ゴブリンの思考
頭上から振り下ろされる、木で出来た棍棒
後、ほんの数十センチ
ゴブリンは全く動かない獲物に気を良くし、汚らしく口の端氏を上げ、唾液を地面にペチャッと飛び散らせた。
ゴブリンは気づいていなかった、雛菊の瞳がゴブリンを観察していたことに。
当たると思われた棍棒を難なく避ける雛菊
振り下ろされた速さのまま地面にぶつかった棍棒
地面には小さくもクレーターが出来ている。
ゴブリンはビリビリ痺れる痛みについ、棍棒を落とす
「!?......ギャガャギャ」
唸り声を上げながら怒りでぎょろぎょろした目をグワッと雛菊に向ける
瞬間ゴブリンは、目を丸くして目の前の光景に目を見張った。
普通の人間なら、自分達の触ったものなんて自ら触る様なことなんてしない
大抵は、汚いとほざきながら自分達を殺していくのだ
勿論ゴブリンを殺した後に身ぐるみを剥ぎ、めぼしい宝を探すなんて事はしない
ただ、目の前にいるというというだけで同胞を殺していく憎い筈の人間
だが目の前の人間は自ら棍棒を持ち、観察するかの様に顔を近づけて眺めている
自分が使っていたものにも関わらず手に取り、なおかつ自分を殺すわけでもない
それによく見れば、普段相手にする人間より明らかに小さく細かった