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おやつ会議 2

おやつのメインを決め、そのメインに合うその他を決めようとまゆみに意見を求めたゼフは今呆れたような、仕方がないなというような、それでも可愛いと思う小さな子供を見るような目でまゆみを見ている。

彼女は中華風にまとめたらいいのでは?と言い、何かわからない飲茶?とか点心?とか言いながら一人で思いつく物をあげていき自分の想像した物に美味しいそうだとこれ又一人で楽しそうに笑っている。

その姿は新しい物を求める自分達と同じ料理への愛着を感じるのだが、

無邪気に美味しそうだと喜ぶ子供のようでもある。

回りの皆がわかってない事などお構い無しに一人で想像するまゆみにゼフは声をかけた。

『嬢ちゃん、嬢ちゃん、美味しそうなのはいいんだが、俺達にも分かる様に説明してくれないか?』

まゆみのおでこをつつきながら妄想から引き戻すとまゆみはやっと皆が理解してない事に気づき説明をする

『飲茶と言うのは中国の文化でおやつ変りの様な軽食?の事です。私も正確な事は知らないし、実際に食べに行った事はないんで、適当なんですけど、中国のお茶と一緒に点心という軽食を食べる、点心は中華まんや小籠包、焼売など小さな蒸篭で作る軽食の事だったと思います。小さな蒸篭をいくつか重ね蒸されたイロイロな種類の物を楽しみます。杏仁豆腐も元は中華料理だと思うので、点心料理と一緒に中国茶を出して全体的に中華風にするのも面白いかなぁと』

まゆみの説明はとても興味の引く事で早速試そうと興奮するゼフ

『なんだそれ、面白いじゃないか?中国風にまとめるのも面白いな。食事で中華にする事はあっても、おやつまでは発想がいかなかった。やっぱり嬢ちゃんに相談して良かったよ!ありがとうなっ!』

とまゆみの頭をわしゃわしゃと撫でる。

役に立てて嬉しいですと言うまゆみにオリジナルの杏仁豆腐とシロップタイプという杏仁豆腐の作り方を聞き、点心の種類やどう提供するのかなど詳しく訪ね一緒におやつ作りを手伝ってくれと頼む。

まゆみに手伝ってもらいながら杏仁豆腐を作り皆で味見をするととても美味しかった。

『嬢ちゃん、これ、旨いな!プリンの様なやわらかさに杏仁豆腐の濃い味。癖になりそうな旨さだ。これなら皆さんも喜んでくれるだろう。シロップの方もいつもと違って爽やかさがあって どんどん食べたくなるし、杏仁豆腐だけでも十分な位だ。こんな旨い杏仁豆腐を作れるくせにお菓子は詳しくないなんて本当に信じられんぞ!』

と今度はまゆみの頬をつまむゼフ

『ふへぇ?』

ととぼけた顔をするまゆみに笑顔を向け

『本当に料理人として厨房に欲しいよ。なぁ嬢ちゃん、調理場の方に来ないか?嬢ちゃんがその気になればすぐ王族専門の料理人になれる。料理人が嫌なら手伝うだけでもいい、俺達と一緒にイロイロ作ってくれないか?』

今までのまゆみの発想、うどん料理の味、この杏仁豆腐の味、どれをとっても自分と同じ、嫌 自分より上の料理人になるだろうまゆみをなんとか調理場に引き入れたいゼフは真剣だ、ミツジ達他の料理人も是非まゆみに手伝って欲しいと訴えた。

『素人の私なんかが料理人になんておこがましいです。今日みたいにお手伝いする位がやっとで料理なんてとても、皆さんと作業するのは楽しいし、勉強になるのでお邪魔にならない程度でしたらいつでも呼んで下さい。でも私が勝手に決める事ではないのでメアリー様に相談してみないと。あとアオイ邸の皆にも。』

自分は素人だからと遠慮するまゆみ

確かに料理人になるには包丁使いなど基本的な技術も必要になる。

技術的な部分を見て自分は料理人ではないと言うのだろう、だがゼフには諦められない、手伝いでもいいと言うならと言うまゆみを何が何でも欲しい。

なのでメアリーの許可を必ず取ると心に決めて改めてまゆみに確認する

『よしっ、嬢ちゃん。メアリー様が許可を出せば手伝ってくれるんだな?約束だぞ?許可は俺が取るから安心しろ。嬢ちゃんは好きな時に調理場に来てくれればいい。それでいいな?』

まゆみとミツジ達に再確認をしニカッと笑うゼフ、

『よしっ!早速ホールにおやつを持って行くぞ』

やる気満々のゼフがホールにと言うとまゆみから何故ホール?と聞かれ

『場所の指示がなかったからな。多分メアリー様も他の方もホールにいるはずだ。』

???という顔をするまゆみを連れて再びホールに戻るとやはり皆ホールにいた。

まゆみに心ない発言をしたアオイ邸の男共にメアリー含め王族の皆が説教をしていたのだ、まゆみには気づかれない様にとゼフ達にまゆみを託したメアリー達は昔から説教をしだすと長いのだ、へたしたら1日近く説教をする事がある。

ゼフの言う通り皆がホールに居る事に驚いたまゆみは

『本当だ。皆さんどうしたんですか?もしかしてお昼からずっとこちらに?もしかして、お邪魔してしまいましたか?どうしようゼフさん、私達邪魔してしまったんじゃ?』

と皆に話しかけながら不安に思ったのか皆とゼフを交互に見るまゆみ。

まゆみの頭に大丈夫だと手をおき

『今日のおやつは嬢ちゃんの作った新しい杏仁豆腐です。その杏仁豆腐に合わせて嬢ちゃん監修で新しく提供する中華飲茶です』

そうゼフがつげるとメアリー達の目の色が変わる。

『まぁ、まゆみさんの?相談だけでなくまゆみさん自身も作ってくれたの?楽しみだわ。早速頂きましょう?』

とゼフの言葉に食いついたメアリーが今すぐおやつを食べると言いだしたので邪魔した訳じゃないのかな?と思い安心するまゆみの頭をわしゃわしゃとしウインクするゼフ、二人は笑い合いミツジとメイドさん達と急いでおやつの用意をする事にした。

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