真由美の恐さ: 2
真由美以外の見た真由美の思想の映像、それはメアリーとアオイに対して化け物を見る様な視線と態度を送り2人をなきものにしようとした1人の男に対しての真由美の感情だった。
真由美はその男に対してあまりにも憤慨しその男を人として認めたくないと…人で無いなら感情はいらない、会話すら必要ないとその男の感情、会話能力、思考力を奪うという暴挙に出た。
そして暴挙に出た後、冷静になった真由美はその男に対して自分が犯してしまった人して許されないとんでもない事をした自分を責めた。
憤慨してしまったからといって1人の人間を自分の思いのままに変えてしまうなど自分こそ人ではないではないかと。
自分の愚かさを責め自分の感情や思考力を捨て自分をも廃人にしようとし、それだけでは駄目だと自らの生命をかけメアリーとアオイ達の能力を打ち消し、男の中のメアリー達に対しての思想や記憶を消し元の人に戻し力を全て自分の周りの人の為に使いきり自分の存在をなくすという信じられない映像だった。
…幸いなのはそれは想像でありその男と真由美は面識もない、すでにメアリーとアオイによって二度とこの国に来る事がないという事、現実では無いという事。
2人は真由美に能力に対しての回りの反応や自分達に起こる危険を教える為に実例としてこの男の事を話したのだが、その話を聞いた真由美が
無表情に微笑み目の奥に暗い光を灯しだし慌てて思想を読み出したメアリーがアオイとたかふみにも映像を送り2人が真っ青な顔で真由美を宥める事になったのだ。
メアリーとアオイ、たかふみが映像を見たのはここまでだがその後3人の思想も流れる。
アオイとたかふみが真由美を宥めるその間メアリーとアオイは自分達の思想を真由美に送る事は出来なかった。
いくら心に呼び掛けても映像を送り込もうとしても、映像すら出せ無い、それは真由美に能力を遮断されていたからであり自分達より真由美の能力の方が明らかに上だと思い知らされ、同時にもしかしたら今見ている映像も想像ではなく現実に起こりうる能力なのかもしれないと驚きと焦りを覚えた。
それと供に自分達の事をこんなにも想っていてくれる真由美に嬉しくもあり彼女を大切にしたいと深く思い 同時に真由美にこんな感情を与えない為、こんな能力を使わせない為、自分達がしっかり真由美を守っていかなければ、真由美が攻撃をした事でその後悲しみ自分を攻め真由美が居なくなる映像を現実にしてはならないと心に誓ったメアリーとアオイ、たかふみの3人の共通の気持ちと思想だった。
映像を見たレイ宰相は真由美の未知なる能力と真由美の人柄に驚き、刹達は更なる能力の可能性に呆れと納得、たかふみのかまかけに飄々と答える真由美に対しまだまだ問題が出て来そうだと遠い目をしていた。
そうして真由美の能力の可能性、感情の未熟さと激しさ、イロイロな意味での真由美の本当の恐さを本人以外の皆が共有したのだった。




