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凄い効果


『では、改めて今回お呼び立てした件ですが、此方にいらっしゃる刹様から正式な外交の依頼がありました。』

自己紹介が終わったレイ宰相が本題を持ち出した。

レイ宰相の説明によれば刹様達の住むあやかし族の国に麥の国の正式な王族料理人顧問としての真由美の作るうどんを国の者達に食べさせて欲しいという話だった。

うどんなら 紅や銀が作り方を覚えたのだから2人が作れば問題ない様な気がするのだが 2人が作るうどんだと効果が少ないらしい。

『効果…ですか?』

(効果って、私のうどんって普通のうどんだよね?なんの効果?)

うどんに何の効果があるのか分からない真由美が聞き返しながら考えているとテレパスの公開が続いていたらしく刹様が答えてくれた。

『真由美の作るうどんは魔力の回復力と傷や病の回復力がずば抜けているんだよ。勿論真由美の作る食べ物は全て効果が高いのだが、うどんは特にずば抜けて高い。真由美の召喚してくれたうどん出汁も効果はあるし味もあまり変わらないのだけど、真由美が此方で作るうどん出汁はとても素晴らしい効果があるんだ。』

(そういえば刹様が初めてうどんを食べた時に魔力とか回復とか言ってたね、そもそも それで刹様達とルームシェアみたいな生活をしだしたんだった。あれっ?最初のうどんって召喚した出汁を使ってなかったっけ?)

刹の説明に納得して又新たな疑問が出るとその疑問にはメアリーが答えてくれた。

『そうなの。最初に召喚した出汁で作ったうどんで刹様の傷が回復しだしたから真由美ちゃんの料理を食べる為にこの国に滞在したでしょう?それで貴女がゼフ達に教える為に一から作った出汁でうどんも作ったわよね?アレを食べた刹様の傷はあっという間に消えてしまったんですって。私達もあのうどんを食べた頃から持病が治っていたのだけど うどん出汁の違いの効果だとは思ってなかったの、刹様がこの国に滞在していたいから皆に黙っていたらしくてハッキリしていなかったのよ。』

苦笑いのメアリーは刹の傷は本来消える事のない生涯持ち続けるしかない傷だと教えてくれた、真由美の料理を食べる事で傷口がふさがり魔力や霊力の漏れが防げる事だけでも凄く今まで過去に1人を除けば誰も出来なかった事だとも教えてくれた。

『唯一刹様の亡くなられた奥方様の料理だけが魔力や霊力を莫大に含んでいたのです。真由美様の料理は亡くなられた奥方と同じ効果があり、更に貴女のその場で作るうどんの出汁にはそれ以上に治癒力もあるそうです。

この治癒力の効果はこの場だけの秘密です。この力を他の者に知られると貴女が狙われてしまいます、その力を啓示し秘密にする代償にあやかし族の者に貴女の作る美味しいうどんを週に一度でも月に一度でもいいので紅殿や銀殿に講師しながら振る舞って欲しいという事なのです、勿論出汁は召喚した出汁ですけどね。』

レイ宰相が言うには刹様は治癒力の事を皆に言うつもりはなかったらしい。

他の王族の者だけでなく、真由美自身も気が付いておらず危うい事と今回紅や銀のうどんの御披露目で真由美の弟子である2人が定期的に国の者に真由美と共に振る舞う機会が作れればと思い立った事、それらが重なり立場的に外交として商談してみようと思ったと。

『だって 僕が真由美を国に呼びたくても麥の国としてはアオイの婚約者になるであろう女性を他所の国にホイホイ遊びに行かせられないだろう?だから断られない様にする為には外交として決めてしまった方がイイと思ったんだ。

だから真由美は気が向いた時に気楽に遊びに来てくれればイイだけで、あくまでも形式的だけだからね?』

そう言って微笑む刹と

『たまには俺らの国で一緒にうどんを作れ』

とふて腐れながら言う紅。

『私達の師匠でもあるのですからたまには我が国にも遊びに来てくださいね』

と笑ってない目で微笑む銀。

治癒力やら狙われて危ないとやら自分に関係が無さそうな話があった様な気がするが、3人が自分の国にも来て欲しいという気持ちは伝わって来たので嬉しくなる真由美にこの場で初めてのアオイの突っ込みが始まった。

『おい、こらっ、自分に関係無さそうじゃなくて、ま、さ、に、関係あるだろうが!お前の治癒力の効果がばれたら大変な騒ぎになるんだぞ!それこそお前の治癒力欲しさに拐われるかもしれないし、邪魔になるからと消そうとする奴も出てくるかもしれないんだぞ?それだけ凄い力を自分が持ってるっていうのに何で驚かないんだ?何で聞き流してるんだ?本当に分かってるのか?』

アオイもこの場で初めて聞いたのだろう治癒力の効果の凄さに興奮している様でちょっとうざい。

でも一緒に居る たかふみも興奮気味にコクコク頷きながらアオイの突っ込みを聞いているので本当に凄い事なのだろう。

『そんな事言われても。

…じゃぁアオイは貴方の人為的テレパスは聞いた相手の心の傷や外敵ストレスをも全て癒し凄い力があるのですって言われて、すぐに自分のテレパスの力は凄い事なんだって思う?今までしてたテレパスのどこに凄さがあるのか分かるの?美味しいって言われて凄いって言われて嬉しいけど、それより親しい人が自分を迎え入れてくれる気持ちの方が嬉しいしその気持ちに答えたいって思う方が先になるのは当たり前じゃない?』

そう反論しながらアオイと たかふみを見ていると回りから笑われてしまった。



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