ため息
『ふふふふっ』
『ほっ!』
『ふふっ』
『ぶぶっ』
『ぷっ』
アオイとたかふみに反論していると回りから笑い声が聞こえ声の方へ視線を向けると苦笑いを浮かべた様な顔をしながら優しい目の大人達が真由美達若者3人を微笑ましそうに見ていた。
ここで一言いっておくが、あくまでも真由美の見た目は二十代の若者だ。
中身は40代でも少しずつ補正もかかって来ている。
刹や紅、銀、レイ宰相も見た目は二十代だが あやかしとエルフという実年齢はメアリーの見た目より遥かに年上なので大人達になる。
『流石、真由美ちゃんよねぇ!』
『本当にメアリー様のおっしゃるとうりの人柄ですね…』
『真由美は真由美だなっ』
『一本取られたなアオイ?』
『アオイも たかふみも まだまだですね…』
『『うっ、』』
反論してアオイとたかふみをタジタジにしている事に対してなのか真由美の考え方に対してなのかは分からないが大人達は真由美の意見に理解を示してくれている。
『た、確かに突然言われても自覚は持てないかもしれないけど危険な位凄い事だと聞かされれば少しは身構えるのが普通だ、真由美みたいにすぐに忘れてしまうような事はそれこそ危険なんだ!』
真由美の身の危険に繋がるからとそれでも苦言を示すアオイに
『そうです。真由美さんは自分の事になると全くと言っていいほどぞんざいになります、一度でもサラッと流そうものなら後はなかった事になりかねない、それこそ目の前で大怪我をしてお腹が空いた人がいたら回りに知らない人がどれだけ居ようと料理やうどん出汁を作る事に躊躇しないでしょう。そうなっては皆が真由美さんを守れなくなるから言ってるんです。今言っとかないと自覚を持たないでしょう?』
アオイの援護をする為必死に真由美やメアリー達に説明する たかふみ。
確かに たかふみの言う通り ここで真由美が自覚しないと大変な事になりかねない。
流石に一度流すとなかった事になるというのは考えもしなかったが一緒に暮らしている2人が言うのだから間違ってはいないだろう、元々自分の事に無頓着な所があるのは知っている大人達は たかふみの例え話を聞いてアオイとたかふみの言い分を受け入れた。
『うん、確かにアオイや たかふみの言う事が正しければ大問題になるね。そういう理由ならアオイの突っ込みも納得だよ』
『まぁ確かに真由美ちゃんは自己評価が低すぎる所はあるけどそこまで低いなら仕方ないわね。』
『真由美は自分を分かってないからな』
『自己評価の低い師匠ですからね……』
『一度真由美さん自身の能力を此方で把握して講義を行いましょう……』
先程まで真由美の味方であった大人達が今度はアオイ達の味方についた。
何故か初対面のレイ宰相までもがアオイ達の味方に付き講義を行うとまで言っいるし何故か皆残念そうな納得して遠い場所を観ているような顔で真由美を見る。
そんな大人達の反応にここぞとばかりにアオイが言葉を付け足した。
『因みにだけど、俺の突っ込みに反論した真由美の味方を皆がしたからすでに真由美の中ではなかった事になってるからな!あそこで真由美の中で納得する様にどんなに重要なのか言い聞かせられなかったんだから真由美の中ではなかった事になってるからな!俺達は突っ込んだけどそれを止めたのは皆なんだから皆がしっかり再教育してくれよ。』
流石にまさか今の少しの間だけで自分の能力の重大さをなかった事にはしていないだろうと思った大人達はアオイの投げやりな言葉を聞いた後真由美を見て目を見開いた。
(はっ?何の事?)みたいな顔をしてアオイを見ているその顔はまさしく自分の能力が重大な危険を伴う事など微塵も感じていない顔であったからだ。
そして皆、真由美以外の全員でため息をつく。
悲しい顔をした大人達がアオイ達を見るとアオイは深く頷き真由美を見つめる。
『え?何?どうかした?』
皆でため息をついた後アオイが頷き自分を見つめる、それは今までの流れで今回の件に関係してる事なのだろう。
何か厄介な事でも出てきたのかとアオイに訪ねる真由美。
『真由美、お前の能力は?』
『能力?えっと、能力はテレパスと 召喚?』
そう答えた途端皆の深いため息が部屋の中に響いた。




