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早起き

アオイ邸の朝食を用意する為台所の裏口からメイド達と食材などを運び込むミツジは朝から驚いた。

昨夜も遅くまで飲んでいたまゆみが台所でミツジ達を待っていたのだ。

ミツジは昨夜もまゆみ達より後で飲みだし、まゆみ達よりも先に飲めなくなり屋敷を後にしたのだがミツジよりも長く飲んでいたまゆみが何時もと変わらずニコニコの笑顔で朝早くから待っている、遅くまで飲んでいたので少し遅めの朝食になるだろうと思っていたミツジは驚きながら挨拶をする。

『まゆみちゃん おはようございます。今朝はどうしたの?まだ寝ていると思ってたけど、ひょっとして又何かあった?』

昨日の朝の事もあり心配になって訪ねると

『おはようございますミツジさん、アリーさん達もおはようございます。朝早くからありがとうございます。昨日ご迷惑をかけたし、今朝もアオイとたかふみ君が早めに目を覚ましてお腹をすかせるだろうと思って、朝食のお手伝いをする為に皆さんが来るのを待ってました。』

昨夜遅くまで飲んでいたとは思えない爽やかな笑顔のまゆみにミツジは内心(やはりビールに関しては笊だな)と思っているとまゆみから

『笊とかそういう事じゃないですからね?』

とすかさず突っ込みが入る。

どうして自分の考えが分かったのだろうと驚くミツジにまゆみは自分のテレパスの能力は王族以外秘密にする事を思いだし すぐさま誤魔化す

『ミツジさん、黙っているって事は私の事を笊だと思っていたんでしょう?昨日ちゃんと笊じゃないって証明したでしょ?あっ、それとも早く起きれてるのが不思議に思ったとか?起きてるのは元の世界での睡眠時間が短かったから習慣で目が覚めただけですよ?元の世界ではこちらの感覚で二時間から二時間半位かな、その感覚が残っているので早くに目が覚めるんです、今日は手伝いがしたかったからもう一度寝るのをやめて起きただけなんですよ?』

まゆみの話しで当てられた訳ではないと思ってくれたミツジ。

2人のやり取りを聞きながら荷物を運び込むアリー達メイド。

自分達もさっそく料理に取りかかろうと分担を決める

『頼んでおいた 琉球はありますか?ミツジさんは琉球に白胡麻と大葉を刻んだ物をまぜて仕上げておいてください。あと甘めの出汁巻き玉子があるといいかもしれませんね、で、私は昨日の残った野菜を使って野菜の出汁汁を作ります。』

とミツジには出汁巻き玉子と昨日ゼフに朝食用にと提案して作っておいてもらった琉球の仕上げを頼んだ。

琉球は元の世界のまゆみの地元、九州の大分県でよく食べられている料理で食べやすくきったぶりの身を醤油、みりん、酒などの調味料にしょうがのすりおろし、わさびなどを入れまぜておいた調味液に漬け込んでおいた物である。

元々漁師飯である調理法だが今では琉球用に切られた魚もスーパーでよく見かける。

琉球用でなくても残った刺身でも出来るし、ぶりでなくとも良いのでまゆみの家では刺身が残ると漬け込んで翌日の朝などに食べていた。

簡単に醤油としょうがだけとか、家庭によって味が違ったりするし琉球丼ではなく、( あつめし)と呼ぶ同じような料理もある。

そこまで料理に詳しいわけではないまゆみが自分の認識で琉球と呼ぶ料理、そのままおかずとして食べても丼として食べてもいいようにと提案し汁物は味噌汁ではなく出汁汁にしようと決めていたのだ。

うどん出汁としら出汁はゼフ達に渡して作り方の説明もしてあるのでアオイ邸の分の出汁だけを召喚する、夕食の鍋に使って残った野菜を小さめに刻み召喚したうどん出汁を味のついてない しら出汁で薄めてすまし汁位の味付けで汁を作り、そのまま味噌汁変わりとしても琉球丼にかけて食べてもよい用にして食べ方を工夫する。

箸休めに甘めの出汁巻き玉子を作ってもらい朝食の準備がおわる頃アオイとたかふみが起きて来た。

メイドさんの知らせを聞きアオイとたかふみを呼びに居間に向かう。

予想していた通り2人はお腹が空いて目が覚めたのだろう、メイドにコーヒーと軽くつまめるお菓子を頼んでいた。

『アオイ、たかふみ君、おはよう!朝ごはん出来てるから先に食べたら?』

そう声をかけると自分達より早く起きているまゆみに驚く2人

『『おはよう』』

『何故もう起きている?』

『まゆみさんもあれからすぐ寝てしまわれたんですか?』

挨拶をした2人は同時に疑問を投げ掛ける、そんな2人にまゆみは

『あれからすぐには寝てないよ?今日は朝食のお手伝いをしようと思っていたから皆より早く起きただけ』

と平然と答えるまゆみに2人はミツジと同じように

(やはり)と考えだしたのですぐさま否定するまゆみ。

『違うからね、笊じゃないからね』

考え初めたそばからまゆみに突っ込まれ考えを止める2人、2人を交互に見て ミツジに説明した様に睡眠時間が短いのに慣れているだけだと説明し唇を尖らせるまゆみ。

『昨日納得したんじゃなかったの?ミツジさんといい、アオイもたかふみ君もまだ私が笊だと思ってるの?』

(そんなに笊だと思われるなら納得してもらう為にビールはやめてしばらくお酒だけにしようかな、ビールも飲みたいけど仕方ない)

アオイ達がまだ笊だと疑っているのでしばらくビールはやめ酒にしようと考えるまゆみに慌てて弁解するアオイ

酒を飲んだまゆみの姿を他の男に見せたくないアオイは咄嗟の弁解しようとしてつい本音をもらしそうになる

『駄目だ!あれは、』

『あれ?』

『いや、違うなんでもない、あれではなく 笊とか思っていないと言いたいんだ。今のやはりとはやはり、やはりまゆみには笑顔が似合うなと思っていただけだ。たかふみも昨日の朝の事を思い出して同じ事を思ったんだろう。違うか?たかふみ。』

助けを求めたかふみを見るアオイにたかふみは頷きながら答える。

『そうなんです。私もまゆみさんには何時も笑顔でいてもらいたいと思っています。なので、やはりまゆみさんには笑っていてほしいと思っていただけです。』

アオイがまゆみの考えを読んで焦って弁解しているとわかるたかふみはとりあえず笊と思っていないという事をまゆみに伝える。

思っていないならと機嫌をなおしたまゆみは朝食を食べる為ダイニングに行こうと2人を誘い3人でダイニングに向かった。

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