少なからずあるのでは?だった。

彼女達は周りから先にこの世界ではこうだ!と教えてもらっていた為自分もそうだと思い込み実際に試して上手くいかない事で更に決めつけしまったのではなかろうか、

彼女達の時代には今の様にチートという言葉もなく 異世界転生や転移、異世界の冒険者等今の様に多種多様な話があまりなかったはず、

私の場合は異世界物語を数多く読んだ訳ではないがそれなりには読んでいて知識がある、この世界ではこうだと言われてももしかしてと思うほどには。

よって、本当はチート能力が使えるのに使えないと思い込んでいるのでは?と。

なのでメアリー様とたかふみ君には時間のある時に試してもらおうと思いつつまずは自分のチート具合を調べていこうと思っているのだ。

元々火傷や怪我の治りが人より早く良く人に自慢気にしていた事もあり

この世界で自分の料理に回復効果がある事には少しだがなんとなく納得した、でもテレパスとか超能力者ですか?なんて能力が使える時点で回復効果も魔力も霊力も全てにおいてチートにしか思えない。

そうなると自然に他の能力も使えるであろうと期待がもてるのだ。

例えば回復力がある料理ができるという事は同じ回復なので回復魔法?の様な事ができるだろうと…

そう思いながら試した回復魔法はすんなり発動した。

初めて召喚した時の様にこの人?生き物、この存在の怪我や見えない病等が治ります様にと思いながら手を近付けるとほのかな光が包み込み怪我等を治していく、詠唱などというものがあるらしいがいくら20代に若返ったとしてもすでに成人しているのだから流石に今から暗記は正直厳しいのでチートに甘える事にした。

様子を視に来ていたメアリー様やアオイ達は呆れていたが難なく上級までいけたので次の転移の説明を聞く。

流石に説明の途中、頭でシュミレーションしていたら部屋の隅に転移していたので慌ててレイ宰相の前に戻り笑って誤魔化した。

今日の授業は終わると告げるレイ宰相に挨拶をしていると窓の外からガサガサと音がして何やら生き物の泣き声が聴こた。

周りの皆は気にしていない様子だが私はなんだか気になるので窓の方へと近づくと大きな木の太い枝の上に白くてふわふわな毛をした小さな丸い生き物が弱々しく鳴いていた。

あまりにも小さく弱々し鳴き声に警戒心など抱く事も忘れ手を伸ばして持ちあげると暖かな体温が伝わりなんともいとおしく思えて自然と自分の腕に抱え込む、

(そういえば昔、こんな可愛い動物を飼いたいと思った事もあったなぁー)

などと考えながら生き物の様子を見ると毛は汚れ怪我をした様子なのですぐさま回復魔法で治療して汚れを落としてあげたいと浄化の魔法は使えるかな?と葉を取り除きながら毛を撫でると思った通りに浄化の魔法が使えた。

綺麗になった純白といえる程の真っ白な小さな生き物はまだまだ弱々しく鳴いているので

『もしかしてお腹が空いてるの?』

と声に出して考えいると生き物がそうだと言って気がしたのでミルクと食べ物を召喚し与えてみる事にしたら少しずつ弱々しく食べていた生き物がだんだんと元気になっていく。

元気に全てを食べ終えた小さな生き物を抱き抱え周りの皆が静かな事に気が付き周りを見回すと何故か呆然と此方を見て佇む皆の姿があった。


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