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ゴブリンと意思疎通
ゴブリンが異質さにぼんやりしていると、目の前に影が落ちる。
ゴブリンは己を上から覗き見る、黒く輝く瞳に目を奪われた。
魔力が多いものほど、髪質は色が濃く暗くなる
今まで襲ってきた人間たちでさえ、こんなに濃い色ましてや、純粋な黒は見たことがなかった。
そして何よりも目の色だ。
髪のみならず目までも黒いのは、流石に長く生きてきたゴブリンの長老からも、聞いたことがない。
目の前の光景に目を奪われていたゴブリンは、やっと自分が目の前の存在に話しかけられていることに気づいた。
「ねぇ、私の言ってる言葉分かる?」
ゴブリンは、目の前の人間を見定めながらゆっくりと頷く。
「グギャギャギャ」
言葉が分かり、知能もある
喋れなくても、意思疎通は出来そうだ
その見解に雛菊は、ふっと微笑った。
「私を殺すの?」
澄んだ瞳がジッとゴブリンを見る。
「ギュギャギャギャギャギャ」
ゴブリンも腹をくくり、地面にドサっと座った
雛菊は辺りを見回してから、同じように座る
「貴方は、ゴブリンで合ってる?」
ゴブリンはただ頷いた。