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親睦会

本城から戻って自室に入るとすぐさま服を脱ぐまゆみ、今彼女が着ているのは元の世界で仕事着に着ていたズボンとTシャツ。

ズボンが気にいらないとか恥ずかしいとかで脱ぐのではなく、仕事から帰るとまず服を脱ぐのが習慣になっていたからだ。

『まさかすぐにこの服を着る事になるとは思ってなかったなぁ』

と笑いながら服を畳み明日も着る事になったその服を見る。

服は此方に召喚されて着替えさせられた後 メイドさんが洗っておいてくれたので汚れていない。

まぁ 汚れていなくてもこのお城の敷地の中では異質すぎる存在だし、それを着る自分も異質なんだろうと自覚はしている。

自覚はしているのだが自分ではどーしようも出来ない事も解っているので深くは考えず流れに任せようとなるべく自然体の素の自分を出す様心がけた。

『最初から地を出しとかないと後が大変だもんね!』

と服を見ながら独り言を言う。

元居た世界には戻れず此方の世界で生きていかなければいけないのなら自分が受け入れられるのか、自分が回りに打ち解けるのか、後々無理が出て関係が悪くなるよりはと最初から地を出していこうと決めていたのだ。

今のところ回りの皆は自分を受け入れてくれている、今後はどうなるかわからないがまだ始まったばかりだ、イロイロ問題が出てくるかも知れないがそれはその都度考えるしかない。

そんな事を考えながら下はパンティー、上はタンクトップブラという

格好のままベッドの上に横たわる。

(こんな格好で昼寝してたら又アオイに怒られるなぁ)

などと思い微笑みながら眠くなって来た瞼をとじる。

30分は寝たであろう、ふと目覚めると6時になろうとしていたのでお風呂に入る事にした。

この屋敷には各部屋に浴室やトイレがあるのだが別に大浴場がある、その大浴場には常に天然の温泉が流れていて何時でも入る事が出来るのだ。

その温泉に入ってみたくてさっそく着替えを準備して浴室に向かう

天然の温泉は丁度いい温度で思わす鼻歌まで出てしまう。

『はぁ~、気持ちいい~、』

『…ありの~ままの~♪すがた~…』

などと少し前に見たアニメの歌を歌っていると ガタッ、ガタガタっと音がしたのでそちらをみる。

そこには腰にタオルを巻いたアオイ邸の男共が言葉にならない声をだし

此方を見ていた。

『#★*♂※◎£』

そんな中刹だけが冷静に声をかける『おや?まゆみも温泉を楽しんでいたのかい?すまない。気がつかなかったよ、僕達は遠慮しよう』

と皆を引き連れ出ていこうとする。

自分の腕にお湯を撫でつけていた姿のまま固まっていたまゆみは咄嗟に

『待って下さい、せっかく皆で

温泉を楽しみに来たのに私のせいで

。バスタオルを取ってもらませんか?私はもう楽しんだので上がります。このまま皆は温泉を楽しんで!』

とそのまま皆残る様促す。

流石に裸を見られるのは恥ずかしいのでバスタオルを取ってもらい体に巻きつける間は後ろを向いてもらい湯船から出る。

湯船はジェットバスのように温泉の湯を泡だてているので胸の半分から下は見られていないだろう、男性人も腰にタオルを巻いていたので此方も見ていない。

(大丈夫、見ていないし、見られていない)

と自分に言い聞かせタオルを巻いた

ままその場を立ち去る。

『では、私はお先に失礼します。後は皆でゆっくりして下さい』

そう言い残し脱衣室に置いていた自分の着替えを取り自室に戻る。

(ビックリしたぁー、)

自室の浴室の脱衣室で体をふき着替えながら落ち着こうと深呼吸をする。

(本当にこんな事があるんだ、まるで漫画やドラマのシーンみたい。今の場合は恋愛前の2人とかじゃなく住人全員集合の罰ゲームコントだけど、)

と笑い皆を驚かせて悪い事をしたなと考えなおした。

あの場で自分が騒いで皆の温泉タイムが削れなかった行動だけは自分でも誉めてあげたい、あの場で私が上がるのを待つのに服を着て 私が上がってから入りなおしていたらゆっくり温泉を楽しんむ時間がなくなる、咄嗟にそう思い行動した自分に(よくやった)と誉めた。

服を着て髪を乾かし時計を見ると19時10分前だった。

19時になり広間に行くと湯上がりホッコリの皆が揃っていてまゆみを見ると顔を赤くする紅とアオイ、たかふみ、そんな3人よりその場に並べられた料理に驚くまゆみ。

『凄い、美味しそう!皆で用意してくれてありがとう!』

とキラキラした目で皆にお礼を言う。

先程の事は忘れているのか恥ずかしそうな素振りも見せず並んだ料理に目を輝かすまゆみに顔を赤くしていた3人も嬉しそうに笑い親睦会を始める。

まゆみの左右にはアオイとたかふみ、まゆみの正面に刹、刹の左右に紅と銀、皆 生ビールのジョッキを持ちそれそれの顔をみながら

『かんぱーい。これから宜しくー』

風呂上がりの生ビールは最高に美味しく、思わず笑みがこぼれる皆にまゆみも頬をゆるめ生ビールを飲み干す すかさずお代わりの生ビールが運ばれるとその運んで来た人物を見て驚いたまゆみは

『あれっ、ミツジさん?どうして此処に?親睦会の為に来てくれたんですか?』

と聞くと笑いながらミツジが答える

『いえ、親睦会の為だけでなく これからアオイ邸の専属として此方に伺う事になりました、宜しくお願いします』

そんなミツジにまゆみも喜び

『わぁ、なんか嬉しです。これから宜しくお願いします』

と頭を下げるまゆみにアオイ達は面白く無さそうな顔をしている。

そんな皆を見ながら刹が微笑みながら

『そういえばまゆみ、さっきは入浴中に邪魔をしてしまい悪かったね、あのまま、 まゆみも僕達と一緒に温泉につかっていけば良かったのに。目の保養にもなるし皆喜んで入浴を楽しめただろうに』

と爆弾発言をするものだから折角普通に戻ったアオイ達は又顔を赤くし、ミツジは驚きで顔を青くしている。

『もう、刹様 冗談が過ぎますよ?いくら相手が私でもアオイ達若い男の子が女性と一緒に温泉に入るなんて恥ずかしい事出来る訳ないじゃないですか』

『ほう、まゆみは平気なのかい?』

『私?日本で混浴の露天風呂に入った事もありますし、タオルを巻いていれば一緒に浸かる位恥ずかしくはないですよ?流石に裸をジロジロ見られるのは嫌ですけど』

と2人で話していると皆から

『ま、まゆみさんの裸?』

『ま、待てまゆみ、混浴とは何だお前、まゆみは混浴とやらに男と入った事があるのか?』

『タオルを巻いていれば俺達と一緒に入るのか?』

などと皆混乱気味。

そんな彼らの反応が面白いのか刹が笑いながらまゆみにさらに提案をする。

『では今度 とても景色の素晴らしい秘境の温泉に案内しよう。勿論混浴になるのだが構わないよね?』

『わぁ、楽しみです。景色の素晴らしい場所でお弁当とお酒とおつまみを持って皆で行きましょう。お酒を飲みながら温泉と景色を楽しむ、考えただけでわくわくします』

まるで遠足を楽しむようなまゆみをよそに違う想像して顔を赤くするミツジやアオイ達、それぞれの反応を見て楽しむ刹であった。

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