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異性

アオイ邸の親睦会が終わり男性人を部屋に見送ったまゆみはテーブルの上をかたずけ残った洗い物をすませた。

ミツジに残りは朝 自分がするのでそのままにしておいてくれと言われたのだがそのままにしておくのは気になって(台所に運ぶだけ)と台所に行き寝る前にカフェオレが飲みたいとお湯を沸かしてる間についでに洗ってしまった。

元々そんなに量がなかったのであっという間に終わってしまう。

まゆみは自分の為に入れたカフェオレを持ち自分の部屋に戻ろうと思ったのだが、朝ミツジがかたずけの為に少し早くくるだろうと思いテーブルの上にある物とメモ紙を残す事にした。

(お店に持ち込んだ物を召喚出来るなら本だって大丈夫だよね?)

そう思って頭にある物を思い浮かべるとそれは召喚された。

(良かった、やっぱり召喚出来た)

テーブルの上に召喚されたのはうどんの麺作り、出汁の作り方の基本から応用、有名店のレシピが載った本だった。

ミツジが来て何もする事がなくて落胆するかもしれないので 本を残し 空いてる時間に目を通してもらおうと思い本を召喚したのである。

メモには

(かたずけの代わりにこの本で うどんの勉強をしておいてください)

と書き残した。

そして部屋に戻ってカフェオレを飲みながら今度は銀の為にと同じ本と、別に大学ノートを召喚して眠りについた。


朝6時に目目覚めたまゆみは念の為セットをしておいたスマフォのアラームを解除して身支度を整える。

初日にやらかしたので今朝からは6時半には起きておこうと思っていたのだがそれより早く起きてしまい 早目に起きたのはいいが する事も特にないし、アオイ達がお腹を空かせて早目に起きているかもしれないと居間へ行く事にした。

昨夜の親睦会で早目に潰れて寝ていた2人は案の定すでに起きてコーヒーを飲んで空腹をしのいでいた。

『おはよう!アオイ、たかふみ君、夕べはあれからすぐ眠れた?』

と笑顔で挨拶すると2人共顔を赤くしながら挨拶を返してくれる。

『まゆみ、その、夕べは、寝ぼけていたとはいえ、すまなかった』

『私もです。申し訳ありませんでした』

2人が何を謝っているのかわからなかったまゆみだがアオイの(寝ぼけて)と言う言葉で察しがついた。

『3ヶ条の事?刹様に聞いたよ、2人共自分でちゃんと部屋に帰って寝れる位に飲む量を考えないとね?』

まゆみの(3ヶ条)という言葉に驚いた2人だが、その後の言葉に??

となる。

そんな2人にまゆみは

『え?どんなに酔っても自分の部屋で寝るって決めたんでしょ?』

『あ?あ、ああそうだった。自分の部屋で寝るんだった』

なんともハッキリしない2人に

『しっかりしてよ?決めた事を忘れたら決めた意味がなくるよ?』

とあきれた顔で見ていると刹と紅、銀、ミツジが顔を出す。

『『『おはよう』』』

『おはようございます』

まゆみやアオイ達も挨拶をすると何を話していたのかと聞かれ説明する

『まゆみ、アオイ達が君に謝ったのは君に抱き着いた事だと思うよ?3ヶ条の事はあくまで男同士の決め事だからね。』

刹のその言葉に紅と銀も頷き ミツジは目を見開き、まゆみは??と首を傾げるながらアオイとたかふみを見ると又顔を赤くした2人も頷いている。

少しの間考えて(あっ!)と声を出したまゆみは

『そういえばそんな気がする、よくある事だから あまり気にしてなかった。ごめん2人共、その件は気にしないで大丈夫だよ?』

と2人に気にするなと言うと謝っていたはずの2人が今度は怒ったような顔をし刹達も真剣な顔になる。

『まゆみ、よくある事とは何だ、お前はそんなに よく男に抱き着かれていたのか?』

『まゆみ、僕も気になるよ。夕べいらないと言っていたのはそういう事なのかい?』

アオイと刹にそう聞かれてまゆみは困惑した。

そして2人の言っている意味がわかり少しムッとした顔をしながら

『よくあるというのは、実家の子供達を起こしたり親戚の飲み会で酔った親戚を起こしたりして寝る様促す時に酔って抱き着いたり子供が甘えて抱き着いて来てたから、私の中ではよくある事で抱き着いてくるのも起こす流れで起こる事なので気にならなかったんです。皆は私が異性とそういう関係をよく行う人間だと思ったんですね?飲んで酔いつぶれた人をよく起こすからとかそーゆートラブルとは思わなかった、それだけまだ皆さんとは距離があるという事ですね。私の言動はそう見えると、…これから言葉選びに気をつけます。』

と頭を下げるまゆみ。

まゆみの説明を聞いた男性人はとても罪悪感を感じた、まゆみは家族のように仲良くなろうと自分の思った事を素直に伝えているだけだ。

多少言葉が足りない為誤解はしやすいが皆に馴染もうと自分の考えを素直に出し相手の考えも積極的に聞こうとしている。

それは昨日の昼間一緒にいる間、メアリーの能力の開示でまゆみの考え

も皆にちょくちょく入ってきたのでよく分かる、なのに自分達は まゆみを家族のようにではなく 一人の女性、異性としてだけで見ていた。

その結果、家族のように接しようとする彼女を 異性に接する彼女として見てしまい、その言葉も異性に接する言葉として受けとめてしまい彼女を咎めてしまった。

そんな男性人に頭を下げていたまゆみは皆を見て

『急いで家族のように仲良くなろうなんて浅はかでした。出会って2日や3日で家族のようになんてなれる訳ありませんよね?これからはなるべくもっと細かく自分の説明もしていきたいと思います。皆さんも聞きたい事や思った事はどんどん言ってください。なるべく同居者として皆さんに近づけるよう努力します』

ともう一度頭を下げ自分は昼食の準備をするので自室に戻らせてもらうと、部屋を出ていった。

部屋を出ていく前、まゆみは銀に夕べ用意したノートと本を渡して

『うどん作りの参考に使って下さい』

と言い残し、ミツジに朝食はと聞かれ、出来れば部屋で食べたいとお願いしていた。

そんなまゆみが部屋に戻るとミツジが皆に頭をさげ発言する

『今朝台所には洗い物は一切なくテーブルの上にはうどん作りの本がありました。メモにはこれで勉強をしておいてと、まゆみちゃんは俺達料理人やメイド達にさえ優しくしてくれます。いろんな男によく抱き着かれるような女が料理人やメイド達にまで気をかけるなんて有り得ません。そんな彼女をただの異性としてしか見ない貴方達には彼女は渡さない!今後同じ様に彼女を傷つけるならこの屋敷でなく別の場所で生活出来る様全力をつくしますのでお忘れなく、俺はまゆみちゃんに食事を運んだら失礼します。皆様の事はメイドに申しつけて下さい』

ともう一度頭を下げ部屋をでる。

ミツジが出ていった部屋では 銀の持つ本とノートを 何も言わず見つめる男性人が残された。



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