続 うどん教室?
バケツにぬるま湯を入れ、タオルを持ちゼフさんとミツジさんにミキシングボックスの掃除の仕方を教える
『ぬるま湯を使った方が溶けやすくて早く掃除が終わります。ボックス内にへばりついている粉などを全て綺麗にしておかないとカビたりするのでしっかりおとして下さい。』
一部分だけ説明をしながら掃除をして見せ残りは二人で交代で掃除をしてもらう。
掃除が終わったらチェックをして終了
『二人は流石料理人だけあって作業の飲み込みも掃除も完璧ですね?』
と二人に笑いかける。
やはり料理人は調理器具などを大事に扱う事から教わるからだろう、掃除も綺麗にしてくれたし、ミキシングも初めてで不馴れな感じはあったが細かい動きなどは手際が良かった。
そんな彼らに素直に凄いと伝えると
『いや、嬢ちゃんの教え方が上手いのさ、ちゃんと要点をまとめてくれて一緒に作業して加減も教えてくれただろ?この位の早さとか、この位の水の量とか、感覚が掴みやすかった。途中でおかしい時は添えた手で修正してくれたし。なぁ?ミツジ?』
『あ、ああ。教え方が下手な奴はただ口だけで、それ、やってみろ!だからな。まゆみ様の教え方は丁寧で分かりやすい。』
『ありがとうございます。二人にそう言ってもらえると嬉しいです。それとミツジさん。私の事は様付けなしで呼んでくれませんか?せっかく麺を一緒に作っているのに様付けで呼ばれると…様付けじゃない方が打ち解けた様な気がするので嫌じゃなければ様付けなしでお願いします。』
『う、で、では、まゆみちゃん?でいいですか?』
『はい!ありがとうございます!』
『ははっ、お前、様からいきなり ちゃんって飛び越えすぎだろ。まぁお前ならいきなり呼び捨てになりかねないから ちゃんでも上出来か』
『あ?なんだよ?飛び?あっ!すみません、ちゃんじゃないさんでした。』
『いえ別にちゃんでもいいですよ?その方が仲良くなった感じがするし、ゼフさんも嬢ちゃんでちゃん呼びだし、嬉しいです。』
と3人で話をしているとアオイ邸の面々から声がかかる。
『おい、まゆみはちゃん付けの方が嬉しいのか?』
『私もちゃん付けにしましょうか?』
『俺達だって様はつけてないぞ!』
などと訳のわからない事を言って来た。
そんな時、メイドさん達がお茶を持って来てくれたのでテーブルに移動し皆でお茶をいただく。
お茶を飲みながら塩水の作り方、粉の分量など今までの作業をメモしてもらいこれからの作業の説明をする
『次の作業はプレスです。プレスが終われば麺体作業は終わりです。その後は麺線作業を教えます』
そうしてプレスの時間になり熟成具合を確認してプレス作業をし、麺線作業の準備をする。
『今仕込み終わった分はねかせておかないといけないので練習には別の物を使います。こちらも全員は無理なのでゼフさんとミツジさんの他にあと二人だけ教えます』
とあと二人を決めてもらいまずは一通りの流れを実際に見てもらう。
そうして一人ずつ順番にやってもらう。
ゼフさん、ミツジさん、銀さん、たかふみ君の順番だ。
ここでもやはり料理人の二人はすんなり出来た、途中生地を引っ張り過ぎたりしたが手の添え方を一緒にするとすぐに覚えた。
一方 銀さんとたかふみ君はやはりといって良いのか流石料理をほとんどしないだけあって一緒に作業しても生地を引っ張り過ぎ、うち粉のつけすぎ、足りなさすぎ などで綺麗な麺には程遠い物が出来上がり、しかも本人は粉まみれという結果に終わった。
『銀さんもたかふみ君も最初から上手くいくひとはいないのでそんなに落ち込まないで、ね?ゼフさんとミツジさんはプロの料理人だから特別上手なんです。二人と比べたら駄目ですよ?』
と悔しそうな二人を励ます。
だが二人はせっかくの生地を台無しにしてしまい申し訳ないと肩を落としている。
『台無しになんてなりませんよ?練習した麺は今からおやつを作りますから、だから二人も自分の打った麺でおやつを作るのを手伝ってね?』
と元気づける。
皆 麺でおやつ?と不思議そうな顔をしているので説明をする。
『せっかく皆作業をするつもりで着替えたんだからこの麺を湯がいて、かりん糖とやせうま風うどんにしておやつとして食べましょう?麺をねじったりむすんだりする作業は子供達も楽しめると思うんです』
と作業に参加せず見ているだけでは楽しくないでしょ?と子供達を見て笑うと子供達は天使の笑顔で目をキラキラさせて声をはずませる。
『るぅ、おあつつくう! 』
『メイも まゆみとおやつを作りたいのですー!』
と二人は両手を挙げて嬉しそうにひょんひょんはねる。
そんなに可愛らし二人を見て
『じゃぁ、麺を作ってくれた銀さんとたかふみ君、ゼフさんとミツジさん、4人にお願いして一緒に作らせてもらおう!』
とメイちゃん、ルイ君と3人で麺を打った4人にお願いすると4人とも笑いながら一緒に作ろうと子供達に返事をする。
『では、ここからはおやつ教室の始まりです。皆でおいしいおやつを作りましょう?』
と子供達の目線に合わせる様にしゃがんで二人の天使に微笑み、そのまま麺を打った4人を見る。
しゃがんだまま見たので睨んだ様になったのか、たかふみ君とミツジさんが一歩あとずさるので 慌てて立ち上がり(宜しくお願いします)と頭を軽くさげ、回りの皆にも声をかける。
『勿論アオイ達も参加してくれるよね?』
そうして今度はおやつを作る事にした。




