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魔法書少女と異世界  作者: にゃん太さん
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頂上から覗く景色

一体どれだけの時間、階段を登ることに意識を向けていたのか、辺りは既に暗くなり始めていた。


青みがかってきた空に、夜の星が淡く主張するように輝きだし始める。


やっと辿り着いたそこは、京都の街並みを一望できる場所だった。


昼の焼け付くような暑さから一転


不快感を刺激する生暖かい大気に眉を寄せ


汗で首に張り付いた髪の毛を無造作に引き剥がした。


ホッと一息ついてから、崖から身を少しだけ乗り出す。


空が徐々に黒色のクレヨンで塗り潰され


上から見渡す街は夜の香りを漂わせ始める。


ジッとその光景を眺めながら、雛菊は真っ黒な瞳を密かに輝かせていた。


真っ黒な瞳……黒曜石の様に美しく、又黒曜石の様に鋭い光を放つその瞳


雛菊が見下ろす街のその先に、一体何を見つめているのだろうか


もうすっかり暗くなりきった空


鈴虫の音色だけが耳に入ってくる。


だんだんと瞼が重くなるのを感じ、そろそろ帰ろうかと長い髪を翻した。


パキッ……


枯れ枝の踏み折れた音が静かなあたりに大きく響く


雛菊は、ピタッと動きを止める


ガサガサガサッ……草木が揺れ、生温かい風が雛菊の頬を舐めた。

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