あの人に助けられ・・・2
僕は息苦しさで、目を覚ました。
目の前には、小百合さんの胸があり、抱き枕のように小百合さんに抱きしめられていたらしい。
もがいて逃げようとしても、更に押し込められる。
「んっ///」
何かやばいものを触った気がしたが、そんなことより息をしなければ、死んでしまう。
なりふり構わず、必死に脱出を試みる。
「んあっ///」
エロい声を発っしられ若干興奮気味になりながらも、見事に脱出。
僕は死にそうだったが、少し罪悪感を感じた。
小百合さんは、朝は弱いらしくなかなか起きてこない。
なので、僕が朝ごはんを用意しよと思い、冷蔵庫を開ける。
昨日知り合ったばかりとはいえ、他人の家の冷蔵庫を開けるのは気が引けるが、恩を返すつもりであさった。
冷蔵庫の中は、ある程度のものが整っており簡単な朝食が作ることが出来る食材があった。
━━30分後
親が共働きだった僕は、1人のことが多く大抵の事は自分で出来ていた。
朝食が完成し、小百合さんを起こしに行くことにした。
寝室に行き小百合さんの体を揺らす。
「ん……?」
小百合さんが起き、朝食のことを伝えリビングに来るように言った。
「これは、ありがたいな勝手に連れてきたが客人の君に朝食を用意させてしまって」
小百合さんは起き上がり服を着替えようとした。
僕は、とっさに後ろを向いた。
あまりにストレートに着替えようとしていたが、小百合さんは下には何も着ておらず、裸だったからだ。
「どうした、少年?なぜ後ろに振り向いた」
考えなくともわかることを聞かれ、慌てる。
「あ、あぁ別に気にする事はない、それに昨日一緒に風呂に入ったではないか、今更恥ずかしがったりなどしないよ」
そんなことを言われたが、異性は異性、気にしない方がおかしい。
僕は、その部屋を急いで出てリビングへ向かった。
「初だなっ!」
━━朝食後
朝食が終わり、これ以上迷惑をかける訳にはいかないと思い、礼を言って出ていこうとしたら……
「決めたぞ!」
?
「今日から君は家で過ごせ渚くん」
??
「どうせ、帰っても君が可哀想だ家が引き取る」
???
全く理解が出来なかった、何を言ってるのかわからなかった。
「どうだ、君の意見を聞こう」
理解も出来なかったし、何を言ってるのかもわからなかった、だけど、ココに居たいと思った。
よろしくお願いしますの意味を込めた、深いお辞儀をした。
「よし、よろしいっ!今日から君は家の子だ渚くん」
何故かしら、急に涙が込み上げてきた。
「どうした渚くん、そんなに嫌だったか?」
首を横に振る。
「そうか、今まで辛かったな」
何かを察し、僕を抱きしめた。
しばらく、泣き続けた。
小百合さんの胸の中で……
「気が済むまで泣くといい、だが泣き終えたらとびきりの笑顔を見せてくれ」
僕は、気が済み顔を上げ、今までで1番のとびきりの笑顔を見せた。
「いい笑顔ではないか、よしっ、これからのことを話そうか」
涙を拭い、頷く。
「では、これを説明しないとな、昨日君と出会った時にやっていた事だ」
不思議そうに首を傾げる。
「”私達”は、日々あのような活動をしている。傍から見たらただの殺人行為だがあれはれっきとした粛清行為だ。この行為をしているのは私以外にも複数存在する。まぁ、やっていればいつか出会うだろう」
そんな話をされるが、やはりまだ子供の僕には重く辛くのし掛かる。
「すまないな、だが昨日の粛清を見たからにはこの話をせねばならんのだ」
申し訳なさそうに、小百合さんが言った。
僕もそこ辺りは理解しているが、やはりくるものがある。
だが、自分を受け入れてくれた人に失礼あってはならないと思いその事を受け入れた。
「わかってくれたか」
そっと胸をなでおろし、ホッとして次にこう言った。
「そこで、提案だ」
首を傾げる。
「君にもこの活動に参加してもらおうと思う」
僕は驚く。
つい最近までは、普通の生活をしていたはずが、突然粛清をする活動に参加させられるとは、今までの生活上考えられなかったというか、無かった。
「安心したまえ、君には粛清行為はさせない」
どういうことかと聞くと
「君には私のバックアップをしてもらう、と言ってもそんな大したことはない、君でも出来るようなことだ」
僕ができることは限られすぎている気がするが、内容を聞く。
「えっとだな……」
小百合さんが口を開いた瞬間
ピーピーピーピー
と、携帯が鳴る。
「どうした?」
話をさえぎられ少々気持ち悪いが何やら一大事らしい。
「すまない渚くん話はおいおい話すとしよう」
急いで準備をすると、昨日のローブの様なものを羽織り僕にも同じものを羽織らせた。
「では、行こうか」
そうして、家を出た。
僕は今、小百合さんにお姫様抱っこされながら宙を舞っている。
━━数分前
「家を出たのは良いが、渚くんが私に合わせるのはキツイだろうし、かと言って私が渚くんに合わせては間に合わなくなってしまう」
どうしても急ぐためには僕という足枷が必要となってしまう。
「そこで、だ」
僕は抱えあげられお姫様抱っこの形になり、今に至る。
最初は怖かったが徐々に慣れてきたと思う、そんな自分が怖い。
「もうすぐで現場に着くぞ、心の準備をしろ」