おやつ会議
『調理場に行っておやつのメニューの相談にのってあげてくれない?』
とメアリー様から頼まれ再びゼフ親子と調理場に向かうまゆみ。
調理場に着くと料理人達とおやつのメニューを考える。
『何時同じ様な物ばかりだから嬢ちゃんの知恵を借りたくてな。何かかわった物を出したいんだ』
とゼフがまゆみに意見を求めた。
『うーん、変わった物といわれてもお菓子は基本的にお店で出す物や試しに作ったものしか作り方を知らないです』
と正直にあまり詳しくないと伝えると何を作っていたのかと聞かれ
『えっと、オリジナルムースに、オリジナル杏仁豆腐、かりん糖に大学芋、ハチばたポテトに栗羊羹、後はおはぎに抹茶プリン、抹茶ムース、コーヒーわらび餅、ミルクプリン、カボチャプリン、フルーツゼリー、ヨーグルトアイス、黒ごまプリン、えっと、あとさつまいもボール、そんなもんかな?』
と思い着く物を言ってゼフを見ると呆れた顔でこちらを見ている
『それだけ作っててあまり知らない?十分知ってるじゃないか。』
とおでこをつつかれた。
??っとミツジや他の料理人を見ると皆もゼフと同意見という風に頷きながこちらを見ている。
『まずは何から聞くかな、オリジナルムースとはどんな味だ?後オリジナル杏仁豆腐は普通の杏仁豆腐と違うのか?』
手始めにこの二つの説明からしてくれと頼まれ説明をする
『オリジナルムースは普通のミルク味のムースにブルーベリージャムとレモン、生クリームを加えて上からブルーベリーソースをかけた物です。杏仁豆腐は普通より濃くやわらかくする為、コンデンスミルク、生クリーム等を加えカシスソースをかけた物です』
『それだよ!』
とゼフがいきなり興奮する。
何がそれなのかわからないまゆみが『それ?どれ?』
と回りを見るとため息をつくゼフ、笑いだすミツジや料理人、ますますわからないと皆を見るまゆみに
『嬢ちゃんのその発想、普通に何とどれを加えて、その発想を俺達は欲しいんだよ。』
まゆみの頭をわしゃわしゃ撫で回し(それ)の意味を伝えるゼフ、それでもあまり理解してないまゆみにミツジが説明する。
『俺達が知らないお菓子でなくてもいいんです。パスタのように出来あがった物に何か足すとか、作る時に何か加えていつもと少し違う味や食感にする。その知恵を教えてほしいのです』
ミツジの説明でやっと理解したまゆみにゼフはそういう事だと頷く。
『そういう事でしたらお手伝い出来るかもしれません。えっと、何から始めます?』
とゼフに具体的なお菓子の提示を求めるとゼフはまずプリンの名をあげた。
『プリンですか?プリンでしたら普通にプリンアラモード、ミルクプリン、カボチャプリン、抹茶プリン、さつまいもプリン、黒ごま、コーヒー、どら焼、タルト、大福、…』
『ちょっ、待った、待ってくれ』
思いついた物をあげている途中でゼフからとめられた。
『プリンだぞ?プリンにそんなに種類があるのか?それにどら焼とかタルトとか違うお菓子が出てきたぞ。』
と種類がある事と違うお菓子の名前を出したのでとめられたまゆみは
『思い着く物だとこの位ですけど最近は○○味という感じでイロイロ新しいプリンが次々出てたし、プリンの固さでもイロイロと工夫されていました、固さも種類に含めたらまだまだ全部じゃないですよ?どら焼とかは違うお菓子じゃなくて、どら焼の間にプリンをはさんだ物、タルト生地にプリン液を流して焼きあげたものです。後なんだっけ?、あっ、大福は大福の中身がプリンなんです。こういう事が知りたいんですよね?』
不安になったまゆみがゼフに聞くとゼフは呆れたという様に
『プリンだけでもそんなに種類があるなんて嬢ちゃんの世界はどんだけ食べ物があるんだ。世界中の食べ物の数を考えたら恐ろしい数だな。只料理人としては夢のようだ』
と段々と目をぎらつかせていく。
皆にメモをとったか確認し一つずつ順番に作っていくぞと言うと
『とりあえずプリンはこの位で、次はケーキだ』
とつぎのお題を出す
『ケーキですか?ケーキは又難しいですね、名前を覚えてないのでつたわるかな?とりあえずショートケーキでしょ?チョコレートケーキ、ヘーゼルナッツチョコケーキ、モンブランにミルフィーユ、フルーツケーキに抹茶ケーキ、ベリーに栗、カボチャクリームにバターケーキ、生ロールにフルーツロール、チョコロール、イチゴロール、コーヒーロール、抹茶ロール、タルトケーキに
カボチャタルト、フルーツタルト、…』
『もういいぞ嬢ちゃん、プリンよりきりがないとわかったから』
とこれ又途中でとめられた。
今度は突っ込みではなくとんでもなく種類があるのがわかったからの様だった。
一つの物でもとんでもない数のアイディアを出すまゆみにただただ驚く料理人達、とりあえず今日は皆が食べた事のないような物を出して皆の反応を見てみたいと言うゼフの提案でまゆみの作るオリジナル杏仁豆腐を中心にメニューを組み立てていく事になり、それに合うものの意見を聞かれた
『杏仁豆腐を出すなら中華風のものを入れても面白いですよね?ごま団子とか杏仁豆腐でもシロップで食べるタイプも出してみるとか、あっ、マンゴープリンもいいですね、後はサンドイッチのかわりに飲茶の様に点心にして、中華まんをだしたり、焼売をだしたり、』
などと中華の物をイメージしてイロイロな案を口に出し美味しそうだと笑いながら一人想像するまゆみには料理人達にイメージが伝わっていない事などわかっていなかった。




