天使の訪問
今日は朝から天使達がアオイ邸に遊びに来ている。
天使といっても本物の天使ではなくて天使のような可愛いらしいメイとルイの事である。
2人はこの国の第一王子のカイと妖精族のフレイアーの子供でアオイの姪と甥にあたる。
背中には妖精族の特徴である透明な羽根があり 可愛いらしい容姿の上に羽根まであればまさに天使と呼ぶに相応しい、そんな天使達が何故アオイ邸に遊びに来ているのかというと
刹やまゆみと遊ぶ約束をしていたのになかなか遊んでもらえないので押し掛けて来たという訳である。
妖精族は見た目と違いかなりの長寿な種族なので見た目より歳をとっている場合が多いらしいがメイとルイは見た目通りの年齢だ、母親が純粋な妖精族ではなくハーフであり父親が人族なので成長速度は人族とほぼ同じ位か少し早い位だという。
可愛い天使がいるだけでアオイ邸は普段より何倍も華やかに、賑やかに
皆楽しそうに 明るい笑い声が絶えない、そんな空気に包まれていた。
皆で遊んでご機嫌なメイとルイ、おやつは何が好きかという話しになり好きなおやつを次々あげていく2人
『プリン~、クッキー、ゼリー』
『ティコ~、アーしゅ、てーキ』
プリン、クッキー、ゼリー、チョコ、アイス、ケーキ、おやつは全部好きらしい
『あと まゆみが作ってくれたかりんとうも、あんにん?なんとかも美味しかったの!』
『の~』
皆で作った うどんのかりん糖やまゆみの作った杏仁豆腐も美味しいかったという2人にまゆみはある事を思いついた。
『そうだ、せっかくだから一緒におやつを作ろうか?』
そう2人に問いかけると2人は喜びキャッキャッと跳びはねまゆみに抱きつき顔を見上げる。
『メイ、まゆみと一緒に作る~!』
『りゅ~も~!』
喜ぶ天使と何を作ろうかと考えるまゆみ、
(おやつまでは少し時間があるけど今から調理場に変更を頼むには遅そ過ぎる、用意してくれたおやつも食べれて皆で作れる物。何がいいかな?)
何を作ろうかと考えるまゆみにルイからリクエストがはいる。
『りゅ~、ア~しゅがい~!』
アイスを食べたいと言い出したルイの意見にメイも賛同する、アイスは流石に作れないだろうと思ったアオイや刹達が他の物に変えるようにとメイやルイに声をかけようとした時
『うん。じゃぁアイスを作ろう!』
とまゆみが2人に笑いかける。
『大丈夫か?アイスなんてそんな簡単に作れるのか?』
アイスを手作りできると思っていないアオイが心配になり訪ねると大丈夫だと答えるまゆみ。
皆でダイニングに向かいまゆみは台所から調理道具とヨーグルト、生クリームと蜂蜜、砂糖を持って来た。
『では、早速アイスを作ります。今日はヨーグルトアイスにするのでまずはヨーグルトをボールに移しましょう!』
メイとルイに作業を中心的にしてもらう為まゆみは説明をしながら手助けをするだけにする。
ボールに移したヨーグルトは自家製なのか牛乳の味が濃くてとても美味しい、この濃厚なヨーグルトに蜂蜜と砂糖を加えよく交ぜる。
生クリームを加えて再びまぜ冷凍室に入れる、完全に凍らせる前に取り出し中身をまぜ、又冷凍室に入れ凍る前にかきまぜる。まぜて冷凍まぜて冷凍を4、5回繰り返し滑らかさが出れば出来る。
この世界の冷凍庫や冷蔵庫などの調理道具や調理器具は魔力や魔石などで出来ていてとても便利な使い方が出来る為 冷蔵庫に物をいれ(冷凍)と目的を言えば速冷凍される。
まゆみは(半冷凍)と唱え冷凍室に入れ 半冷凍になった物を
出しメイとルイにまぜてもらい又半冷凍にするという作業をして回数を調節する。
『うん。あと一回位で出来るかな、最後にまぜるのは私がしてもいいかな?』
盛り付けは又お願いするので一度だけ自分にまぜさせてとメイとルイにお願いし仕上がり具合を確認するまゆみ。
おやつの準備にとミツジとメイド達が訪れおやつが運ばれる。
アイスを器に盛り付けておやつの準備が終わった居間に運び皆に配る、
『このアイスはメイちゃんとルイ君が作ってくれたアイスです。ミツジさん達も是非食べて下さい』
2人の天使が作ったアイスを皆に食べてもらいたいと思ったまゆみは ミツジやメイド達にアイスをすすめた、ミツジ達は子供達が作ったと聞き喜んで食べてくれる。
自分達の作ったアイスが美味しくて喜ぶ天使達は皆から美味しいと誉められ更にご満悦の様だ、他のおやつも食べて嬉しそうにニコニコする。
『ま~み、りゅ~、またつく~!』
『メイもまた作りたいのですぅ!』
アイスが美味しいかったからなのか皆から誉められたからなのか 又作りたいと言う2人に(又作ろうネ)
と約束をするまゆみ。
アイス作りが楽しかったのか2人は終始ご機嫌でおやつをよく食べおやつの後も元気に遊ぶ、歌をうたいながら踊ったり、お絵描きをしたり、ビーチボールの様なボールで遊んだりとご機嫌で動き回る子供達、
昼食も沢山食べて再びアオイ邸に戻る頃には大人達の方が少し疲れている位だった。
今日は夕方までアオイ邸で過ごせる天使達はまだまだ遊びたいのだろうが、そろそろお昼寝の時間なので本を読む事にして絵本を読み聞かせる事にした。
絵本は元の世界にもあった、(○○太郎)こちらの世界にも同じ絵本がある事を知って ならば歌もあるのかな?と思ったまゆみは歌を歌ってみた。
『○○たろさん○○たろさん、お腰に……♪』
思っていた通り歌もあるらしく天使達も一緒に歌いだす。
2人が知っているならと ○○太郎、○○のお巡りさん、など自分の甥や姪達が小さい頃に歌ってあげていた歌を次々歌う。
途中から歌うのをやめて聞いていた2人の天使はまゆみの歌を聞きながら目を閉じそのまま眠りにつく。
2人が寝たのを確認して回りを見ると回りに居た皆も寝てしまっていたのでまゆみは居間を出て別室から
子供達用に布団を一組持って来て2人を布団に寝せ大人には薄手の毛布をかけていく、子供達がぐずると悪いので添い寝をするとまゆみもいつしか眠りについていた。




