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反省

異世界に召喚されてもうすぐ丸2日(日本では4日)早くも気持ちが

沈んでしまった私、小山真由美。

ただでさえ異世界に召喚されて何もわからないのに王族の住む場所で王族達に囲まれ生活していく事となり、少しでも早くこの世界より先に この生活や王族の皆、その王族の皆の中でも同じ屋敷に住む住人と、なるべく身近な存在になるであろう人達と仲良くなろう、早く馴染もうと急ぎ過ぎたのかもしれない。

せっかく夕べは親睦会も行われ楽しくお酒を飲み、いい感じになってきたと思ったのだが、世の中そんな甘くない。

当たり前だが 昨日や一昨日出会った見ず知らずの女がたかだか2日位で皆の中に馴染める訳もない。

そんな事は分かっている、分かっているのに自分がどんな男にでも簡単に抱き着つかれる、そういう行為をする男好きの遊び人の女だと思われた事にショックを受けた。

確かに自分だって女だ、性的に言えば女性より男性がいい。

若い頃にも実際に相手がいなくても遊んでいるように見られたし、経験豊かに見られた。

経験も少なく遊びなれていなくても

遊びなれているように見られるのは別に嫌じゃなかった。

でも今は、この世界に召喚されて皆と仲良くなろう、自分を受け入れてもらえるか 自分が皆を受け入れられるのか それだけを考え元の世界の事も考えないようにしていた (今だけは)そんな風に見られたくなかった。

でも自分が悪いのだろう、皆が誤解する様な言動を自分がとったのだ。

よく考えれば昨日だって飲んでる時に刹様が添い寝とかそれ以外とか言ってたし、夕方も温泉で鉢合わせた時も騒がずスルーしたし、アオイやたかふみ君の前で肌着のままで2人を招き入れたし、イロイロやらかしすぎてるわ私、そりゃぁ、そう見られるわ。

年甲斐もなくイロイロショックを受けたり考えたり、慣れない場所に来たからかな?

関係性なんて時間がかかるに決まってるのに何を焦っていたのか、

『ふっ、馬鹿だね、何急いでたんだか、もういいっ!リセット!ゆっくりでいい!』

そう口に出して気持ちを切り替えた。

そうして一人これからの事を考え直そうと思っていたらドアの方から声がきこえる。

『ミツジです。朝食をお持ちしました、入ってよろしいでしょうか?』

そういえばミツジさんに朝食はと聞かれて部屋に持って来てもらえるよう頼んでおいたのだった。

『はい、今開けます』

と答えながら急いでドアまで行きドアを開ける、朝食を大きなトレーに乗せ両手のふさがったミツジさんを部屋に招き入れながらお礼を言う。

『すみませんミツジさん、部屋に持って来てとか我が儘を聞いて下さりありがとうございます。』

と笑顔でお礼を言うと何故か眉毛を下げ泣きそうな顔をしている。

『これ位おやすいごようです。まゆみちゃんこそありがとうございます、うどんの本、本当に嬉しかったです!』

と台所に置いておいた本のお礼を言われた。

『良かった、あれはあれでお店によって作り方が違うし 自分がどういう麺やどういう味を目指すのかの参考になるかと思って、喜んでもらえたなら嬉しいです。ゼフさんには又違う本をお渡しするのであの本は良かったらミツジさんが持っていて下さい』

本のお礼を言われた事が嬉しくて笑顔でそう伝えるとますます泣きそうな顔になるミツジさん。

『ミツジさん?どうかしました?どこか具合でも悪いんですか?』

そう訪ねるがミツジはなんでもないと首を振る、あまり深くは追求できないまま、お昼の打ち合わせをしてミツジさんは部屋を出ていった。

今日はゼフさんとミツジさんに麺を打ってもらい ゼフさん、ミツジさん、私、の打った麺の食べ比べをしてもらおうと思っているので早めにホールへ行かなければならない。

と言っても此方の世界の30分位あれば十分なのだがせっかくなのでイロイロ聞きたいと言うゼフさんの代わりにミツジさんが11時前に迎えに来てくれる事になった。

それまで部屋でゆっくりしていて下さいと、言われたので大人しく部屋にいる事にした。

朝食をゆっくり食べ、食後に紅茶を飲み する事がないと思いスマフォをいじると本が読める事がわかったので本を読む事にする。

無料で漫画や小説が読めるアプリで私は読み放題の月額会員になっていた、新しく更新はされていないし、此方から購入はできないが読み放題の分は読めるみたいだったので適当に目にとまった小さな子供達を高校生の男の子がベビーシッターとしてお世話する話の漫画を読む。

両親に先立たれ高校生のお兄ちゃんとまだ小さな弟の2人の主人公、読み初めからボロボロ涙を流し一巻を読む、読んでいる途中でメイドさんが食器を下げに来てくれたのだがスマフォを隠すのと涙を拭くのを同時にしたため泣き顔を見られてしまい

『ごめんなさい、食後で眠たくてあくびが止まらないの。泣いてた訳じゃないから気にしないで?』

と誤魔化したのだが、微妙な顔をされた。

私は涙腺が弱いので漫画でもドラマでもすぐ泣いてしまう、自分の事ではなく他の事で涙を流すのはストレス発散にいいと聞いた事があるので休みの日にはよく本を読んだりしてストレス発散しているのだ。

人に泣き顔を見られるのは誤解をされると思い漫画を読むのはやめてスッキリする為部屋のバスルームに向かいお風呂の用意をする。

お湯が半分位溜まったら置いてあった入浴剤を入れ半身浴をしながらお湯を足す、ゆっくりじっくり時間をかけて一時間位お風呂を楽しんだ。

お風呂から上がると丁度おやつの時間だったのかミツジさんの声がした

『まゆみちゃん、入ってもいいですか?』

私は朝と同じく返事をしながらドアを開けると心配そうな顔をしたミツジさんと 先程泣き顔を見られたメイドさんがおやつを持って立っていた。

『?どうしました、ミツジさん?おやつをわざわざ持って来てくれたんですか?声をかけてくれれば居間に行ったのに。…もしかして呼びに来た時返事がなくて持って来てくれたとか?ごめんなさいお風呂に入っていたので気づかなかったです。』

と2人を見ると2人は優しく微笑みながら違うと首を振る。

なら何故わさわざ運んでくれたのかと聞きながら2人を部屋に招き入れると先程私が泣いていたと聞いて皆と食べるより部屋で食べたいのではないかと思い運んだという。

やはり誤魔化しきれてない上誤解していた。

私は2人に謝りながら正直に真実を説明した

『ごめんなさい、誤解されるような事をして。ミツジさんもアリーさんも心配してくれてありがとうございます。でも本当に今朝の事は関係ないし、もう気にしてないから心配しないでください。おやつはせっかく運んでくれたので部屋で食べますけど本当に大丈夫ですからね?』

アリーと名前を教えてくれたメイドさんとミツジさんに誤解だと 気にしていないと説明し2人はしぶしぶ納得してくれて部屋を出ていった。

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