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ゼフ 視点

俺の名はゼフ。

麥国の王族専門の料理人だ。

王族専門の料理人とは料理人のスキルを持つ者でレベルがMAXに到達した限られた者の中で王族方に認められた者だけにしか認められない誇りある職業。

そんな誇りある立場に就いてからかれこれ10年位は経つだろうか、息子のミツジも俺と同じ料理人を目指したいとこの城で勉めさせてもらっている。

王族の方々には昔から家族同様に可愛いがって頂き食事も同席させてもらっている。

そんな家族ぐるみで気心の知れた王族方に新たに召喚されたお嬢さんが加わった。

王族関係者や身近な者にしか関心をもたず、特に女性に難色を示すアオイ坊の運命の相手をと 婚約者として召喚されたお嬢さんだ。

初めてその姿を見た時は特別な何かがある様には見えないごく普通の可愛らしいお嬢さんだった、

(この子がアオイ坊の相手か)

位にしか思っていなかった俺は彼女の行動に驚いた。

召喚者としての能力にも驚いたが更に驚いたのは召喚された物が食べ物だったからだ。

食べ物を召喚した彼女は俺の作った料理をいとも簡単に違う料理に作り変えて見せ(アレンジというらしい)尚且つまだまだイロイロな種類に作り変えられると言う。

この国では最先端である俺の料理のそのまだ先があると言うのか?

見た目が新しくとも味が伴わなければ完成された料理とはいえない。

彼女の作り変えた俺の料理たちはとても旨そうで 俺は興味津々に見つめる。

食べてもいいと了承を得たので食べてみると…旨かった。

作り変えた本人は

『ここにある物だけで作ったので』

と納得していない様だが俺からしたらまるで魔法を見ている様だった。

どんなに凄い料理人なのだと思っていた彼女のスキルは料理人ではなく(うどん職人)という特化したものだったのだが、その うどんがこれまた旨く 更に種類が豊富らしい。ついでに刹様の傷を癒す効果付きだし、ますます興味が湧く。

興奮続きの俺は帰るなり息子のミツジに彼女と彼女の料理の凄さを話してきかせる。

俺の話を訝しげに聞いていたミツジだが、実際に彼女に会い彼女のうどんを食べてその味に惚れたようだ。

『弟子にして下さい』

などと突然言いだした。

突っ走る所があるミツジに俺は驚いただけだが、彼女は冷静にミツジに論してくれた。

料理人としての立場をわきまえ回りを良く見ろと、そんな事をこんな若いお嬢さんから言われるとは俺もミツジも思わなかった。

元の世界では今の姿ではなく倍の年齢だったと考えれば納得がいくのだが見た目は間違いなく若いお嬢さんだし、倍の年齢でも俺よりはお嬢さんなのでこのまま(嬢ちゃん)と呼ばせてもらおう。

ミツジの奴もまゆみ嬢ちゃんを気にいったらしい、というより惚れたようだ。

嬢ちゃんが微笑みかけると赤い顔をしてやがる。

惚れたからというのもある様だがミツジは嬢ちゃんの作るうどんを 学びたいと言いだした。

それは俺も同意見だし、俺も教わりたいのでメアリー様に 週に一度、嬢ちゃんと一緒にうどんを作り学ばせて欲しいと願い出ると了承して下さった。

嬢ちゃんも心良く引き受けてくれたので遠慮なく学ばせてもらおう!

ミツジの想いが嬢ちゃんに届くかどうか、それはそれで楽しみながら見物しておく事にする。

今はまだ知らない、食べた事のない物と出会えるのが楽しみで仕方ない。

若い頃に戻ったようなワクワク感を与えてくれた嬢ちゃんに感謝する。

又、その嬢ちゃんを召喚してくれた王族の方達にも感謝を!

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