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長い1日ー3ー3

仕事から帰宅した途端に異世界に召喚されてしまった私 小山まゆみ。王族の皆さんと挨拶をすませ昼食を摂りながらこれからの事などを話す為 食堂に移動したのだが 皆の了承を得て料理のアレンジをする事になった。その場に居た料理人やメイドさんが手伝ってくれたので余り待たせずに済み 料理がすべて出揃った所で 今から皆で戴く。皆がキラキラした期待の目で料理を視ながら説明を求めてきたので一人一人のお皿に盛りつけながら説明をして渡していく。

『ここにある物だけでアレンジしたので自信はありませんけど味は変わっていると思います』

『まずはお子様用ワンプレート。ミートソースパスタで作ったなんちゃってオムパスタ、一口サンド、マリネ風サラダにスープです』

『大人に作ったのはなんちゃってパスタグラタンです。サンドイッチにはマスタード、サラダには黒胡椒を加えてます。』

『後 素麺は少量ずつしかないので露の中に入れてます、早目に食べないと延びてしまうのでお好きな量の薬味を入れてこちらから召し上がって下さい』

少量ずつを盛ったお皿と素麺が行き渡ると皇太后妃様の

『では、戴きましょう』の合図で皆も『いただきます』と食事を始める。まず素麺 これは間違いない。

皆も満足そうに『美味しい』と言いながら食べているし タカフミ君なんかは本当に嬉しそうに食べている

『あー 懐かしい、美味しいです。まゆみ様 有り難うございます』

と言いながら惣菜の方の素麺も食べている。喜んで貰えて良かった。次に皆さんは少しずつ取り分けた料理を食べてそれぞれに感心している。

『グラタンと言えばマカロニだけどパスタでも美味しいのね

『サラダも味が全体に絡んでて この野菜が少ししんなりしてるのが良いねぇ』

『サンドイッチも少し加えただけなのにいつもと違う』

『お子様用のオムパスタも食べてみたいな』

とそれぞれに気にいってくれたのでホッっとしていると、手を加えてないミートソースやサラダを残してある事を聞かれる。

『その分は又別の食べ方で食べようと思って残していました』

そうこれはまた別に自分が食べたかった食べ方で食べようと思って残していたのだ。私は元々かなり大食いで子供の頃から我が家でミートソースを食べる時は必ず おかわりをする、その時楽しみにしていた食べ方が 一皿目は普通に粉チーズとタバスコをかけて、二皿目は粉チーズとタバスコを少し多めにかけて生卵を加えて食べる。これが鉄板だったのだ。あとサラダにミートソースをかけて潰したゆで卵、マヨネーズを加えてパンに挟んだら美味しかった様な気がしたので残しておいた。

そう説明するとその食べ方も試してみたいと皆興味深々 料理人の人まで真剣な表情で聞いている。その料理人は王族の専属料理人で料理長の ゼフさんというらしい 皆さんとの付き合いも長いらしく信頼もされている。そんなゼフさんのかなり興味深々な様子に皇太后妃様がこの場で皆と一緒に食べる事を勧めて彼も一緒に食べる。一通り食べていたがお子様用のオムパスタは貰えなかったみたいで項垂れている。

『そんな項垂れなくてもアレはお子様用ですし見た目とか楽しく食べて貰えるかなぁと思って作っただけなので』

と声をかけると

『イヤ、その気遣いが大事なんだよ。現にお姫さんもおチビちゃんも何時もよりしっかり食べている。俺なんかじゃこうはいかない。子供用に作る事はあっても遊び心までは気がつかなかった。あんた凄いや』

と感心される。

イヤイヤ全然凄い事ではない。たまたま元の世界の方が食が進んでいるだけでお子様セットやワンプレートが当たり前にある世界に居ただけで気遣いとかそんな大層なものではない。そう伝えると

『それでも普通はこんな状況でそれも初対面の人間に対してこうはならない。やっぱ召喚されただけの事はある。いろんな意味ですげぇやぁあんたもしかして料理人か?』

と何故かギラギラした目で聞かれたので素直に違うと答えた。すると アオイ君が

『うどん職人とはうどん専門の料理人の事ではないのか?』

と不思議そうにしていたので、うどん職人とはうどんを麺から作る人の事で基本 料理人の資格はいらないと説明する

『まあ、料理人の資格を持つ人もいるでしょうが無くてもお店はだせますし、そもそもうどん職人という職業は無い筈ですし私も調理師免許は持ってません。ただ15年うどん屋で社員として働いているので麺の仕込みから統べての作業はできます。もっぱら最近は天ぷらと出汁づくりを担当しているのでうどん職人と出てたのは不思議です』

と不思議がっていると15年も働いていてうどんも麺から作れるなら職人でもおかしくないと皆に突っ込まれた。 するとタカフミ君が

『私の記憶の中ではうどんは病気の時に食べる物でお店があるなんて不思議ですねぇ、やはり病気の方々が食べに来るのですか?』

と訪ねてきたので笑いながら

『あぁ 確かに私達の子供の頃は熱を出したりするとうどんかお粥でしたね。ふふふっ もちろん今もそうですけど昔ほど病人食というイメージはありませんし、食べに来るお客さんは病気の方という訳ではないですよ?普通にラーメン屋にラーメンを食べに行くのと変わらないと思います。うどんもイロイロな種類のメニューがありますからね』

子供の頃熱を出したりした時に母がうどんを作ってくれた事を懐かしく思い微笑みながら答えていると 皆さんの視線が集まっている。

(私 変な事言ったかな?)と思っていると

『イヤイヤ 変な事は言ってはいないよ 』

『そうそう。変な事じゃ無くて気になる事を言っただけだよ』

と皆口々に言う。タカフミ君も頷きながら私を見て

『うどんの種類がイロイロあるとはどういう事なのでしょう?』

と聞いてきた。

そう 皆さんうどんの種類という言葉に反応していたのだ。なんでも此方の世界でもうどんはあるのだが先程タカフミ君と私が話していた様にうどんは病気の時に食べる印象しかないらしい なのでお店があったり普通に食べに行くという事が不思議な事なのだとか、ましてや種類がイロイロあると言うのでますます興味深いと。ゼフさんなんかは身を乗り出して聞いて来るのでちょっと怖い。なので私のお店のメニューの説明をする。

『まずは基本の温かい出汁の かけうどん これをベースにイロイロなうどんが出来ます。例えば若芽をいれれば わかめうどんになるし、肉を入れれば肉うどんという感じですね。うどんの中にいれなくても別に加えれば 何々うどんとなります。そして冷たいうどんの ぶっかけうどん、冷やつけ麺、ザルうどんなどです。こちらは醤油をベースにした露で ぶっかけうどんは上から露をかけて食べます、つけ麺やザルは露の中に麺を入れて食べる物です。つけ麺の場合は露の味や具材で変わるので醤油ベースではない事もありますし温かい露の場合がありますが基本つけて食べるのが つけ麺、ザルになります。あっ、かけの冷たいのも有りますね これは基本冷やかけと言います。後は基本のうどんに何を足すか、味をどう変えるかでうどんの名前が変わります。天ぷらを付ければ 天ぷらうどん 出汁の味をカレーにすれば カレーうどんという感じです。具体的に挙げていくとかなり種類があるとは思いますけど考え付く分を言っていきますか?』


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