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ソファーでお昼寝

おやつを済ませ昼寝をする為にアオイ邸に戻ったまゆみは鼻歌を歌いながら居間に向かう。

朝はあんなに落ち込んでいたのに今は凄く楽しそうである。

『夕食楽しみだなぁ。』

おやつを食べたばかりだというのに夕食の事を考えているまゆみ、お腹が空いている訳ではない。

まゆみの提案でぶりしゃぶにする事になった夕食のメニューは知っている、なら何が楽しみなのかといえば ゼフの質問に細かく答えたまゆみに対して、あとは自分達に任せておけと言った料理人達がどういう形で仕上げてくるのか プロの料理人である彼らの作る鍋料理がどういう物になるのかが楽しみなのである。

夕食やおやつ、昼食やうどん、さまざまなアレンジなど料理の事を考えるのは楽しいので好きだしたまに失敗はするが自分で作るのも好きなのでアレンジを考えたりメニューを考えたり料理の手伝いが出来るのは

大変楽しい。

この世界の事も勉強をしないといけないのだが、刹に料理をする事、週に一度はうどんを作る事が決まった上 調理場に好きな時に出入りして良いと言われれば嬉しくない訳がない。

何もする事が無くてうだうだ考え事をするより楽しい料理の事を考えられる時間が出来た事が嬉しくてニコニコしながら自分で紅茶を用意してアオイ達が戻るのを待つ。

(まだ帰れないのかな?)

昼前にお互いに謝罪してわだかまりがとれた後、アオイ邸の皆とは余り話しが出来ていない。

せっかく仲直り?が出来たのだから皆の帰りを待って 皆のお出迎えをしたかった。

(早く帰って来ないかなぁ~)

と少し眠くなりながら紅茶を飲む。


刹とアオイ達がメアリー達のお説教から開放されアオイ邸に戻ったのはまゆみが戻って30分位後だった。

少し、いや かなり疲れていた五人は何も喋らず自然と居間に行く。

居間に入った所で皆 ソファーを見て動きを止める。

そこには自分達を待っていたであろうまゆみが体を丸くしてクッションを抱きしめたまま眠ってしまっている。

テーブルの横には皆に紅茶を煎れようと思っていたのかカップなどが用意されていた。

自分の分の紅茶を飲みながらソファーの上で両足をまげ クッションを間に抱き込む形で両足を抱えていたのだろう、そのままの形で横になっている。

なんとも幸せそうな顔をして少し微笑んでいるような寝顔に皆は笑みを浮かべる。

朝から自室にいた彼女は傷いて泣いていたと聞いていたので 自分達の謝罪を受け入れてくれ笑顔を見せてくれた時は皆ほっとした。

昼食の時もおやつの時も普段と変わらず笑顔だったが自分達とはあまり話しが出来ていなかった、だから彼女は自室に戻って昼寝をせずに居間で自分達の帰りを待つ事にしたのだろう、そんな彼女を傷つけた自分達の言動に再び反省するアオイ達。

まゆみの可愛い寝顔を見ていたいがソファーで寝たまま風邪でもひいたら困るので起こそうとしたのだが、

あまりにも幸せそうに眠っているまゆみを起こすのは忍びないとその場で寝かしておく事にした。

毛布を持って来たアオイが毛布をかえていると寝言だろう

『皆、お帰…い』

と呟き微笑むまゆみ、その微笑みを見ながら皆は紅茶を静かに用意し、静かに飲んだ。


暖かくて自分の回りの雰囲気が先程までと違う優しい空気になっているように感じた事でふと目を覚ましたまゆみは自分が寝てしまった事に気がついた。

暖かく感じたのは毛布がかけられていて、雰囲気が違うのは自分一人ではなく皆が帰って来ていたからだ。

ゆっくりと起き上がり回りを見ると皆がソファーに座っていた。

皆を見回し小さな声で声をかける

『お帰りなさい。』

笑顔になりながら音をたてないように立ち上がり居間から姿を消す

4枚の毛布を持ち 戻ってきたまゆみは自分にかけられていた毛布を同じソファーで寝ているアオイにかけ、持って来た毛布を一人一人にそっとかけていく。

帰って来て居間にいる自分を見つけ毛布をかけてくれたのだろう、何故そのまま皆ソファーで寝ているのかわからないが皆の為にと用意していた紅茶を飲んでくれている。

多分自分の為に紅茶を飲んでくれたであろう皆の優しさが嬉しい。

疲れて眠ってしまったであろう皆を起こさない様にと少しずつゆっくり静かに居間を出て自室に戻る。

部屋に戻ってシャワーを浴び あまり可愛いデザインではなくシンプルなデザインでおとなしい色のワンピースを探す。

(城の人達はジーパンとかズボンとか履かないよね~、まだスカートは落ち着かないけど慣れないとね。)

と頭の中で考えながらおとなしい色のワンピースに着替える。

居間に戻って皆を起こさない様にカップをさげ洗い者を済ませて皆が目を覚ました時にとコーヒーの準備をする。

準備を済ませカップを運びコーヒー

を入れたサーバーを持ち込むとコーヒーの香りが部屋の中に広がる。(あっ、しまった。匂いで起きちゃうかもしれない)

そう気がついたが遅かった、コーヒーの香りに刹が目を覚まし、アオイやたかふみも目を覚ます。

三人が動き出すとその気配で紅や銀も起き出した。

『ごめんなさい起こしちゃいましたね?』

と言いながらテーブルに近づきコーヒーの用意をするまゆみ。

そしてコーヒーを用意するまゆみを見つめる五人、

『皆さんおはようございます、そしてお帰りなさい。目覚めのコーヒーをどうぞ』

と頭がまわっていないであろう五人に笑いながらコーヒーを入れ自分の分を入れてソファーに座る。

まゆみがコーヒーに口をつけると皆からぽつぽつと声がかかる。

『ただいま』

『おはよう』

『いただきます』

『ありがとう』

『ああ、良い香りだ』

コーヒーを飲み完全に目の覚めた五人は自分達までソファーで寝てしまった事に照れながらもまゆみに待っていてくれたお礼とただいまの挨拶をして目覚めの挨拶もした、そして

『まゆみも、お帰り。そしておはよう』

と言うと笑顔でまゆみを見つめる五人、先に帰って来ていた自分にもお帰りと言ってくれた皆の気づかいに

嬉しくなるまゆみ。

『ただいまです。そしておはようございます』

と笑顔で答えて皆を見回す。



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